DTM用デスクトップパソコンのおすすめを紹介
DTM 用のパソコンは、ハイスペック・大容量・高コスパなデスクトップを基本的におすすめします。その詳しい理由と、具体的なおすすめの機種を紹介していきたいと思います。
デスクトップパソコンとは
デスクトップ PC、デスクトップパソコンとは、持ち運びを考慮していない据え置き型のコンピューターです。
コンピューター本体と、モニターやキーボード、マウスなどが別になっており、互いをケーブルで接続して使う形式になっています。
昔ながらのパソコンの形といったらこれ。
コンピューター本体とモニターが一体になったタイプもあります。ただ、このタイプはデスクトップならではのメリットが一部失われてしまうので、DTM用途としてはそこまでおすすめではないです。本記事では完全セパレートタイプのデスクトップパソコンを中心に解説させて頂きます。
DTMでデスクトップパソコンを選ぶメリット
DTM 用にパソコンを選ぶ際は、自宅やスタジオに常設して持ち運びを考慮しないのであればデスクトップ型を購入することをおすすめしています。
今どきデスクトップパソコンってもはや聞き慣れない存在かも知れませんが、音楽制作を快適に行えるような高スペックのパソコンを探す場合は、今もデスクトップ型が強いです。
具体的なメリットとしては以下が挙げられます。
- スペックに対するコストパフォーマンスが高い
- 拡張性・カスタマイズ性が高い
- メンテナンス性が高い
- 熱対策をしやすい
セパレート型のデスクトップパソコンは↑このようにコンピューター本体が独立した筐体になっています。
このためスペースなどの制約を気にすることなく高いスペックを詰め込みやすいんですよね。結果的にスペックに対するコスパも良くなります。
この箱を開けて中身を自分でカスタマイズしたり、掃除したりすることも出来ます。ノートだとこれは出来ません。
構造上、ノートよりも熱を逃しやすいですし、巨大な冷却ファンを装備することも出来ます。熱ダレして処理能力が下がる現象を防ぎやすいです。
また、DTM では割と必須ですが、ストレージを追加設置する際はこの箱の中に入れてしまえるので、高スペックを追い求めていくと結果的にデスクトップのほうが省スペース、なんてこともあり得ます。
しかも内側から sata などでストレージを繋いだほうが外付けの USB などで繋ぐより処理も高速になります。
基本的に持ち運びができないこと以外はメリットだらけなんです。
機種の選び方
デスクトップパソコンの中でもどんな機種を選べば良いのでしょうか?
DTM 用のパソコンを選ぶ際に考慮したい基本的なポイントについては以下の記事で詳しくまとめていますが、欲しいスペックについて抜粋したいと思います。
欲しいスペックについての抜粋がこちら。
- CPU:Core i5以上、できれば i7(Ryzen5 できれば Ryzen 7)
- メモリ:8GB以上、できれば16GB以上(32GBなど)
- ストレージ容量:OS用と別に2TB以上(SSDもあると良い)
- Windows or Mac はどちらでも良い
なお OS 用のメインストレージですが、最低でも 256GB 程度はないとスグにパンパンになってしまいます。
さて、これを満たせるものはにはどういった選択肢があるのかを見ていきたいと思います。
Windows
Windows PC の場合であれば、BTO パソコンというものが非常におすすめになります。
BTO とは、Build To Order の略で受注生産のことですが、秋葉原などにあるパソコン専門店のオリジナル商品、という解釈で概ね良いです。
BTO パソコン最大のメリットとしては、高スペックでありながら割安のパソコンを購入できる点にあります。
その他、DTM に BTO パソコンがおすすめな理由は下記の記事に詳しく書いています。
こういった BTO ショップを利用して、必要なスペックのパソコンをカスタムオーダーを駆使しつつ安価で手に入れる、というのが最もおすすめな選び方になります。
Mac
Mac の場合は説明不要かと思いますが Apple 社1択になりますね。
全体的に割高ですが格好良いイメージからクリエイティブ系の人には人気です。
また Logic や Digital Performer といった専用ソフトがあります。(Windows にも専用ソフトはありますが)
Mac におけるデスクトップ型の選択肢は、比較的安価な Mac mini、モニター一体型の iMac、ガチ勢向けの Mac Pro があります。
Mac の場合、DTM で使い物にならないような低スペックの商品展開はそもそもされていないので、最悪どれを買っても大失敗にはならないと思います。とはいえ予算と自分の用途に合ったものを選んでいきたいところ。
また、Apple Store で購入することで BTO と同じ様にスペックのカスタムオーダーが出来るので、これを駆使するのもありですね。Mac mini をカリカリにチューンするようなことも可能ですよ。
おすすめの機種
以上を踏まえて、具体的におすすめできる機種を紹介していきたいと思います。
