BTOパソコンがDTMにおすすめな理由とは?【ショップも紹介】
DTM 用のパソコンの選択肢として BTO がおすすめです。
パソコンって高価だし頻繁に買い換えるようなものでもないので、買い物を失敗したくないですよね。
しかし私が DTM を始めた時は、よく知らずに家電店で買った普通のパソコンを使おうとして失敗、性能が足りずに改造するハメになりました。
その時にパーツを探していて知ったのが BTO。最初からこういうショップで買っておけば良かったのか…と思い知らされたのは良い思い出です。
というわけで今回は、私の経験をもとになぜ BTO がおすすめなのか、具体的にどういうショップやマシンが良いのかを解説させて頂きます。
BTOパソコンとは?
BTO とは、Build To Order の略で、受注生産のことです。
これ自体はいわゆるオーダーメイドと近い意味なのですが、BTO パソコンについては「秋葉原などにあるパソコン専門店のオリジナル商品」という解釈をして頂いた方が分かりやすいと思います。
もちろんスペックをカスタマイズしてオーダーメイド的な購入をすることも可能なのですが、要は、パソコンの専門家であるショップが独自にマシンを組み上げているという点が特徴です。
このため、下述するようにコストをスペックに全振りしたようなマシンが多く、DTMer をはじめクリエイターやゲーマーなど、パソコンに拘る必要がある人達にとっての強い味方となり得るんです。
BTOパソコンのメリット
BTOパソコンの強み、メリットについてもう少し詳しく見ていきます。
DTM用途におすすめな理由も、このメリットの部分が非常い大きいからなんですよね。
ハイスペックなマシンが安価で買える
BTO パソコン最大のメリットは、ハイスペックなマシンを安価で買うことが出来る点だと言えます。
大手電機メーカーのパソコンに色々と入っているような余計なアプリケーションをカットしていたり、自社組み立てで製造コストをカットしていたり、自社販売で流通コストをカットしていたりなど…
BTO パソコンは基本、不要なコストを極力削ぎ落として、価格に対するマシン性能を最大化するような販売戦略が取られています。
一部には広告への投資が大きいショップなどもありますが、それでも基本的にはどこもこのような傾向にあります。少なくとも家電量販店で売っているパソコンとはこの辺りが全く異なります。
これこそが BTO の強みであり、DTMer をはじめとしたハイスペックなパソコンが必要な人にとっての圧倒的優位点といえます。
つまり BTO って、高性能なパソコンを最低限のコストで売ることに強みを持っているしたショップなんです。
スペックをカスタマイズして購入できる
受注生産と謳っているだけあって、BTO パソコンショップで取り扱っている各マシンは購入時にスペックのカスタムオーダーが可能です。
CPU やメモリをパワーアップしたり、保存用ディスクを追加したり、グラフィックボードや電源をより良いものに換えたり、逆に不要なパーツはグレードを下げたりなどなど…パーツ単位でカスタムすることが出来ます。
「自分にとっての完璧な仕様」が、必ずしも既製品に存在しているとは限りませんが、こういったカスタムが出来ることで限りなく近付けることが出来ます。
つまりは、自分の DTM 環境に最適な自分専用のパソコンをオーダーすることが出来るということです。
カスタムせずに買っても BTO の恩恵は十分に受けられますが、この点も非常に大きなメリットです。
保証やサポートが充実している
ショップによって多少の差はあるものの、基本的に BTO パソコンショップはどこも保証やサポートが充実しています。
何故かというと、BTO ショップはパソコン特化の専門店だからです。
色々な電化製品を広く浅く取り揃えている家電量販店と違って、BTOショップのスタッフさんは基本的に皆パソコンのプロフェッショナルです。
私自身も初めて BTO パソコンを購入した時に店員さんに色々とサポートしてもらったのですが、パソコン周りの疑問点やトラブルなどについて、技術的な観点から的確に回答やアドバイスを貰えて大変有意義でした。
私の時は店頭でのやり取りでしたが、殆どのショップでメールサポートを受けて付けているのでオンラインでのやり取りも可能。
