Celestion公式のキャビネットIRがとても良い【CelestionPlus】

ギターキャビネット用スピーカーの老舗メーカー、Celestion が公式で Impulse Response を販売しているのは以前ご紹介した通り。これ、買ってみたのですがメチャメチャ良かったです。もうキャビシミュには戻れないかも…?

Celestionとは

Celestion Digital

エレキギターやベースアンプのキャビネット用スピーカーを発売しているメーカーです。

エレキギター・エレキベースの歴史と共にあるような、この界隈を代表するスピーカーメーカーです。

特にギターにおいては Marshall, Mesa-Boogie, Diezel , Orange, Vox など多くのメーカーが Celestion 製のスピーカーを搭載したキャビネットを販売して、数々の名作で使用されてきたと思います。

バンドモノの音楽が好きな人は絶対に Celestion のスピーカーから鳴っているギターの音を何かしらの作品やライブなどで聴いているはずです。

IR (Impulse Response) とは

ここでいう IR (Impulse Response) とは何かというと「空間の鳴りをキャプチャしたもの」という感じです。

アンプシミュレーター界隈においては、「本物のキャビネットの音響特性を収めたデータ」で、キャビネットシミュレーターの代わりに使います。

詳しくは下記に書いていますので良かったら合わせてお読み下さい。

Celestionが公式でIRを販売しています

CelestionPlus と称して、公式で自社スピーカーの IR データを販売しています。

老舗メーカーですが、最新のデジタル方面にも力を入れていて素敵です。BIAS AMP Elite にも Celestion 公式のキャビネットシミュレーターが搭載されていますよね。

公式なので、Greenback や Creamback 、Vintage 30 など各種スピーカーの IR が展開されています。

一部 Orange や Laney、Shur などメーカーとのコラボものもありまして、これは好きな人にはたまらないのではないかと思います。

Orange PPC412 を購入してみた

今回はラインナップの中から、Orange Amps の定番キャビネット、Orange PPC412 (Vintage 30 x 4発) の IR を購入してみました。

個人的趣向ですみませんが、私の好きなバンドや好きなギターサウンドって、Orange PPC412 が使われている場合が非常に多いんです。そのため個人的にベンチマーク的なキャビネットとして、IR を買う際はまずは Orange PPC412 から試すのが定石になっています。。

欲しい音を得るためには欲しい音を出している機材を真似ることが第一歩ですからね。

Orange PPC412 の IR 自体は色んな所で売られていますが、BIAS AMP Elite が比較的良かったこともあって、Celestion 公式という点には非常に惹かれる部分があります。

Oreange PPC412のイメージ

CelestionのIR、音も良いし扱いやすい

ということで、ここからは CelestionPlus で購入した Orange PPC412 の感想を書いていきます。

音は素晴らしいの一言

さすがに公式だけあって品質が高いです。解像度感が高く生々しい音をしています。

Celestion公式ということで BIAS AMP Elite のキャビシミュに近い特性をしていますね。ブライト寄りで歯切れがよく比較的低域はスッキリしている方向性です。後述しますが、個人的には「Dark」というマイキングデータが丁度良いくらいかなという感じでした。

BIAS AMP Elite は、結構マイキングシミュレートの設定をミスると残念しやすい感じがあるのですが、こちらの IR の方は残念な収録データはそもそも入っていないので失敗しにくいです。

Orange らしいジュブっとした感じも気持ち良いですね~。

そして、キャビネットシミュレーターに比べるとしっかりと腰の据わった芯のある音になります。へにゃっとした音にならずに抜けや輪郭の明瞭感がキッチリしていてとても良いです。

IR なのに扱いやすい

扱いやすさという点でも良かったと思いました。

普通 IR データを購入すると、色んな収録条件の wav ファイルが無数に入っており、ぶっちゃけどれがどれだか分からん…ということになりがちです。

まあ、色んな収録条件の wav ファイルが無数に入っている事自体は変わりないのですが、マイキングの条件が「Bright」「Dark」みたいに抽象的な命名の6パターンに分けられており、迷いにくいです。

かつ6パターンというのがまた絶妙で、無数にあるマイクポジションからお気に入りを探す手間から開放されつつ、必要にして十分な選択肢という感じです。

またルームマイクのデータなども入っており、複数の IR を混ぜて使える IR Loader を使用することで音作りの幅も広がりました。

Amplitube Orange とも相性抜群

今回紹介しているのは恐らく Orange の公式 IR とも言えますが、Orange の公式アンプシミュレーターと言ったら Amplitube Orange です。

試しに Amplitube のキャビシミュをバイパスして、Celestion Orange PPC412 IR を合わせて弾いてみたら良い感じでした。Orange + Orange なんで間違いない感じ。

Amplitube って今となっては BIAS AMP に音質面で置いていかれてしまった感が強いですが、この IR を使うと全然使えます!

この組み合わせで BIAS AMP に逆転勝利、ということは流石にないですが、かなりカッコ良い使える音になりました。個人的には Tiny Terror(とTSブースター)再評価です。

ちなみに最新の Amplitube でキャビシミュのバイパスは、画面右上のこちらです↓

Amplitube Orangeのキャビネットをバイパスするイメージ

まとめ

IR って凄く良い音が鳴るのに、大体1000円くらいで買えるんですよね。

今回紹介した Celestion 公式 IR も約12$、執筆時点のレートで1300円くらいです。BIAS AMP Elite は約1万円ですからね、凄いコスパの差です。

また、キャビネットって実はアンプヘッドよりも音への影響が大きいんですよね。なので IR の導入で劇的に音が変わったりします。

ということで、DAW 上のギターアンプの音を強化したい際(Two Notes 等でハードでも使えますが)は、Celestion の IR を検討してみてはいかがでしょうか。

商品情報

CelestionPlus のサイトはこちら。