【Ugritone】RIOT Drums レビュー【ハードコア系ドラム音源】

90's Hardcore からインスピレーションを得たドラム音源、Riot Drums を紹介します。DTM 界隈ではあまり見かけないアンダーグラウンドで筆者好みなテーマの音源ですね。

RIOT Drums とは

Ugritone (旧名:It Might Get Loud Production) という、アンダーグラウンドなメタルにフォーカスしたフィンランド発のプラグインデベロッパーが出しているドラム音源の一商品になります。

このデベロッパーは他にもブラックメタル系や北欧メタル系等のドラム音源を出していたりして色々最高なのですが(さすがフィンランド)、今回紹介する Riot Drums は 90’s ハードコアにフォーカスしたドラム音源です。

リニューアル前のサイトにはハッキリと NYHC (ニューヨークハードコア) 系と記載されていました。90年代の NYHC といえば Madball や Biohazard や H2O や 25 Ta Life や Merauder や All Out War や(ry

正直 DTM をやっていてこのワードに出くわすとは思いませんでした。

NYHC や 90’s Hardcore が好きな DTMer がどれだけ居るのかは果てしなく謎ですが、執筆時点で Ugritone のメルマガに登録すると $5 で買えるので、少し古めの音像のドラム音源が欲しい時に検討してみても良いのではないかと思います。

(余談)以下、$5 で買えるくだりの文言なのですが、Inner Circle って絶対言いたかっただけだろ…。(※ネタを詳しく知りたければ「ブラックメタル インナーサークル」等でググってみてください)

機能と使い方

Riot Drums の機能や使い方はとてもシンプルです。特化型の音源なので出来る事は絞り込まれています。

GUI は「Drums」「Mixer」「Routing」の3画面を切り替えて使用します。左上の「+」「-」で画面の大きさを調整できます。

Riot Dtumsのメイン画面

上記が Riot Drums のメイン画面的な扱いだと思われる Drums 画面の GUI です。

良いですねー。私自身 DTM 系の活動とは別にハードコアバンドをやっている身で、こういう雰囲気のハコにはよくお世話になっているもので、(流石に狭すぎる気はするけどw)凄く良さみを感じます。フロアタムのペイントもハードコアですね。

ドラム音源よろしく、各部品をクリックすると音を確認できます。

Riot Dtumsのミキサー画面

こちらが Mixer 画面です。この画面では各パーツのバランスを調整できます。

若干見難いですが、まあ見た目は雰囲気重視といった感じなのでしょう。必要な機能は揃っているので慣れてしまえば使用に問題はありません。

サンプルの音色を切り替える機能などは見当たりませんので、サンプルは各1種類ということになりますね。

Riot Dtumsのルーティング画面

Routing 画面です。ここでは MIDI 信号のルーティングを設定できます。

細かく設定できる分まともにやるとかなり面倒くさい(というかよくわからん)のですが、「ROUTING MODE」のところのスイッチを切り替えるだけで、お手軽に6チャンネル or 16チャンネルで DAW へパラアウトする設定に出来ます。

よほどこだわらない限りは「ROUTING MODE」の所しか触らないかと思います。

ちなみに各ドラムパーツの MIDI キーボードへの割当は General Midi Mapping に倣っています。

所感など

確かに、90年代のあのハードコアバンドのあの作品のドラムの音に似ているなと感じる部分がありますね。…と言っても何も説明になってないので以下まともに書きます^^;

ラウド・メタル系にフォーカスしたドラム音源って、モダンでバキッとした、非常に作り込まれて完成されたサウンドのものが多いと思いますが、Riot Drums はそういうものとは無縁の方向性です。

スタジオで叩いてきたドラムの音をそのまま使っているかのような、ローファイ気味で生々しいサウンドです。

ハードコア系の音源ということもあり、1打1打の打感やアタックがしっかりしており、ヘヴィなオケの中でも埋もれずに抜けてくる「タフ」な音ではあります。強いグルーヴや速いビートに強い感じはありますね。

しかし、モダンな解像度感は皆無でレンジ感も決して広くないので、最近の音像の感覚でミックスしてあまり前に出してしまうとパタパタと安っぽい感じになってしまうと思います。

公式で聴けるデモもちょっと前に出しすぎかなーなどと感じます。

ミックスでは90年代当時の音を聴いて参考にしつつ、当時のバランスに音像を近づけていくなり、意図的にオールドスクール寄りな音像にしていく、そういう事をしていくことで馴染んでくる音源だと思います。

一言でまとめると、ローファイでややオールドスクールな色合いの強い(※90’s ハードコア=オールドスクールと言いたいわけではないです)、それでいてタフなバンド系のドラム音源といった感じです。

まとめ

個人的に、DTM で90年代の NYHC みたいな音を作るかといったら…多分作る可能性は低いと思います。

しかし、ドラム音源プラグインとしては非常に珍しい音像であり、モダン系一辺倒になりがちな DTM ラウドバンド事情を覆す貴重な存在の音源といえます(Ugritone 全体的にそんな傾向ではありますが、Riot Drums は特に)

また非常に生っぽい音をしているので、自分で音作りを詰めていって自分だけのドラムサウンドを作るベースにしても良いかも知れませんね。

基本的には、商品がフォーカスしているテーマについて理解のある人が使うべき音源だとは思いますが、音源の特性を理解していれば使い道は色々とあると思います。

初心者にオススメできるかというと微妙ですが、特にローファイ気味で生っぽいドラムの音が欲しい時に検討してみるのは大いにアリだと思います。

商品情報

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