保証についても3年保証は当たり前の世界、ショップ独自の保証プランを用意している場合も多く、やはり量販店より充実しています。
BTOパソコンのデメリット
専門性が高いことが、メリットでもある反面デメリットでもあると思います。
というのも、扱っている商品の専門性が高いということはつまり、ユーザー側にもある程度の専門性が求められるということです。
パソコンに詳しくない人や、 DTM 初心者で自分に必要なパソコンスペックがわからない人にとっては、何を選んだら良いのか分かりにくいと思います。
各ショップとも、サイトの作り1つ取ってもやっぱり「分かっている人向け」な印象を受けます。パソコンに詳しくなかったらサイトを見ても何だか分からない…となっても不思議ではないでしょう。
まあそんなわけで、当記事のような詳しく解説しているコンテンツを参考にして頂ければと思う所存です。
「よく分からないから」という理由でメリットを享受できないのは勿体ないですからね。
BTOパソコンを選ぶ時に確認したいこと
DTM 用にパソコンを購入する際の選び方や注意点については下記の記事でまとめています。
BTO であっても基本的には一緒なので、ここから引用しつつポイントを挙げていきたいと思います。
CPU、メモリ
BTO 最大のメリットは、ハイスペックなパソコンを安く買えること。
パソコンの処理能力そのものである CPU と、処理をどれだけこなせるかを司るメモリは、特に妥協せずに選んで欲しいポイントです。
詳しくは上記の記事を読んで頂くとして、CPU は Core i7 (Ryzen 7) 、メモリは 16GB 以上を出来れば選びたいですね。
ストレージ容量
DTM をやっていると、ソフト音源のライブラリ、サンプル素材、録音したデータ、完成した作品データやそれらの動画を作ったりなどで、ストレージ容量をかなり使います。
OS が入ったメインストレージとは別に保存用の HDD か SSD (※) を、合計 2TB 以上は確保した方が良いと思います。
外付けよりも中から接続(sata等)した方が動作が速いですが、とは言っても普通のパソコンにはそんなに大容量のストレージは付いていません。
そこで BTO のカスタムオーダー機能を活用して、目ぼしい機種に追加ストレージが設定されていなければ、ぜひ追加してオーダーしましょう。
(※) HDD と SSD の違いや使い分け方についてはこちらの記事を参考にしてください。
グラフィックボード
グラフィックの処理を司るブラフィックボードですが、安いパソコンには搭載されていないパーツです。
しかしこれがないと、グラフィックの処理を CPU が担当することになるので、その分 CPU の処理領域を消耗します。
DTM 用途では必ずしも高額なグラフィックボードは必要ありませんが、とは言え何かしらは装備しておいた方が良いです。
詳しいことは下記の記事に書いています。
おすすめのBTOパソコンショップ
ドスパラ
BTO ショップの中では知名度が高いかも知れません。個人的にも総合的に最もイチオシなのがドスパラです。
品揃えが豊富かつバランス良く、BTO ショップの中でも割安でコストパフォーマンスに優れています。
かつ初心者にも比較的分かりやすいように色々と区分けがされているのが良いですね。DTM 用途ならクリエイター向けの raytrek シリーズから選べばOK、みたいな。
パーツ単体での販売も充実しており、後から改造をする機会があったらその時もお世話になる可能性大なショップです。
ドスパラのおすすめ機種についてはこちらの記事で紹介しています。
TSUKUMO (eX.computer)
秋葉原の老舗パソコンショップである TSUKUMO が展開している BTO パソコンが eX.computer です。
BTO を扱うパソコンショップとしては大手で、かつ現在はヤマダ電機傘下ということもあり、この界隈では大手の安心感を感じられるショップです。
商品ラインナップは DTM 用途としてのボリュームゾーンとも言える10万円台のものが充実しています。
ブランドの志向的にもガチなパソコンの初心者~中級者向けな印象なので選びやすいと思います。
