Metal Machine EZX レビュー【メタル系ドラム音源の名作】【Toontrack】

EZ Drummer / Superioir Drummer 用の拡張キットである Metal Machine は、ヘヴィメタル系の楽曲を DTM で作りたい人にとっては非常に有意義な音源であると思います。個人的にもお世話になっている音源ですので、レビューしたいと思います。

Metal Machine EZXとは

Toontrack 社のドラム音源である EZDrummer / Superioir Drummer 用の拡張キットです。その名の通りメタル系に特化したサウンドが収録されています。

以下、Sonicwireのページにある説明文から一部引用します。

『EZX METAL MACHINE』は、Testament, Megadeth, Arch Enemy, Exodus, Killswitch Engage, DevilDriverなどといった有名ヘヴィメタルバンドのプロデューサー、ミキシングエンジニア、マスタリングエンジニアとして有名なAndy Sneap氏が手がけたメタル特化型EZX拡張音源です。

White ZombieやTestament、Helmet等で知られるJohn Tempesta氏によるドラムを「Henson Recording Studios」(米・ロサンゼルス)でレコーディングし、Andy Sneap氏のプライベートスタジオ「Dairywood」(英)にてサウンドデザインされた本作。
イコライザやコンプレッサー等でメタルに即戦力なサウンドにデザインされていますが、TOONTRACK社メタル特化型のラインナップの中でも程良く素の音に近く、ハードロックやミクスチャーロック、ハードコアパンクやメロディックハードコア、オルタナまで広くお使い頂けます。また、超絶的に速いドラミングでもクリアなサウンド、そして程よい分離感を保ち、その高い対応力が特徴的です。

はい、好きな人であればブチ上がる単語が目白押しですね。完全に気合いの入ったメタル音源であることが分かると思います。笑

もうパッケージからして最高ですもんね。なんだこれは。

バチバチに即戦力なサウンド

タレコミ通り、その音はまさしくメタルのドラムの音です。パンテラ以降のそれです。

全体的にタイトかつ硬質で歯切れがよく、バスドラムなどはドンシャリ傾向で高音が気持ちよく持ち上がった「バチン!」というあの音。

スネアはややオールドスクールな音作りですがこちらも気持ちの良いタイト&硬質な音になっています。

さすがメタル音源だけあって、バスドラムにしろその他にしろ、鬼畜な連打をしても音が潰れずにしっかり粒立った連打が出来ます。

ツーバス連打やブラストビートがとても気持ちよく作れますし、Dビートもとても気持ち良いですね。速いビートや手数の多いビートが素晴らしく良い感じです。

また、メタルのドラムは機械的で無慈悲な質感が良く、基本的に全部フォルテです。

なのでもう立ち上げたままのセットをベタ打ちでかなりいい感じになります。おまけに鬼畜なパターンが収録された MIDI もついてきます。

そして圧巻の GUI からもわかる通り、シンバル何枚あんねん!と突っ込みたくなる要塞キットになってますね。これらは種類を選べたり、内部ミキサーである程度細かく調整出来たりと、そこそこ融通も効くようになっています。但しあくまでメタルの音の範疇から外れることは出来ません。笑

メタル以外は…?

上記の引用説明文によると、「ハードロックやミクスチャーロック、ハードコアパンクやメロディックハードコア、オルタナまで広くお使い頂けます。」とのことですが、無理じゃないですかね…!?

上述の通りパンテラやエクストリームメタル系のバッチバチのサウンドなので、そういう要素がある音楽でないと合わないのではないかと思います。

逆に言えば、用途を特化させているからこそのハマった時の気持ちよさが売りの音源だと思います。

本当に”メタル”に特化しまくっているので、似たようなものでもRise系のモダンなチャグコアや、無慈悲な質感を必要としないハードコア系といったお隣のジャンルでもちょっと違う感じです。

例えるなら、「フェスはラウドパークしか行かねえ!」みたいな感じ。

私自身、若い頃に作っていたハードコアのサウンドにおいて、Metal Machine 単体だとメタリックで無慈悲すぎるなと思って、生々しさのある Shino Drums と混ぜて使うなどということをしていました。

その記事はこちら。これは結構いい感じでしたのでおすすめの使い方です。

まとめ

個人的には、数あるメタル系ドラム音源の中でも、Metal Machineが一番それっぽい音をしていると思います。メタルが好きなら限りなく理想的な気持ちの良い音なのではないでしょうか。

少し古い音源ではありますが、汎用性を捨てた代わりに特化型音源としては理想的なキャラクターとなっており、用途が合えばまだまだ現役で使っていけるクオリティだと思います。

使い所は当然かなりピンポイントで、メタルをやらない人にとっては全く用のない音源であるとは思いますが、DTMでメタルをやる人や興味がある人にとっては一度手にする価値の高い音源でしょう。

また、ベタ打ちで適当に打ってもいい感じに雰囲気が出るのでバンドのデモ用(メンバーに渡すやつ)にもおすすめです。

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