Electri6ityの打ち込みとライン録りギターの音を比較してみた
私の作る曲のアレンジでは、ギターは打ち込みと録音の両方を使用しています。それには理由があって、それぞれ強みと弱みがあるからです。今回はそれぞれの特徴、長所と短所についてまとめてみました。
比較条件など
この Electri6ity というソフトには、サムネイル左側にある通り、数種類のギターがモデリングされています。
私の場合、使う用途が用途なので、ハムバッカータイプのレスポールとリッケンバーカーしか使わないので、今回書くことはその2モデルに関してのことになります。(9割がたレスポールです)
ちなみにこの2本では、レスポールの方がややパワーがあり、リッケンの方がミドルが強く、柔らかめの出音だと感じます。
そして私の使用ギターは、どこで買ったかも忘れた安ギターに、EMG を搭載したもの(リアに EMG81 を1発のみ)です。1ボリュームトーン無しで用途は限定的ですが出音は悪くないと思います。
録音に使ったインターフェースは Focusrite の Scarlett 8i6(絶版)です。ホームユースとしてはそこまで悪いものではないはずですが、あくまで宅録環境という感じ。
アンプシミュレーターのセッティングは、どちらも Amplitube 3 で、以前紹介したものを用いています。マイキングの設定は、 Condenser87 をセンターオンマイクで統一しています。
Electri6ityの雑感
- 出音の周波数のレンジが非常に広い
- コシのある中低音と煌びやかな高音が同居
- レンジが広い分、オケの他の音と被りやすく、ミックスが難しい
- 金属的な質感が強い
- デジタル臭い
- 位相が干渉しやすい
良い部分と、癖がある部分がはっきりしている感じですね。
ただ、以下にも書きますが下手な環境よりは打ち込み音源のほうが完全に音が良いと言えます。
ライン録音の雑感
- レンジがやや狭め
- そのため、やや籠り気味
- 質感的には、よりギターらしいというか、オケに混ぜた時にそれっぽくなりやすい
- 上述の、Electri6ityにおけるマイナス要素はほぼない
- 音粒が潰れやすい(特に、コードをかき鳴らしている時のアタック音など)
- ノイズが多い
- 当たり前だけど生々しい
いつくかは機材が安い事によるデメリットが出ているかもしれませんが、それでも質感的にはどうしても必須です。
ちなみに、安い機材の環境であっても合計でかかっている金額は圧倒的に生ギター環境のほうが多いです。
総括
上記のような感じで、結構感触が違ってくるんですよ。
下図は、出音の周波数特性が見れるFL Studio付属のFruity Parametric EQ 2を、それぞれに通してみた図です。
左がElectri6ity、右がライン録音したギターですが、やはりElectri6ityのレンジが広いことが分かるかと思います。
気になるのは、Electri6ity の雑感に書いた最後のやつ。位相。
音そのものはいいのだけれど、音の周りにモヤみたいなものがあり、それがグルグルうねって、不快なグルーヴを生むことがあります。音を重ねるほど発生しやすいです。
例えば、コードのかき鳴らしなんかを2回オーディオに吐きだして左右に振ると、このモヤが大暴れします。
これはいわゆる位相干渉なのですが、初心者のうちはこれが何なのかもわからなかったりして、打ち込みギターの1つの壁かなと思います。
打ち込みのギターは重ねると結構ゴリゴリに位相干渉が発生するのでただ打ち込んで左右に振ったりしても駄目ですね。。
位相衝突やその解消方法については下記の記事に書いています。
まとめ
という感じで、打ち込みギターと録音ギター、それぞれに特徴があるので両方使っています。
PCのcpuをcore i7にしてからは、仮オケもElectri6ityで作っているので、そのままギターも打ち込みだけで完成されられると楽ではあるのですが、やはり実際に弾いて録音した質感は今のところはマストかなと感じています。
勿論いい感じに出来るならいいんですけどね。その辺りは下記の記事で書いています。
使っていくうちに何かわかったことがあったらまたメモしようと思います。