Ugritoneのおすすめプラグインまとめ【メタル】
Ugritone というデベロッパーをご存知でしょうか。今回はこのデベロッパーの紹介とおすすめプラグインをピックアップして紹介していきます。
Ugritone とは
Ugritone はフィンランド発の DTM プラグインデベロッパーです。
元々「It Might Get Loud Production」という名前でしたが、2019年頃に Ugritone へ改名した模様です。
取扱商品は、ドラム音源やドラムの MIDI サンプル、それからキャビネット IR あたりが中心です。
このデベロッパー最大の特徴はなんといっても、アンダーグラウンドなメタルにフォーカスした商品が多い点。DTM 分野としてかなりニッチなところを攻めていますね。
商品ラインナップは「デスメタル・ブラックメタル向け音源」とか「NWBOHM向け音源」みたいなものばかりなので、ある程度メタルに精通している人でないとワケのわからない商品ばかりかも知れません。笑
逆にメタル好きならニヤッとすること必至の面白いデベロッパーです。さすがメタル大国フィンランド発。
Ugritone の商品ラインナップ
執筆時点での Ugritone の商品ラインナップは、大別すると以下に分類されます。
- ドラム音源
- ドラムMIDIサンプル
- キャビネットIR
- その他プラグイン
基本的にはドラム系とキャビネット系の2軸がメインのラインナップとなっています。
各種メタルのサブジャンルにフォーカスした製品群は好きな者からすると非常に見ていて面白いと思います。
Ugritone のおすすめプラグイン
KVLT Drums II
80’s/90’s/2000’s のアンダーグラウンドなメタルにフォーカスしたドラム音源で、Ugritone のフラッグシップ商品です。
デスメタル、ブラックメタル、スラッシュメタルなどに最適なオールドスクールなエクストリームメタルサウンドのドラム音源ですね。アートワークも最高です。
同社のラインナップは超特化型で機能はシンプル化されたドラム音源が多いのですが、その中でもフラッグシップだけあって最もサンプル数やエディット項目が豊富です。
KVLT Drums II 専用の拡張パックも出ています。今の所「Speed Metal Expansion」と「Old School Death Metal Expansion」の2種類が出てますね。
商品情報
Northern Artillery Drums
メタラーが喜ぶ言葉の1つに「Northern~」というものがありますが、そんな名前を冠した北欧メタル向けドラム音源です。
北欧クサメタルの大御所 Stratovarius のギタリスト Matias Kupiainen がエンジニアリングを行い、同バンドのドラマー Rolf Pilve がサンプル収録時のプレイングを行ったそうです。
つまるところ文句なしのガチ北欧メタル音源ですね。
Ugritone のもう1つのフラッグシップ的な位置づけだと思います。KVLT Drums II 同様に Ugritone のドラム音源としてはサンプル数やエディット項目が豊富です。
エクストリームメタル特化の KVLT Drums II よりはもう少し汎用的に使いやすいオールドスクール寄りなメタルドラム音源といった感じに仕上がっています。
商品情報
Riot Drums
NYHC やニュースクールなどの 90’s ハードコアにフォーカスしたドラム音源です。
実際にそれらのアルバムからのサンプリングで作られた音源とのこと。
主観的な意見になりますが、DTM 界隈にこのジャンルが登場したこと自体がもはや奇跡でしょう。本活動とは別にハードコアバンドをやっている筆者としては非常に胸が熱くなる商品です。メインビジュアルもなんとなく見覚えのある雰囲気で最高。笑
もちろん抜けや粒立ち良くラウドに最適化されていますが、練習スタジオで叩いたものをそのまま録音したような荒っぽいナチュラルさが魅力。
モダンな音像には必ずしも合わないかも知れませんが、この質感は確かにすごくそれっぽいです。
レビュー
商品情報
Anarchy Drums
https://youtu.be/5YkZTi5LXeU
スケートパンク風ドラム音源です。Anarchyと言っていますが、インスピレーションは 90’s California Skate Punk とのこと。
It Might Get Loud Production 時代に期間限定で無料配布になり、その後廃盤となっていましたが、見事復活。
