【Plugin Alliance】ENGL Savage 120 アンプシミュレーター【レビュー】
Plugin Alliance からリリースされている ENGL Savage 120 のアンプシミュレーターのレビューをします。個人的に好きな brainworx 製のアンプシミュレーターということもあり、発売されてすぐに購入していました。
そのタイミングでレビュー記事を書いたつもりでいたのですが、まさかの未執筆だったので数年越しのレビューです。
ENGL Savage 120
ドイツのアンプメーカー、ENGL のハイゲインアンプ、Savage 120 をモデリングしたアンプシミュレーターです。
プラグインの開発は Brainworx です。もともと UAD のみの展開だったものが Vst 版も出ました的な感じだったと思います。
ENGL のハイゲインアンプといえば、ユーロメタルといえばコレ、的なイメージがあります。Savage の他にも Powerball などもよく見かけますが、いずれも密度が濃くてキメの細かい重厚なハイゲインサウンドが特徴だと思います。
Ola Englund 先生がレビュー動画が本家のデモより良い音してます。
特徴と使い方
GUIは前面と背面の2種類です。前面のGUIは上記。実機名を挙げている機種なので、実機を再現したものになっています。
赤い背景がどことなく真空管っぽい雰囲気があって格好良いです。
チャンネルはクリーン、クランチ×2、リードの2チャンネル。
更にプレゼンスとマスターが2種類選べたり、キャラクターを変えるスイッチが多数あったりと、操作項目は盛りだくさんで少し複雑ですね。
ENGLを使いたい方の多くはリードチャンネルがメイン用途になってくるのかと思いますので、まずはリードにチャネルを切り替えることを覚えると良いと思います。
ちなみに個人的には、スイッチ類は Depth Boost と Bright は必須で、Contour と Rough/Smooth は IR との相性も加味してお好みで使う感じです。
そして背面が上記。こちらは brainworx のアンプシミュにほぼ共通の仕様で、前面のツマミを残したまま IR Loader とその他ユーティリティが表示される感じです。
キャビネットIRは100個くらい用意されていて質も高いのですが、毎度のことながら IR Loader の UI は使いにくいです。。
こんな感じで Web のセレクトボックスみたいな極めてシンプルな UI なので、100個くらいあるものを選ぶのがけっこう大変です。ここの UI の改善と、ついでにカスタム IR も読めるようにしていただけるとより良いプラグインになると思うんですけどね。
鳴らしてみた感想
全体的な感想としては、 brainworx のアンプシミュらしいキャラクターでしっかり ENGL のサウンドが再現されているな、という感じです。
ENGL らしいキメ細かい重厚な歪みと量感強めの押し出し感がしっかり感じられて気持ち良いです。
かつ brainworx らしいリアル志向かつ柔らかめでウォームな質感も強めに出ています。
IR にもよりますが籠もり気味になりがちなのが少し難しいと感じる部分もありつつ、私がこれまでに試したアンプシミュレーターの中では最も ENGL らしい音をしている機材かなと思います。
また、Savage というアンプは ENGL のハイゲインアンプの中ではザクザク寄りな印象がありますが、このアンプシミュレーターはどちらかというと Powerball 等に近いようなモッチリ系の音色の印象が強い気がします。セッティングでザクザクにすること自体は可能です。
キャビネット IR の個人的な好みは ENGL XL 系です。ただしこのキャビは特に籠もり感が強いので好みは分かれそうですね。
また、クリーンやクランチをメイン目的としてこのアンプを選択する方はあまりいないと思いますが、意外とクリーンは嫌いじゃないです。いわゆる雑味の少ないクリスタルクリーン系ですが、密度の濃さやミドルの量感による部分と、ウォーム寄りの質感の部分が独特のハマり方をします。
まとめ
Plugin Alliance の ENGL Savage 120 アンプシミュレーターのレビューをさせていただきました。
結論、ENGL 系のアンプシミュレーターとしてはかなりそれっぽい方だと思うので、ENGL 好きな DTMer の方は是非一度試してみていただくと良いと思います。
ただ、brainworx 的な柔らかめの音が、この手のアンプに求める攻撃性やエクストリーム性と噛み合っているのか、は少し検討の余地を感じる部分でもありますので、その辺りの判断も含めて是非試してみてください。