ベース音源のおすすめ10選【エレキベース】

DTM でバンドサウンドを作る際、ベースは打ち込みを選択するケースも多いと思います。今回はベース音源にはどんな選択肢があるのかというテーマで、おすすめの製品と特徴についてまとめました。

Spectrasonics – Trilian

長きに渡ってベース音源界隈をリードしている、ベース音源の王者ともいえる存在なのが Trilian です。

Trilian はベースの総合音源で、様々なタイプのエレキベースを始め、ウッドベースやシンセベースも多数収録されています。

サンプルベースの音源でそのような収録量なので容量は大きいですが、これ1つ持っていればベースと呼ばれる音は大体カバーできる程の汎用性を持っています。

音は全体的に低域の量感がしっかりしており、高品位なサンプリングによるリアルさも素晴らしいです。低域をしっかり支えることが出来るベース音源といった印象。

奏法には多少制限があったりもしますが、それでもベース音源としては最強だと思います。

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レビュー

IK Multimedia – MODO BASS

Trilian 1強だったベース音源界に殴り込みをかけ、見事? Trilian と2強と言って良いであろう定番音源になった感のある MODO BASS。

こちらもエレキベースを幅広くカバーしている総合音源ですが、その特徴はなんといっても物理モデリング音源であること。

サンプルライブラリがないので容量が軽いし、物理シミュレートによる自由度の高さが凄いです。ベースのモデルを1から作れたりもしますし、例えばプレベのピックアップの位置を少しリア寄りにオフセットしたり…というようなカスタマイズも自由自在です。

音はやや細く打ち込みっぽさが残りやすいものの、ベースのモデリングをカスタマイズできる魅力は唯一無二です。

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Prominy – SR5 Rock Bass 2

拘りクオリティ番長の Prominy による、執筆時点で一番新しい音源がこちらの SR5 Rock Bass 2 になります。

5弦スティングレイのピック弾きサンプリング音源で、単体モデリングの音源にも関わらずサンプル容量は圧巻の26GB。リアリティはもちろんのこと、大量のサンプルによって様々な奏法もカバーしています。

このクオリティですが、同社のギター音源よりはリーズナブル。5弦の2音下げ LowG まで対応しているのも良いですね。

基本ガツッとしたスタイルに強みがある音源ですが、「5弦スティングレイのピック弾き」という条件が使える場合であれば全ジャンル対応です。せっかく多彩な表現が可能なので、ルート弾き以外にも使えると良さそうですね。

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Toontrack – EZbass

2020年新製品。Toontrack の EZ シリーズからベース音源が出ました。

EZ シリーズ共通の特徴として、ソングライティングやアレンジをサポートしてくれる機能が充実しているという点があります。EZbass も例に漏れずその点に力が入っています。

新しい製品なので音質はしっかりしており、音源としてはサンプリングベースで Modern と Vintage の2本が収録されています。収録モデルが少ないと感じるかも知れませんが、EZ シリーズよろしく拡張パックで今後展開されていくものと思われます。

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Submission Audio – DjinnBass / PunkBass / EuroBass

Submission Audio というベース音源専門デベロッパーから、ハードなバンドサウンドに最適な高品質ベース音源が3種類出ています。

どれもカスタマイズ性こそ低いですが、完成されきった即戦力の音を手軽に扱うことが出来て最高です。

個人的に今最も推しなシリーズです。

DjinnBass

(公表されてませんがどう見ても)Dingwall のファンドフレットベースをサンプリングした、バッキバキの Djent 音源です。

チューニングはダブルドロップC(ドロップCより1オクターブ下のドロップC)まで対応とのことで、なんというかもはや草。

紹介動画も、というか商品名や GUI も全体的にふざけきっていますが(笑)クオリティはガチ。更に Darkglass のプリアンプを通した音を使えるので、その手の音が即戦力でサクッと手に入ります。

Djent だけでなく、モダンメタル全般やハードコアにも最高です。

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SubMission Audio DjinnBass

レビュー

PunkBass

もう紹介動画からして最高な「90年代後半~2000年代のキッズ」にぶっ刺さるであろうポップパンク系ベース音源です。

プレシジョンベースをサンプリングした骨太のサウンドソースと、程よいドライブ感のあるアンプサウンド2種が収録されており、モダンなパンクやハードコア、メタルにもよく合うベース音源です。

「バンドサウンドにおけるピック弾きのプレベゴツゴツしたあの感じ」に特化して、それが簡単に手に入る音源ですね。

4弦プレベ音源ですが、しかしそこは Submission Audio なので何故かドロップGまで対応していたりします(笑)

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SubMission Audio PunkBass

レビュー

EuroBass

DjinnBass の登場でやや影が薄くなりましたが、5弦のアクティブベース(Warwick か Spector 辺りだと思う)をサンプリングしたモダンメタル/Djent系ベース音源です。

