BIAS AMP Eliteのキャビネットを全種レビュー【Celestion】

BIAS AMP Elite には Celestion 公式キャビネットが付いて来ますが、どうなの?と気になっている方も居ることかと思います。今回購入して試してみたので、BIAS AMP Elite の Celestion キャビネット全種類レビューをしたいと思います。
BIAS AMP Elite とは
BIAS AMP の最上級グレードが今回紹介する Elite になります。
1つ下位の Professional と何が違うのかというと、Elite は Celestion 公式のキャビネットシミュレーターが 5種類×3パターン(スピーカー1発・2発・4発)付いてきます。
これだけでおおよそプラス1万円が果たして高いのか安いのかは微妙なところですが、さすがに Celestion 公式キャビネットのクオリティは高いです。
Celestionは、実際に多くの実機ギターキャビネットで使用されている伝統的なスピーカーメーカーですから、その公式キャビシミュが使えるというのは機材好きにグッと来る部分でもありますね。
BIAS AMP Elite 同梱物の傾向
BIAS AMP Elite に付いてくるのは以下の5点です。これらは Celestion Classic Pack として拡張パックとしても売られていますが、Professional からアプグレするのと別に一緒ですね^^;
- Celestion Vintage 30
- Celestion Blue
- Celestion G12H Anniversary
- Celestion G12-65
- Celestion G12M Greenback
全体的に BIAS AMP 標準付属のキャビネットモデルと比べるとブライトでギラギラしており、立体感があって生々しい感じがします。
質感はかなりリアルなのかなと思いますね。その分ニュアンスがモロに出るので扱いは決して容易ではないですが、それもまた良い音を求めると必要になってくる事ではあるのかな、などと。
ちなみに別の5種類を同梱した Modern Vintage Pack という拡張パックもあり、そちらは拡張パック専用商品です。セールを狙っているんですがまだ買えてません。
スピーカーの数による違い
全モデルに対して、キャビネットに格納するスピーカーが1発・2発・4発と選べます。
スピーカーの数が多くなるほど、音が重くダークになっていきます。1発は結構ブライトで軽い感じですね。
一般的なセパレートタイプのキャビは大体4発ですので、4発を基準に軽快さ、ヌケ感、ヴィンテージ感を出したい時に発数を減らしていく感じだと良いかなと思いました。
BIAS AMP Elite のキャビネット5種類をレビュー
ということで、BIAS AMP Elite = Celestion Classic Pack のスピーカーキャビネット5種類をそれぞれレビューしたいと思います。
全体的には上記の傾向なんですが、その中でもそれぞれ特色があって面白いです。
Vintage 30
名前は Vintage 30 ですが、Orange や Diezel といったモダンなハイゲインアンプのキャビネットに使用されることが多いスピーカーです。
2kHz 辺りのミッドハイの出方が独特で、カラッとした感じ、ザラついた感じ、粒の粗い感じが強く出ます。パリッと張りのある音です。
モダンなメタルやハードコアのバンドは Orange のキャビを使用していることが多い事からも分かるように、この独特のカラッとした質感とゴリゴリのハイゲインを組み合わせることイマドキのヘヴィサウンドが作れます。
ただ、Classic Pack の中でも特にジャリジャリになりやすいので、扱いの難易度は高いかもです。
Blue
こちらはよりヴィンテージ系のサウンドです。味になるような「いなたさ」があり、あまりハードに歪ませると潰れます。
名前やパッケージのイメージを加味しなくてもブルージーな感じの音ですね。
いぶし銀的な、決してショボいとかではなく「そういう音」です。ブルースやオールドな渋いロックを鳴らすような用途に良さそう。個人的には音楽性の問題で使い所があまりないですが。
G12-65
この中では一番低域が強く、ちょっと奥まった重厚なローエンドはユーロ系のメタルと相性良さそうです。
調べてみたら80年代のマーシャルキャビによく使われていたスピーカーのようで、マーシャルのようにブライトなアンプヘッドと組み合わせて使うと気持ち良いのかも知れません。
モダンな密度感とはまた違うのですが、強烈な重厚さがほしい時はこれでしょう。ローエンドの扱いがかなり難しいですが詰めていくと相応に格好良いです。
G12H Anniversary
カラッとしつつもどこか丸みがあり、この中では比較的扱いやすそうな音に感じます。
ミドルの硬い部分が綺麗に出ているのでダイナミクスが整って聞こえやすく、そういう意味でもニュアンス出まくりな Celestion シリーズの中では扱いやすいかも知れません。
下述の G12M GreenBack と性格は似ていますがこちらの方がより優等生な感じです。
音とは関係ないですがオシャレなオフホワイトの GUI が好きです。
G12M Greenback
60年代頃のヴィンテージマーシャルに搭載されていた伝説の(?)スピーカーがこちら。
Vintage 30 を少しマイルドにした、ピークを少し下にしたような感じです。
カラッと抜けてくる部分がありつつも少し奥まった立体感や、パンチ・粘りのある重低音もあり格好良いですね。
どうも5150に合わせる Peavy のキャビにも使われているっぽく、カラッとしつつも粘りのある重低音はなるほどこれかと思いました。
まとめ
BIAS AMP Elite のキャビネットシミュレーターは Celestion の公式モデルだけあってやはりクオリティが高く、それぞれに特徴があって面白いですね。
個人的にはジャンル的にほぼ Vintage 30 専と化していたのですが、音作り沼にハマったことでこうやって色々試す機会ができ、色々発見がありました。
どのモデルも本当に今までのアンプシミュレーターでは考えられないほど生々しくニュアンスが出るので、演奏に自身がない人は練習必至ですが(主に私)、それって凄いことですよね。
Professional までに付属してくるキャビとはもはや別物なので、DTM ギタリストは一度試す価値アリですよ。
ベース用も作って欲しい次第。