Riot Drums 同様、練習スタジオで叩いたものをそのまま録音したような荒っぽいナチュラルさが魅力。こちらはより音粒もグルーヴも軽快な感じになっています。
近年のバンドモノ DTM 界隈ではモダンでハイファイな音像が主流になっていますが、そこにカウンターを打ち込むかの如く佇むローファイでアンダーグラウンドなドラム音源。
レビュー
商品情報
各種ドラムMIDI
Ugritone ではドラムの MIDI サンプルパックが多数販売されています。
各パックはメタルのサブジャンルにフォーカスしたものが中心で、メタル系の楽曲を作る際に非常におすすめです。
メタル系のドラム MIDI サンプルは EZ Drummer や Addictive Drums 用のものも幾つか存在しますが、Ugritone 製品は汎用 MIDI なのでほぼ全てのドラム音源に使えます。
また、Post Metal や Beatdown Hardcore 等といった、かなりマニアックなサブジャンルものまで揃っているのが唯一無二すぎる魅力。
ラインナップの一例は下記。半端ないっす。
- Death Metal Essentials
- Doom Metal Essentials
- Deathcore Essentials
- Metalcore Essentials
- Emocore Essentials
- Nu Metal Essentials
- Power Metal Essentials
- Melodeath Essentials
- Crust Punk Essentials
- Street Punk Essentials
- Post Metal Essentials
- Progressive Death Metal Essentials
- Beatdown Hardcore
- Youth Crew Hardcore
ビートダウンとユースクルーで分けてくる感じとかその他諸々、かなりマニアックなところまで分かってなきゃ出来ないですからね。あととりあえず「Melodeath」は草。
作品としてメタル系の楽曲を作りたい時だけでなく、関連するジャンルのバンドマンがデモを作成する時にもかなり役立つと思います。
商品情報
こちらからどうぞ。
Trave Cab & 各種キャビネットIR
Ugritone もう1つの主軸がキャビネット IR です。
こちらもドラムパックに負けず劣らず、メタルにフォーカスしまくっていますね。
機材名ではないので人によってはやや分かりにくいかも知れませんが、各種メタルのサブジャンルにフォーカスした IR データをパック販売しています。
そして、Ugritone 製の IR の読み込み&トーンの追い込みに最適化された IR Loader プラグインが Trave Cab です。
Trave Cab では最大8系統の IR をミックスでき、マイクの距離感まで調整することが出来ます。
IR の音質については完全に好みなので何ともいえませんが、ガッツリメタルをやりたい人にはとても良い選択肢だと思います。
商品情報
こちらからどうぞ。
Koji
触れないわけにはいかない気がしたので一応。
メタル中心のラインナップの中で浮きまくりなのですが、運営初期から存在しているチップチューン音源です。
スーパーファミコン辺りの16ビット系のチップチューンサウンドを収録したらしいサンプルベースの音源となっています。
非常にシンプルな音源なので定価 $45 はちょっと高い気がしますが、たまに $5 くらいに値下げされるので、そういう時を狙って持っておくと引き出しが広がるでしょう。
レビュー
商品情報
まとめ
いかがでしょうか。なかなか個性的なデベロッパーですよね。
Koji のようなよく分からないプロダクトもありつつですが、基本的にはメタラー専用の DTM 屋さんと言って良いと思います。
かなりマニアックなメタル特化という点で異彩を放っていますが、モダンハイファイな傾向が主流のメタル系 DTM プラグイン界隈の中で、それを真っ向から否定するような 90’s リスペクトを感じるオールドスクール路線なのもまた強く異彩を放っています。
メタルの最盛期は 80’s, 90’s 辺りでしょうからね。そこへのリスペクトを感じるプロダクトというのは、少なくとも DTM 界隈にはあまりなかったので斬新です。
基本的には各商品のコンセプトや元ネタが分かる人に使って欲しいデベロッパーです。逆によく知らずに使うと火傷しやすいと思うのでご注意を。