EuroBass という名の通り、スウェディッシュデスメタル、ユーロビートダウン・メタルコアなど欧州系のブルータルなメタルサウンドにピッタリな、かなりハードでバキバキなサウンドです。

派手目な DjinnBass に対してこちらはダークで重厚な色が強めです。

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Ample Sound – Ample Bass シリーズ

ギター音源が有名な Ample Sound ですが、ギターより数は少ないもののベース音源も色々と出しています。

プレベ、ジャズベ、5弦スティングレイ、フレットレスやウッドベースもあります。

チューニングは1音下げまでしか対応していないはずなのですが、なぜかベース音源は(設定は1音下げまでしか出来ないのに)4弦でも LowB まで鳴らすことが出来ます。

基本的な仕様は Ample Guitar シリーズと同じで、音作りがプラグイン内で完結できたりアシスタント機能があったりと、機能が充実しています。

音の素性も良く綺麗に鳴る印象。Guitar ほど打ち込みっぽくなりやすくなる感じもなく扱いやすいです。

もし何を買えば良いか検討もつかないようであれば、Ample のジャズベースを買っておくのが無難だと思います。

公式サイト

Impact Soundworks – Shreddage 3 Abyss / Precision

メタル系のギター音源に強みのある Shreddage シリーズのベース音源です。

執筆時点で、6弦アクティブベースをサンプリングした Shreddage 3 Abyss と、5弦プレベの Shreddage 3 Precision がラインナップされています。

Shreddage らしいガツンとした芯が太い、重厚かつバキバキとしたタフなサウンドキャラクターで、ハマるとこれじゃなきゃダメ!と思えてしまう魅力はベース音源でも健在です。

メタル系を作るならギター音源と合わせて1つ持っておきたい音源です。

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Fujiya Instruments – Organic Fingered Bass

Junk Guitar の Fujiya Instruments が出している、国産ハイエンドのアクティブベースをサンプリングしたベース音源です。

その名の通り指弾きに特化した音源で、デモからも分かる通りヌルっとしたセクシーなベースラインを打ち込みで再現することに長けています。

J-POP、アニソン、邦ロックなど、邦楽の目立つベースラインはこのようなノリのものが多いと思いますので、そういうのが好きな方にオススメしたいです。

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Solemn Tones – The Loki Bass / Kraken Hybrid Bass

Solemn Tones という少々マイナーなデベロッパーからリアルガチなベース音源が出ています。

The Loki Bass は、Dingwall NG2 というベースをサンプリングした、所謂 Djent 系のあの音です。DjinnBass や下記の Impact Studios 製品が競合ですね。

Kraken Hybrid Bass は、Musicman Bongo 5 HH というベースをサンプリングした、もう少し汎用的なモダンメタル系ベース音源です。

双方ともダブルドロップCチューニングまで対応。DTMメタル界で流行ってるのかな…?

音質までほぼ完成された音源にも関わらず音作りの幅が広く、クオリティの割にはお値段も安めです。

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Impact Studios 製品各種

Impact Studios というモダンメタル系のデベロッパーがリリースしているベース音源です。

DjinnBass や The Loki Bass 等と同じく、 Dingwall 系の多弦ファンドフレットベースをサンプリングした音源となっており、バキバキのモダンメタル / Djent 向けです。やはりダブルドロップC対応。

無加工の DI サウンドと、音作り済みの PRO サウンドを個別に購入できるので、コストパフォーマンスに優れています。

ラインナップは執筆時点で3種類。商品性は殆ど同じですが、音色に違いがあるので好みのものを選べます。

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バランスが良く使いやすい Nuclear Bass

バキバキ、シャバシャバな Avalanche Bass

最もヘヴィでゴリゴリな Inferno Bass

Ilya Efimov 製品各種

ロシアのデベロッパーです。全体的にやや古めではありますが、良質なベース音源をいくつかラインナップしています。

F-Bass の5弦をサンプリングした指弾き/スラップ音源の Modern Bass や、Sadowsky の5弦をサンプリングしたピック弾き音源の Rock Bass などが有名でしょうか。他にもフレットレスなどマニアックなものも。

モダンメタル系の作り込まれた感じとは違った、生々しいベースらしいベースサウンドを打ち込みで表現したい場合に良い選択肢だと思います。

公式サイト

「Trilian か MODO BASS の2択」ではない

ネットで検索をすると、多くのエントリーで「Trilian か MODO BASS の2択」と述べられていますが、決してそんなことはないですよ。他にも良い音源はあります。

詳しくは下記の記事にまとめました。

まとめ

紹介していて改めて思ったのですが、ベース音源も傾向としてはメタル系が強めな印象がありますね。またアンプシミュレーター内蔵で音作りが楽なものも多いですね。

ベース音源を選ぶ際のポイントですが、ベース単体の音よりも、オケに混ぜた時の低域の量感やローの支え方に意識を向けて、自分のミックスや完成イメージに近い物を選べると良いのかなと思います。

デモ使用が出来る製品もありますので、色々試してみるのも良いかも知れません。