作曲アプリ「Amadeus Code」を使ってみた【レビュー】
AIが自動作曲してくれるiOSアプリ「Amadeus Code」のレビューです。AI化の波はDTMの世界にも押し寄せていますが、このAmadeus CodeはDTMer達にとってどれだけ有意義なツールになるのでしょうか。
Amadeus Code とは
同名のスタートアップ企業が提供するiOSアプリで、過去に作曲された楽曲の旋律や歌詞のデータをAIが分析して新しいメロディーを作り出す作曲アシスタントアプリです。
一言で言うと自動作曲アプリですね。いまのところiOSのみの対応。
AIが過去のヒット曲を解析して似たような曲を作ってくれますよ、というのが売りだと思います。
この手のアプリとしては珍しい国産です。
iTunes Store の説明文から一部抜粋します。
Amadeus Codeは、初心者かプロのミュージシャンかを問わず、数分で楽曲を作曲できる強力でシンプルなメロディ作成アプリです。メロディーは、今までに例のない独自開発されたAIで作曲され、オーディオファイルやMIDIファイルとして、あなたの選択したDAWにエクスポートして、さらにクリエイティブな音楽制作を行うことができます。
Amadeus Codeには、歴史上で最も愛されてきた曲たちをベースにした数百、数千のコード進行がプリインストールされています。新しい曲を学習していくAIとコラボレーションすることで、無限のメロディーバリエーションを生み出すことができます。
機能は無料で使うことが出来ますが、作った曲を書き出す際に課金が発生します(1曲240円)。
または、年間13,400円で使い放題のどちらかです。
Amadeus Code の使い方
何が出来るの?というところも含めて簡単に解説していきます。
やることはかなりシンプルな印象ですね。
ビートを選ぶ
まずビートパターンを選びます。
といってもジャンルを選ぶだけ。あとは勝手にビートが組まれます。
最近ロックが追加されましたが、まだメタルはないですね。笑
アイディアを選ぶ
作曲のイメージソースとなる曲を選びます。
既存のヒット曲がいくつか登録されているのでそこから選ぶか、他のユーザーが作った曲から選ぶことも出来ます。
選んだ曲から、コード進行やBPMやメロディの雰囲気やらがキャプチャーされて似たようなものが生成されます。
なんと、これで8割完成です。
調整する
こんな感じの画面が出てきたらもう曲が作られています。
真ん中の円グラフが再生ボタンと曲のバースの表示ですね。
下の方の項目をタップすると調整ができます。
メトロノームがBPM、フェーダー?が雰囲気いろいろ(「気合を入れる」っていう項目は何なんだろう。とりあえず常に入れてる)
コード、メロディ、ベース、ドラムは各トラックの音色を選択することが出来ます。
基本これだけ。あとは保存したり書き出したりという感じです。
Amadeus Code ではどんな曲が作れるのか
公式にデモが上がっていますのでそちらがわかりやすいですね。
https://youtu.be/g-5i4wr5erw
上記のフローで作ったデータ、つまりアプリ内で完結できる内容だとこんな感じのものが作れます。
スケッチって感じですね。自分でやってみた際もだいたいこのようなスケッチっぽい感じになりました。
アプリで出来るのはここまでですが、MIDIを含む各フォーマットに書き出すことが出来るので、そこから普通にDTMして詰めていくことも出来ます。
そんな感じで作ったと思われるのが下記のデモ。
ふむふむ。
このデモは生成されたフレーズに忠実に作っていますが、コード進行だけ拝借、メロディだけ拝借、といった使い方も可能なので色々出来そうではありますね。
Amadeus Code まとめ
時々うまくいくとBGM素材屋さんにありそうなものが出来たりはしますが、作れるのはあくまで曲のスケッチで、基本的にはアプリ内で楽曲制作を完結させるコンセプトではないのかなという感じです。
上記の通りこちらがやることは非常にシンプルですが、その分できることも限られてはいます。
また、AIが曲を解析して近いものを作ってくれるというコンセプトですが、AIの作曲センスというかクオリティに関してはまだ結構ランダム要素が強いのかなという印象です。
この辺りもAIを自分好みの作曲センスに育てたり出来ると面白いですね。
アイディアソースも、有名曲=殆ポップな曲しか無いので(それ自体は仕方ないので)自分でソースを読めたりすると良いなと思いました。
諸々今後のアップデートに期待ですね。
DTMer的には、AIが作曲したコード進行やメロディを書き出して素材として使える、という解釈が現実的かなと思いました。
もう少しいろいろ調整ができるようになってくれると嬉しいかなとは思いますが、サンプルパックを買うよりはコストパフォーマンスが良いですし、アイディアソースの1つとして活用出来そうです。