【自分だけのアンプが作れる】BIAS AMP 2 レビュー【アンプシミュレーター】
BIAS AMP 2 のレビューになります。現在のアンプシミュレーター界をリードしている感のある同製品ですが、初代 BIAS AMP と比較しながら詳しく紹介していきたいと思います。
BIAS AMP 2 とは
Potsitive Grid 社が誇るギター / ベース用アンプシミュレーターソフトです。
BIAS シリーズには エフェクター統合型の BIAS FX や、ストンプペダルをシミュレートできる BIAS Pedal などのシリーズがありますが、BIAS AMP はアンプ特化型です。
アンプ特化型であり、プリアンプの設計や真空管のチョイスまで、アンプ内部を詳細にカスタマイズできることが特徴ですね。
そして、作成したアンプモデルは BIAS FX に読み込んでエフェクトシミュレーターと組み合わせて使用できたり、ハードウェアの BIAS HEAD や BIAS mini に読み込んで実機として使用したり出来ます。
この辺りの柔軟さが他社のアンプシミュレーターよりもダントツで面白い点かなと思いますが、後述する通り、音に関しても最高です。
BIAS AMP 2 になって変わった点
BIAS AMP 2 となって初代の BIAS AMP から変わった点について。
アンプのモデリングも刷新されている模様でプリセットの音の傾向も初代とは変わっていますが、機能としての主だった変化は以下です。
キャビネットシミュレーター
マイクが2本使えるようになりました。
初代はマイクが1本しか使えず、キャビネットシミュレーター周りの仕様が競合に比べてチープな印象がありましたが、マイクを2本立てられるようになるだけで音作りの幅も格段に広がり、その辺りが解消されたように思います。
アンプにリバーブが搭載
アンプ部分には共通でリバーブが搭載されるようになりました。
実機でもスリングリバーブなどを搭載しているアンプは多いので、より本物のシミュレートに近づけられますね。
Amp Match が進化
Amp Match 機能ですが、リファレンス音源を読み込むと、それに近い音を自動で作ってくれる機能が搭載されました。
リファレンス音源として使うソロギタートラックなんてどうやって入手するんだというツッコミどころはありますが、うまく使えれば Kemper のプロファイリング等に匹敵するシミュレートが出来るではないかと思います。
BIAS AMP 2 の詳しいレビュー
音質は初代から順当に進化
似たようなモデルでもデフォルトの設定が結構違ったりするのでそれも含めると全く別物にも感じますが、設定云々を抜きにしても、2の方がよりリッチで芯のある音になったように思います。
ハイゲインは力強く、クリーンは繊細に。
劇的な違いでこそないものの音も順当に進化しているような感じですね。
また BIAS AMP の売りとしてアンプの中身を色々いじくれるわけですが、パラメータの変化に対する音の変化が初代よりもわかりやすくなったように感じます。
私は Orange モデルをいつも使うんですが、初代は初代でカラッとしてて好きではありますが。
キャビネットシミュレーター進化の恩恵
初代はマイクが1本しか使えず、マイキングの位置による音の違いもなんか微妙で唯一の弱点とも言える点でした。
2になってここが解消されたことは結構大きいかなと思います。
マイクは MD421 コンデンサーマイクと R121 リボンマイクが追加。元からあった SM57 と C414 も質感アップしているように感じます。
これらのマイクを2本混ぜることが出来るようになったのと、マイキング位置による音の変化もわかりやすくなったので音作りの幅が格段に広がりました。
Amplitube なんかには昔から搭載されていた機能ですが、やはりこれが出来るとできないとでは使い勝手が大きく違ってくるなと感じました。
あと地味にキャビネットのオープンとクローズが選べるようになってたりもして、キャビ周りが格段に進化。
ベースサウンドが改善
初代のベースはなんか変に暴れるようなしっくりこない感じがあってベースだけは引き続き Amplitube を使っていたのですが、BIAS AMP 2 のベースはとても良くなったように感じました。
質感もかなりそれっぽくなったし何より音がしっかり作れるようになりました。
ベースのアンプシミュレーターって Amplitube にしろ Guitar Rig にしろ初代 BIAS AMP にしろ、どうもモデルごとで音が決まってきてしまって、あまり作りこめる感じがしなかったのですが、こいつは違うぞと。
上記のマイキングの質向上も相まって自分でもいろいろ音が作れるようになりました。やや攻撃的な音が得意な印象ではあるかな。
特にバキバキ系のベースをシミュレータだけで作るのが今まで難しかったのが、普通に作れるようになってビックリしました。
CelestionのIRが素晴らしい
Elite 版および拡張パックにて、Celestion 公式のキャビネットシミュレーターを使うことが出来ます。
Celestion とは、実機で多くのキャビネットに採用されている老舗の有名スピーカーブランドです。
Bias Amp 2 では標準のキャビシミュも進化していますが、この Celestion の公式キャビシミュがとにかく素晴らしいです。
私は Orange のキャビが好きなので、Orange PPC 412 に搭載されている、Celestion の Vintage 30 の公式キャビシミュを使用したく、Elite を購入しました。
これがもう解像度感から全然違くて、高域のジャリッとした感じ、かつしっかり重みがある、今どきのモダンハイゲインサウンドが得られてかなりそれっぽく良い感じです。
出来ればベース用も展開してほしいです。
Elite 版のレビューはこちら。
玄人向け?
アンプの内部設定を自由にいじれるというソフトの特性上、ギターアンプに関する知識がないと能動的な音作りが難しい部分があります。
まあ、DTM をしながらアンプに関する知識を深められるので、人によっては有意義だとは思いますが。(個人的には有意義でした)
しかし、プリセットが充実しているし Tonecloud でユーザーが作ったプリセットを利用も出来るので、初心者に優しくないという感じはあまりしません。
でも、どうせなら使いこなしたいですよね。
ということで、アンプの設定に関する細かい使い方について、下記記事にまとめました。
まとめ
初代の時点で既にそうだったかもしれませんが、有名どころのアンプシミュレーター製品の中では本製品が頭1つ抜けたクオリティなのかなと思いました。
BIAS AMP 初代から2への進化によってさらに音が良くなり、初代の痒いところに手が届かなかった部分が解消されているので、より同じ形態のソフトとしては他の追随を許さない品質になってきていると感じますね。
もはやギターやベースを弾く DTMer は必ず買っておいて良いレベルかなと思います。
BIAS Mini や BIAS HEAD でハードと連携して自分の作った音を生音でも出せるので、向かうところ敵なし感ありますね。
BIAS Mini についてはこちら。
BIAS AMP の商品情報
BIAS AMP には Standard, Professional, Elite の3バージョンが存在します。
Standard は一部の設定項目だけを搭載した実質的に簡易版のようなグレードなのでお試し用といった感じです。
おすすめは Professional。これが実質的なフルバージョンです。
Elite は、Professional にキャビネットの拡張パック「Celestion Vintage Pack」が付いたものです。