Solemn Tones / The Odin II レビュー【モダンメタルギター音源】

Solemn Tones のモダンメタル向けギター音源、The Odin II を購入しましたので紹介します。超特化型ではありますが、ギター音源もここまで来たか…と思わされます。

The Odin II とは

上記は商品紹介の動画です(笑)

The Odin II は、Solemn Tones というモダンメタル特化系のデベロパーによるギター音源です。

このデベロパーは他にもベース音源やドラム音源を出していますが、ゴリゴリバキバキな Djent やモダンメタル系を得意とする音源がラインナップのメインです。

今回紹介する The Odin II もモダンメタル系に特化したギター音源となっており、ゴリゴリのローチューニングギターを手軽に打ち込みで鳴らすことが出来る音源です。

II ということで2世代目のようですが、私は初代の存在を知りませんでした。ただ調べると情報は出てきますね。

個人的に現代のメタル系ギター音源の中では Shreddage と双璧を成す製品かなと思っています。

The Odin II の特徴と使い方

the odin 2

本製品は、楽器系音源にありがちな Kontakt ライブラリではなく、単体の VSTi となっています。

アンプシミュレーターの内蔵はなしです。またチューニングはダブルドロップCまで対応しており、グラフィックは6弦ですが8弦の領域までカバーしていますね。

上記はメイン画面ですが、少し厨ニ病心をくすぐられつつ、シンプルでスッキリとした GUI になっていると思います。

初回立ち上げ時にはライブラリの選択を要求されます。ダブルトラッキング(Panned)のリフ用、リード用がそれぞれ2種類と、シングルトラックが2種類です。

Panned の Essential は普通にダブルトラッキングした感じ、Expanded は更に広がり感を出した感じです。シングルトラックの2種類は違いがよくわからないですが、自分でダブルトラッキングする際に位相が被らないようになっているのかなと。

Disabled は何も読み込まれなくなり、存在意義がよくわからないです。

打ち込みのマッピングについては「INFO」を押すと閲覧できます。

基本は SWIFT モードというものになっていて、ベロシティでサステインとブリッジミュートを切り替える仕様です。

SWIFT をオフにすると上記画像でフェードされているキースイッチが有効になります。SWIFT モードの方が打ち込みは楽ですが、キースイッチ類がほぼ使えずオルタネイトピッキング縛りなになります。

「ADVANCED」を押すとこのように画面が切り替わって質感などの設定項目が現れます。

Force Phase は恐らく位相関係、Raw Mode はオンにするとハンドノイズなどが乗ります。Octave Drop はオフにすると1オクターブ下がります。逆では?と思いますが。

基本的な使い方はこれだけで、すぐに打ち込みに入れてシンプルです。

しかしマニュアルがないので、必ずしも弄る必要のない細かなスイッチやパラメーターについては正直よく分からないですね。。

下記の公式 Walkthrough 動画くらいしか参考になるものがないので、英語ですが頑張ってこれを見て理解を深めていくしかなさそうです。

The Odin II のレビュー

音については、筆者個人的にギター音源で最もよく使う Shreddage に引けを取らないクオリティです。

曲調にもよりますが、ギターを打ち込みだけで曲を完成させても問題ないレベルまで近づいてきていると思います。

キャラクターは Shreddage と比べるとより明瞭でバキバキとした Djenty な感じです。アンプでいうと Fortin Meshuggah(Fortin Nameless Suite)のような方向性。

特に7弦、8弦領域のローチューニングの音像はかなりそれっぽい感じがしますしパワーもあって良いです。タイトで低域の輪郭がしっかりしており、チャグりや Djent 系リフが気持ち良くキマることに重点を置いている印象ですね。

細かな質感の調製はあまり効かないですが、変なクセもなく扱いやすいし、すぐに打ち込みに入れるので制作に専念しやすいのも良き。

ただ、かなり特化型です。

公式に自称ポップパンクのデモがありますが、ポップパンクというのにはバキバキ過ぎる気が。。

一方で Djenty なスタイルはもはやギター弾かなくてもこれで良いよね、と思えるクオリティ。

基本的にはローチューニングでゴリゴリやったり、ユーロ系のダークでガツッとしたメタルトーンを作るのが得意な音源だと思います。

まとめ

モダンメタル系特化型ギター音源、Solemn Tones The Odin II について書いてみました。

現時点で最もクオリティの高いギター音源の一つに数えられると思いますし、シンプルな操作性も概ね印象が良いです。

スタイルさえハマればですが、打ち込みでまともなクオリティのギターが作れるって凄いことですよ。

しかし結論を申しますと、個人的には導入を見送りました。

理由としては、サステインがあまり伸びず、長い白玉フレーズは音が途中で途切れてしまう事です。そういうフレーズをやらないなら良いですが、私はよくやるので使うに使えなかったという感じです。勿体ない。

商品情報

The Odin II | Solemn Tones