ただ、カスタムオーダーを駆使しないと、素の状態で DTM に最適な仕様のマシンは意外と多くないです。
下記記事では素の状態または最低限のカスタムで DTM に最適になるマシンを厳選して紹介しています。
マウスコンピューター
乃木坂46のCMが有名な、国内 BTO パソコンメーカーの大手です。
マイクロソフトの OEM パートナーに認定されており、BTO でも数少ない「メーカー」と名乗ることが出来る存在。
サポートが充実していることや、BTO 界隈の中では初心者に優しい商品展開で、初めてのハイスペックPC選びに特におすすめです。
マウスコンピューターのおすすめPCについては下記記事で紹介しています。
@Sycom
@Sycom(サイコム)は、埼玉県に本社を置き、通信販売専門で BTO パソコンを販売しているショップです。
カスタマイズが豊富で独自コンセプトの製品も多く、中~上級者向け製品が多い印象ですが、購入相談や各種サポートも充実しており初心者でも手を出しやすくなっています。
ゲーミングPCが特に強い印象ですが、DTM に最適な機種もいくつかあるので、下記記事で紹介しています。
フロンティア(FTONTIER)
ヤマダ電機の子会社であるインバースネット株式会社が運営しているショップです。
大手系列だからといっても割高ということはなく、ドスパラと並んで BTO の中でもコストパフォーマンスが高いです。セールも頻繁に行われています。
商品バリエーションは(BTOとしては)絞り込まれており、需要の高いスペックの商品を選びやすくなっています。
とは言っても典型的な BTO ではありますが、この界隈の中では比較的初心者フレンドリーといえるでしょう。
フロンティアのおすすめPCについては下記記事で紹介しています。
SEVEN
パソコンショップSEVENは、BTO パソコン界隈の中でも「秋葉原のガチパソコンショップ」「隠れた名店」的な色が強く感じられます。
組み立て製造を敢えて秋葉原で行うことで界隈のトレンドをいち早くチェックするといった姿勢や、受注生産にも関わらず非常に短納期であることや驚くほどカスタマイズが豊富なことなど、何かと「ガチ感」が強いです。
そんな気合いの入ったショップだからか、BTO ショップの中でも特にハイスペックなパソコンに強い印象です。
どちらかと言えば玄人向けではありますが、しっかりと良いものを選びたいならおすすめのショップです。
SEVENのおすすめPCについては下記記事で紹介しています。
STORM
Coming Soon…
VSPEC
Coming Soon…
Macは選択肢に入らないのか
本記事では BTO パソコン(Windows)について取り上げましたが、Mac についてはどうでしょう?
DTM は Mac でやるイメージをお持ちの方もいるかも知れませんが、選択肢には入らないのでしょうか?
結論を言うと、「Mac も選択肢に入るけど、BTO の方がおすすめ」です。
最大の理由はコストパフォーマンスです。
Mac はデザインもイメージも格好良くてクリエイターや医療系で人気ですが、やはり割高です。同じスペックで BTO と比較すると価格が天と地ほど違います。
お金に余裕があるなら良いですが、DTM を始めるにはパソコン以外にも DAW やオーディオインターフェースやプラグインなど、買うものが色々とありますので、少しでもコストパフォーマンスを追求していった方が良いと思います。
まとめ
パソコンのスペックが自分のやりたいことに追いついていない状態だと、非常にストレスになります。
DTM では、作業中に DAW が強制終了したり、書き出したりレコーディングしたトラックにノイズが入りまくったり、レイテンシー(処理と発音の時間差)が大きすぎて作業自体がやりにくかったり…。
こういった自体を防ぐためにも、DTM 作業の根幹であり、最も大事な道具の1つであるパソコンは、しっかり良いものを選んで頂きたいと思います。
とはいえ、他に買う機材も色々とありお金がとにかくかかります。
そんなわけで、少しでも安く、そしてハイスペックなパソコンを買うことが出来る BTO は DTMer の強い味方と言えます。
DTM 用のパソコンを買う際には是非 BTO を検討してみてください。