YAMAHA TRB1004j レビュー【35インチの4弦ベース】
ヤマハから出ている珍しい35インチの4弦ベース、TRB1004j を購入しました。敢えて5弦を選ばす4弦にこだわった理由と合わせて、本機の紹介をしていきたいと思います。
my new gearしてしまった。。 pic.twitter.com/8JAeqlG3Hi
— tomoki (@lostmortalmusic) July 6, 2019
my new gearしてしまった。。
はい、My New Gear をしてしまいました。
前から Lostmortal 用のベースが必要だと思って下調べをしてはいたのですが、夏のボーナスでやっちまいましたね。。
普段愛用しているプレシジョンベースで3音下げはツラいので…。
YAMAHA TRB1004j とは
ヤマハが出しているモダンなアクティブベースのシリーズには、TRBX、TRBというものがあります。
TRBXはエントリー~ミドルグレードのシリーズで、TRBは10万円~という感じですね。
各モデルに4弦と5弦がラインナップされています。
この中でTRBに関しては全て35インチスーパーロングスケールになり、6弦モデルのラインナップもあります。
今回購入した TRB-1004j は、そんなTRBシリーズの4弦モデルですね。
公式サイトの説明ではシンプルに下記のように説明されています。
TRB1000シリーズ の4弦モデル
・メイプル+アルダーのラミネートボディ
・反りやネジれに強い5ピースネック構造
・ピックアップはクリアな音像を追及したハムキャンセルタイプ
・3バンドイコライザーを備えたアクティブ5コントロールシステム
・高い伝導効率で弦振動をボディに伝える新開発ブラスブリッジ
発売は2010年とのことで、ザ・モダンなアクティブベースといった感じですね。
4弦の35インチスケールという非常に珍しい選択肢があるのが良いです。まあだからこれにしたのですが。
4弦、35インチスケールを選ぶメリット
竿の紹介に入る前に、当エントリーを読む方が恐らく気になるであろう、35インチの4弦ベースというものについて少し説明します。
35インチスケールとは
一般的なエレキベースのスケールは34インチです。
35インチは、それより1インチ長いため、弦のテンションを高く保てるという特徴があります。
弦のテンションを高く保てることで以下のようなメリットがあります。
- 音程感がクッキリする
- タイトでハリのある音になる
- ダウンチューニング時の違和感が少なく安定する
そういった特徴から35インチスケールは、LowB やそれ以下を鳴らす事が想定されている5弦、6弦ベースに採用される場合が殆どです。
4弦35インチスケールを選んだ理由
では何故今回4弦の35インチスケールを選んだのでしょうか。
それは、4弦と多弦のベースでは音の質感が異なるため、4弦のダウンチューニングにこだわりたかったからです。
通常の34インチスケールでは3音以上のダウンチューニングをすると演奏性や音の輪郭などが結構厳しくなってくるため、4弦&35インチというレアな条件を求めていたわけです。
(普通のジャズベース等で3音下げにしているバンドも割といますけどね…)
あとは通説?でしょうか、同じモデルで4弦と5弦の展開があったら、基本的には4弦のほうが精度が高いと何処かで聞いた気がします。
他には好みの問題として、見た目が4弦のほうが好きというのと、5弦ベースをピックでゴリゴリ弾くイメージがあまりわかないという点もありましたね。
4弦ベースと5弦ベースの音の違い
5弦、6弦といった多弦ベースは、弦が多くある分ネックが太かったりして筐体の質量や容積が大きいですよね。
これによって、音の傾向がダークで重厚な質感になります。
Djent のようなタイトで硬質な重低音を求めるときは、やはり多弦ベースがピッタリだと思います。
逆に4弦はそれに比べるとブライトで元気の良い感じとなり、バキッとした音や攻めた音を作りやすいです。
無理にダウンチューニングをしたことによって得られるダルンダルン感も、上記の特徴と合わせて4弦ベースの魅力になる部分ですね。
YAMAHA TRB1004j の特徴
ということで、竿の紹介に入っていきたいと思います。
筐体について
ピックアップはヤマハオリジナルのハムバッカーが2基搭載されています。
