HDDとSSDの違いとは?【ストレージ】
大容量のデータを保存するのに主流なストレージディスクとして「HDD」と「SSD」がありますが、それぞれの性質を理解して使い分けたいところ。というわけで、それぞれの違いについて解説します。
HDDとは
HDD とは Hard Disk Drive(ハードディスクドライブ)の略で、磁気ディスクという円盤を回してデータの読み書きをする記録媒体です。
大体のものが四角い筐体の中に、ディスクやそれを回すモーターが入っている感じになりますね。写真のような感じ。
その歴史は古く原型は1950年代から存在しており、一般向けにも2000年代から普及していますが、大容量化&低価格が進みながら現在も主流といえるポジションをキープしている媒体です。
HDDのメリット
- ・大容量で安価
とにかく膨大なデータ量を保管したい時には HDD のコストパフォーマンスの良さには本当に助けられます。
DTM は作曲データや購入したサンプルパックや音源のライブラリなどでとにかくストレージ容量を使うので、大容量 HDD を最低1つは持っておきたいですね。
HDDのデメリット
- 大きくて重い
- 衝撃や電気などの物理的なダメージに弱い
- 作動音がややうるさい
めちゃくちゃ大きいわけではなく片手でつかめる程度ではありますが、SSD と違ってポケットに入るようなサイズではないです。衝撃等にも弱いことから持ち運びにはあまり適さないですね。
また物理的にディスクが回転するのでどうしても作動音がします。そんなに気にする程のものでもないとは思いますが一応。
SSDとは
SSD は Solid State Drive(ソリッドステートドライブ)の略です。半導体素子を使用したデータ記録媒体になります。
HDD よりも後発の媒体となり、初登場は1990年代、一般へ普及しだしたのは2010年代からという感じです。
ソリッドステートというと DTMer 的にはコンプレッサーやギターアンプなどのトランジスタ回路の機材が浮かぶと思います。それらの機材って高速なレスポンスが売りだったりすることが多いですが、SSD も似たようなイメージで良いと思います…笑
というのも、SSD は HDD と比べると読み書きが高速で、筐体は軽量かつコンパクトになります。
…と、音楽マニアにしかわからない例えになりましたが、端的に言うと SSD は HDD より後発の記録媒体で全体的に高性能ですが高額になる傾向があります。
SSDのメリット
- データの処理速度がとても速い
- 衝撃に強い
- 作動音がしない
- 軽量コンパクト
- 発熱や消費電力が少ない
比較的新しい規格なので全体的に高性能な感じです。
特筆すべきはやはり処理速度の速さかなと思います。HDD の3倍~5倍くらい速いので、古いPCのOSを SSD にインストールし直して起動したらめっちゃ速くなった!みたいなことはよく言われますね(実際やってみたことがありますが本当に見違えるように速くなります)
DTMer 的には、読み込みに時間のかかるソフト音源のライブラリ等を SSD に保存したいところです。
SSDのデメリット
- 容量単価が高額
- 書き換え寿命がある
- 破損時のデータ復旧が困難
近年 SSD の価格も徐々に下がってはきましたが、それでも HDD に比べるとまだまだ高額でコスパ的には悪くなります。
寿命に関しては1万回くらい読み書きをすると来てしまうとされています。普段使う分には気になるレベルではないですが、古くなってきた SSD はどこかで交換したいですね。HDD と違って物理的なパーツの寿命で判断できないので見極めはやや難しいところですが、大まかな目安としては以前より処理速度が遅くなってきたと感じたら黄色信号です。
破損時のデータ復旧が困難というのは別に SSD に限った話ではありませんが、某アキバのPCショップの店員さんいわく SSD は特に難易度が高いとのことです。
HDDとSSDで音質が変わる?
当サイトは DTM ブログなので音について少し言及したいと思います。
同じ音源ファイルを HDD に保存して再生するのと、SSD に保存して再生するのでは微妙に音の質感が変わってきます。
これは自分で聴き比べた感想ですが、どちらかというと SSD の方がスムースでハイファイな傾向です。HDD は逆に太さを感じやすいですがデジタル臭さが残る感じがします。
とはいえ劇的な差ではないですし、音源データそのものに影響が出るわけではなくどちらかというと再生環境の違いです。
よって「作曲は SSD 上でやったほうが良い」とかそういう事ではないのですが、参考程度にして頂ければと思います。
HDDとSSDをどう使い分けるべきか
上述のように、HDD と SSD にはそれぞれ異なる特徴がありますので、当然のごとく最適な用途も変わってきます。
それぞれ、個人的におすすめの用途を書いていきます。
HDDの使い道
HDD の主だった特徴は大容量で安価、だけど処理速度はちょっと遅い、という点です。
つまり、高速な読み書きを必要としない、大量または大容量のデータを格納しておくのには HDD が良いでしょう。
具体的には、DTMer ならサンプルパック等のライブラリや、物理シミュレート形式などで容量がそこまで大きくないソフト音源、過去の作品のアーカイブなどは HDD に格納する形で良いと思います。
DTM 以外の用途であれば購入した音楽や映画などをデータとして保存しておくのに良いと思います。
SSDの使い道
SSD は読み書きが高速なのが最大のメリットかと思いますので、大きなデータを速くロードしたい時に便利ですよね。
具体的にはDTM 用途だと、ライブラリの容量が大きなサンプリングベースのソフト音源は SSD にデータを保存しておくとロードが快適になります。Electri6ity などですね。
DTM に限らずな話であれば OS のインストールを SSD 上に行うと PC の立ち上げが高速になります。(最近の PC は SSD 搭載のものが多くなってきていますね)
コンパクトで衝撃等にも強いので大容量のデータを持ち運びたいときは外付けの SSD が最適だと思います。
まとめ
いかがでしょうか。HDD も SSD もデータを保存するという用途は一緒ですが、特徴には結構な違いがありました。
それぞれの特徴を理解して、目的にあった使い方を狙って出来れば、より効率よく環境投資が出来るかと思います。
…というか、音楽をやっているはずなのに PC にドンドン詳しくなっていきます…これも DTM の醍醐味なのでしょうか…笑
参考になれば幸いです。
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