PS/PS2の音声ファイルを抽出するツール「PSound」【サンプリング】

「PSound」というツールを発見しました。PS、PS2ゲームの音源データを抽出できるツールのようで、ゲームからサンプリングを行う際に便利そうなので、紹介させて頂きます。

サンプリング音楽に憧れる

ゲームからサンプリングをするという手法。時々用いられているような話を聞くことがあり、個人的にもなんだか無性に興味を掻き立てられる分野です。

レトロゲームからサンプリングをして曲を作るって、なんかロマンを感じるというか…それは私だけかもしれませんが、理由は様々あるとしてもそういうのに興味のある方もいらっしゃることと思います。

例えば少し古いですが、以下の楽曲はメタルギアソリッドからのサンプリング音が使われているという噂を耳にしたことがあります。

ゲームからサンプリングって難しそう

ゲームからサンプリングをする場合って、どうやっているのでしょう?

色々やり方はあるのかもしれませんが、普通の人が思いつくのは実際にゲームをプレイしながら録音する事くらいじゃないかと思います。

でもそれだとタイミングとか難しそうだし劣化しそうです。PCに映す技術も必要になりますしね。

PSoundでPS1/PS2ソフトから音を抽出できる

ところがこの PSound というツールを使うと、PS/PS2ソフトに含まれている音源データをPC上で直接抜き出すことが可能でした。

これでクリアなサンプリングデータが手に入りますし、あのゲームの中身どうなっているんだ、と見るのも面白いです。

ということでこの PSound の使い方を紹介していこうと思います。

実験台は個人的に音楽が好きなペルソナ3。余談ですがゲーム音楽の概念を覆した革新的な名作だったと思います。

PSound の使い方

実際に PSound を使ってみて思ったのですが、個人が作成したアングラなツールなこともあってか UI は最低限なので初見だとよく分かりません…。

なので順を追って使い方を見ていきます。

ダウンロード

まずは下記リンク先から PSound をダウンロードします(※Windows のみ、Mac 対応版は無いようです)

サイトもツールもしばらく更新はされていないようですが、ダウンロードも動作もとりあえず問題はなさそうです。(※Windows7, Windows10 で確認)

PSound | SoundReaver2 – Playstation Utility in General Category – Zophar’s Domain

立ち上げる

ダウンロードしてきた zip ファイルを解凍すると、中に PSound.exe というファイルがあるかと思います。

この PSound.exe をダブルクリックすると起動できます。エラー文が出るかも知れませんがとりあえず無視して大丈夫そうです。

ソフトを立ち上げたら以下の通り、まっさらな画面が出てきました。

ROMデータを読み込み

立ち上げたら、まずはデータを読み込みましょう。

読み込み方は下記の2パターン。

File→Open file で吸い出し済みのデータを読み込む
File→Scan CD/DVD-ROM で光学ドライブに挿したゲームソフトを直接読み込む

今回は、ゲームデータを吸い出した iso ファイルを 7-Zip で予め解凍しておき、それを前者の方法で読み込んでみました。

ペルソナ3の場合、「BGM.CVM」というファイルに音楽が、「BTM.CVM」に効果音が格納されているみたいです。

とりあえず、BGM.CVM を読み込んでみました。

すると、こんな風にデータの一覧が無機質に出てきました。

各ファイルをダブルクリックすると再生されます。

決して見やすい GUI ではありませんが、再生してみるとあのシーンのあの曲が…と微妙にテンション上がったりして…笑

保存する

一覧表示されているこれらのファイルはまだ保存されていません。

wav で保存するには、ファイルを選択して File→Convert です。

結構なファイル数になるので1つずつやるのはちと厳しいですが、複数選択して一括で wav に書き出すことも出来ましたので一旦そうしておくのが良さそうです。

使い方は以上でひと通り完了になります。

やってみて、感想など

ということで、PSound を使うことで、PS2 ROM の中に収録されているピュアな音声データを抽出することができました。

今回は PS2 ソフトでの挙動を紹介しましたが、PS1ソフトに対しても同様の手順で問題ありませんでした。

もしこれを使うなら、サンプリング作業が大幅に短縮できるうえに、プレイ中に他の音と混ざった音ではない原音をサンプリング出来るのが面白いですね。

ただ、ファイル名は大体が番号や記号で出てくる感じになるようなので、データが大量にあるソフトだと抽出した中から欲しい音を探すのは結構大変ではあります。(ソフトによると思いますが)

Windowsならでは感

このような、個人が作ったであろう怪しげなツールが存在するのはいかにも Windows ならではという感じがします。

ファイル名や GUI のクオリティも含めてなんだか「それっぽい」感じがして、どことなくインターネット黎明期のアングラ臭に近いものを感じますね。笑

Mac ユーザーの方には関係のない記事で申し訳ないです。

使用は自己責任で

記事で紹介しておいてすみませんが、こういった類の行為はあまり褒められたものではないと思います。

音楽のサンプリングについても、近年は配信の審査が厳しくなっていますし、グレーな要素のあるものは基本通らないと思ったほうが良いでしょう。

自分で購入した ROM を用いて個人利用する分には大きな問題にはならないとは思いますが、あくまで使用は自己責任でお願いします。

完全合法でサンプリングを行いたい場合は

商用も視野に入れてサンプリングを行いたい場合は、Loopmasters や Loopcloud などで商用可の素材を購入することをおすすめします。

Loopmasters >

Loopcloud >

中古ゲームについて

PS2は約20年、PS1に至っては約30年前のゲームなので、年々入手が難しくなったり価格が上がってきているように感じます。

PSound は幸か不幸か本体なしで使えますが、遊ぶなら本体が欲しいし、ソフトに関しても同じことが言えるでしょう。人気のものは高騰し、不人気のものは入手自体が難しくなっていきます。

本体、ソフトともに持っていない方は中古価格が暴騰する前に入手しておくことをおすすめします。

AmazonでPS2をチェック >

Nintendo DS でも…

Nintendo DS から音源データを抽出するツールもありました。