【Neural DSP】Fortin Nameless Suite レビュー【メシュガー】

Neural DSP のアンプシミュレーターソフト、Fortin Nameless Suite を紹介します。先に言ってしまうと、こいつの正体は Fortin Meshuggah です。とんでもないものをプラグイン化してる Neural DSP 最高。

Fortin Nameless Suite とは

Fortin Amplification というハイゲイン・ブティックアンプメーカーのアンプとエフェクターをモデリングしたアンプシミュレータープラグインです。

ブティックアンプというのは手作業などによる少量生産のこだわりの高級アンプというイメージですが、とりあえず Fortin という知る人ぞ知るマニアックなブツをプラグイン化するあたり、さすが Neural DSP と思う所存。

Fortin Nameless Suite でモデリングされているアンプは恐らく Fortin Meshuggah というアンプです。そのまんま過ぎる名前ですが、スウェディッシュプログレデスメタルバンドの大御所であり Djent 教の神様である Meshuggah 大先生のシグネチャーモデルです。

本製品では Meshuggah の名前が使えなかったので Nameless(名無し)になってしまった、ということなのでしょうか。

Fortin Meshuggah の公式(下記)を見て比べて頂ければ分かりますが、Nameless Suite のアンプ GUI はここから Meshuggah の文字が無くなったものになっています。

なおアンプモデル以外の仕様は Fortin NTS Suite とほぼ同じになり、Fortin のイカツいペダル3種類とキャビネットシミュレーターがセットになっています。

Fortin Nameless Suite の特徴と使い方

Fortin Nameless Suite は、ペダル、アンプ、キャビネットの3つのセクションに分かれています。順番に見ていきましょう。

ペダル

Fortin Nameless Suiteのペダル

ペダルセクションです。ここは NTS Suite と全く同じになりますが、Zuul、Hexdrive、Grind という3種類のペダルを扱うことが出来ます。これらも実機で買おうとすると高額かつ日本での入手性も良くないので、ここだけでもアツいです。

Zuul は見た目が一番イカツイですがノイズゲートです。プラグインのガワの部分にもゲートは搭載されていますが、スピード感などで好みの方を使える感じです。せっかくモデリングされているのでこちらを使いたいところ。

Hexdrive と Grind はオーバードライブ/ブースターです。前者は TS 系で、後者はかなりエッジィな高域特性でギャリギャリギョリギョリな感じになります。

アンプ

Fortin Nameless Suiteのアンプ

Meshuggah から Meshuggah の文字列を取った名無しアンプのセクションです。一見 Friedman あたりを思わせる改造プレキシマーシャルっぽい見た目が格好良いアンプです。

ハイゲインの1チャンネルのみでツマミも基本的にオーソドックスな仕様です。

ゲインは変わった仕様になっていて、 GAIN I と GAIN II の2系統があり歪みのキャラクターを細かく調整できます。インプットをローにすると GAIN II のみの作動になります。

キャビネット

Fortin Nameless Suiteのキャビ

キャビネットセクション。キャビは1種類ですが、マイクは6種類から選べてポジションの調整も可能で更に2系統混ぜることも出来るようになっています。

カスタム IR Loader 機能も備わっており、サードパーティの IR を読み込ませて使用することも出来ます。

メシュガーの音がする

音についての感想ですが、かなり Meshuggah そのまんまな感じの音でびっくり。

Meshuggah の音がします!以上!で終わっても良いレベルに Meshuggah の音が手に入ります(笑)

これがあれば誰でも Meshuggah になれ…はしませんが、誰でも Meshuggah っぽい音が出せるようになりますね。

具体的には、8弦などの超低音の単音をブライトにバキッと鳴らす事に最適化された、かなり高域重視のサウンドです。

一言でいうとギャンギャン系で、マーシャル系統のキラキラした鋭い高音をこれでもかと強調しつつ、低域~中低域はスッキリと、ペラペラにならないギリギリまで抑え込んだサウンドです。

BASS はかなり持ち上げてもあまり出ませんし、ふくよかさや厚みもほとんどなく、ひたすらスッキリと綺麗に明瞭に「パキン!」と高域が突き抜けるハイゲインサウンドです。

これはローチューニングのギターでないと高音モンスターになってしまいやすそうですが、ゲインをかなり抑えるとプレキシっぽい音も出てしかも結構良い感じなので綺羅びやかなクランチサウンドを奏でるのにも使えそうではあります。ただしかなりクセは強いですね。

まとめ

Fortin Nameless Suite、思っていた以上にマジで Meshuggah の音になってびっくりでした。

というか元が Meshuggah のシグネチャーアンプのモデリングだということも当初は知らず、こんなにメシュガーメシュガー言うつもりもなかったのですが…。

Meshuggah 神のあの機械的なサウンドは8弦ギターにこういう音作りを施すことによって実現するんですね。そしてこれが Djent に繋がっていくということか…勉強になります。。

Neural DSP 製品ということもあってプラグインそのもののクオリティも高いので、Djent や Meshuggah が好きな方にとっては最強のアンプシミュレーターと言えそうです。

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