プリアンプも含めて回路ごと独自設計となっており、もし交換する場合はけっこう大変らしいですね。
そして、コントロールのつまみは以下のような感じ。
3バンドEQと、マスターボリューム、ピックアップバランサーですね。バランサーをセンターにするとハムキャンセルがかかります。
この説明書きのプラ版、本来は外すんでしょうが便利なのでそのまま使っています。笑
ブリッジは汎用タイプのものですが、結構しっかりしている印象です。
この形なら KickAss Bass Bridge などに載せ替えも可能かもしれませんね(未検証)
ボディ裏です。ネックが5ピース構造&ボディ6点留めでしっかりしてそうです。ネックは細めで弾きやすいです。
電池ボックスは、100均で買った9V電池を入れたら微妙に収まらずにパンパンになりました。後でDuracell買います。。
ボディの色ですが、本機、WEBで情報を見ると結構赤っぽく見えますが、実際は、少しだけ赤みのある茶色です。
本記事に載せている私の写真は、色味についてはまあまあ再現できているかなと思います。
公式の色名もキャラメルブラウンとなっていますね。
音について
基本的には、ヤマハらしいクリアで大人しめな優等生っぽい音ですね。
3バンドEQとバランサーである程度音作りは可能ですが、基本傾向としてはそういう感じです。
EMGのようなパワー感やエフェクト乗りの良さはありませんが、クセが少ないのでエフェクターも含めた音作りは様々な方向に振れそうです。
3バンドEQはミドルの分量が肝という印象です。カットしてバキバキにするか、ブーストしてブーミーにするかでキャラクターがかなり変わってきます。音量もかなり変わりますが。
ピックアップバランサーはセンターにするとハムキャンセルになってノイズが減りますが、音が多弦っぽいダークな感じになります。パワーも減るのでちょっと使いにくいかな。
個人的には多少ノイズが乗っても、フロントかリヤのみでブリっかゴリっでいくほうが好きでした。
35インチスケールの恩恵
買った状態で付いていた弦が、恐らくダダリオの 45-100 と思われるもので、やや細めの弦が張られていました。
しかしこの弦のままダウンチューニングをしていっても全然問題なくてビックリしました。
むしろ2音下げで丁度良いくらいな感じ。3音下げても大丈夫。
一応5弦用の2~5弦を張ろうかと思っていたのですが、その必要はありませんでした。寧ろ普通の弦を張ったほうが4弦のダウンチューニング感が出て良い感じです。
ボディやネックの作りの良さによる部分もありそうですが、35インチスケールの威力恐るべしですね。
ちなみにナットの溝は予め太めに彫られていて、「太い弦張ってもええんやで?」感はありますね。あとナットは乗ってるだけで接着されてません。
色々試した感じ、3音下げ(lowA#)でもミディアムゲージの45-105くらいで丁度いいですね。35インチ恐るべし。ちなみに普通のロングスケール用の弦で問題なく張れます。
— tomoki (@lostmortalmusic) July 7, 2019
色々試した感じ、3音下げ(lowA#)でもミディアムゲージの45-105くらいで丁度いいですね。35インチ恐るべし。ちなみに普通のロングスケール用の弦で問題なく張れます。
※しばらく使ってみて、3音下げでミディアムゲージはさすがに緩さを感じるようになりました。それでもチューニングを下げても無理に太い弦を張らなくて良いので弦の選択肢は広がりますね。
そうそう、35インチですがエクストラロングスケール用の弦でなくても問題なく張れましたので、弦の選択肢は幅広く選べます。
その他
シールドジャックが、ちょっとシールドが抜けやすい感じですね。
ここは微妙かなと感じた点です。
気になっった点はそれくらいですね。全体的に質感高いです。
あと、35インチスケールのデメリットだろうと思っていた弾き難さは意外と感じませんでした。
重量もプレベより軽くてびっくり。
まとめ:この品質としてはリーズナブル
YAMAHA TRB1004j の気になるお値段ですが、定価で11万円、実売価格では9~10万円ほどになります。
しかし、プロダクト品質的には、他社で20万円クラスのベースに引けをとらないのでは?と感じます。
紹介しきれていない部分も含めて細部まで丁寧かつ高精度に作り込まれている印象です。
そして個人的にはこのキャラメルブラウンの色が好きで、ロゴはYAMAHAですが見るたびにテンションが上ります。