スペックは年式や細かいモデルやキャンペーンやカスタマイズ内容等によって違ってくるのであくまで参考程度にお願い致します。
Windows(BTO)
各 BTO ショップのおすすめ機種を個別記事にまとめていますので、
Windows(その他)
OM FACTORY Sound Cube
- CPU:Core i7-9700K
- メモリ:32GB
- グラフィック:UHD Graphics 630
- ストレージ(メイン):500GB SSD
- ストレージ(サブ):1000GB SSD + 6TB HDD
- 価格:350,000円(税込)
分類:ハイクラス
※上記は中間グレード「Standard」のスペックです。
音楽制作専用パソコンということで Rock oN Line で取り扱っているのが OM FACTORY の Sound Cube というマシンです。
グレードは Elements、Standard、Extend の3展開で、グレード展開もどことなく DTM 機材っぽい雰囲気で良いですね。
用途はプロ向けという印象ですが、DAW を安定的に動作させることに特化して設計されている点は他のパソコンではあり得ないポイントあり、価格相応の価値はこの点にあると思います。
数値上のスペックとしてはメモリとストレージ容量が突出しており、Windows デスクトップなのでさらなる拡張も可能。
純粋なスペック対コスパだけ見れば BTO には敵いませんが、DTM 専用設計という唯一無二の仕様は個人的にも非常に気になる存在です。
Mac系
Mac mini
- CPU:Core i5 (3.0GHz)
- メモリ:8GB
- グラフィック:UHD Graphics 630
- ストレージ(メイン):512GB SSD
- ストレージ(サブ):-
※スペックは一例です。
デスクトップ型 Mac の入門機種が Mac mini になります。その名の通りコンパクトでスマートな筐体が素敵。
買ったままのスペックだと、ダメではないですがちょっと辛いとは思うので、カスタムオーダーで CPU かメモリ(出来れば両方)をグレードアップした方が良いです。
外付けストレージも購入必須になってくるので、なんだかんだコスパは良くないですが、Mac 派はまずこちらを検討すると良いと思います。
iMac
- CPU:Core i5 (3.0GHz)
- メモリ:8GB
- グラフィック:Radeon Pro 570X
- ストレージ(メイン):1TB Fusion Drive
- ストレージ(サブ):-
※スペックは一例です。
モニターとコンピューター本体が一体型ののタイプの Mac です。
Windowsだと基本的にこのタイプはあまり推奨できないのですが、iMac の場合は残念スペックでもないし、イケてるイメージからか使用者もそれなりに居ると思われるので、選択肢に入れても良いと思います。
スペック的には Mac mini と同程度なので、余裕があればカスタムオーダーしたいですね。お値段は決して安くはないですが、その代わり Retina ディスプレイはとても綺麗です。
執筆現在、ガチ勢向けの iMac Pro というものも出ていますが、それなら Mac Pro で良いような…?
Mac Pro
- CPU:Xeon E5
- メモリ:16GB
- グラフィック:FirePro D500
- ストレージ(メイン):256GB PCIeベースSSD(通常の SSD より速い)
- ストレージ(サブ):-
※スペックは一例です。
ガチ勢向け Mac といえば Mac Pro です。パソコンに知見のある DTMer の憧れになっていると思います。
CPU はサーバーなどに使われる業務用の Xeon 搭載しており他とは次元が違います。容量系こそ控えめですが当然ながら全体的ににガチガチで、これを買ってしまえば処理能力に困ることはまずないでしょう。(容量系は別途追加するなりカスタムしても良いです)
所有欲の満たされかたも半端ないと思います。
執筆時点で、写真のいわゆる「ゴミ箱型 Mac Pro」は世代交代のタイミングにつき割安になっています。買うなら今かも。
モニタや周辺機器は別売を想定すべき
当記事で紹介したようなハイスペックなデスクトップパソコンの場合、基本的にはコンピューター本体のみの販売となる事が多いです。
つまり、モニタやキーボードなどの周辺機器は別売という事になりますので、この点は注意が必要です。
※カスタムオーダーの際に一緒に付けることが可能な場合もあります。
周辺機器を持っていなかったり新調したい場合は、それらを含めた予算を組むようにする必要がある点はご留意ください。
必要な周辺機器については下記記事にまとめています。
まとめ
パソコンが良くないと、DAW が固まったり、落ちたり、ノイズがブチブチと入ってしまったりと、DTM を快適に行うことが困難になってしまいます。
そうならないように、ちゃんとしたものを選びたいですよね。まして安い買い物ではありませんから、パソコン選びはぜひ後悔のないようにしたいところです。
納得の行く買い物のお手伝いができれば幸いです。