ガチで使えるフリーVSTプラグインまとめ

フリー音源、フリープラグイン、フリーVST…言い方は色々あるにせよ、どれも DTMer を惹き付ける魔法の言葉ですよね。

しかし探すと色々出てくるため、実際のところ何を選べば良いか迷います。

ということで、今回は私が実際に使用していてガチで使えると思っているフリープラグインを独断と偏見で厳選して紹介したいと思います。

フリーVSTプラグインの魅力

フリープラグインの魅力といえば、もちろん無料で使えること。

しかし、いくら無料であってもクオリティが低くて使えなければ無意味ですよね。

まあ実際微妙なものも結構あるように思いますが…魅力ある「使える」フリープラグインの傾向としては、大まかに以下の2系統だと思います。

  1. 1. デベロッパーのデモ版や簡易的な機能のもの
  2. 2. 強い個性や独特の味わいが魅力で「これじゃなきゃだめ」というもの

一昔前までは2番が多かった気がしますが、64bit 環境が当たり前になって高品位なプラグインも増えてきた…つまりプラグイン界隈が成熟してきた昨今は、1番が多くなってきたように感じます。

どちらにしても、良くも悪くも出来ることが限られている場合が多いので、目的に到達するのがシンプルだったり、音作りに迷いにくかったりというメリットもあります。

どう感じるかは人それぞれな部分もあるとは思いますが、以下に紹介するプラグインは私目線で上述のようなメリットが感じられるモノです。

ざっくりとカテゴリに分けて紹介していきたいと思います。

フリーVSTプラグイン:エフェクト系

Black Rooster Audio – VHL-3C

Black Rooster Audio から出ている、Pultec 系のフィルタープラグインになります。

出来ることはパイパス / ローパスのフィルターのみと非常にシンプルですが、音楽的でおいしい感じにフィルターが掛かり、素晴らしいサウンドです。

これを使うと無料なのが申し訳ないくらいトラックが良い感じに仕上がります。

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レビュー

DOTEC-AUDIO – DeePanpot

DOTEC-AUDIO がフリーで出している DeePanpot は、DAW 標準のパン機能とは全く違ったアルゴリズムでパンニングが出来るプラグインです。

通常のパンは単純に左右の音量バランスを変化させるものですが、これは「ハース効果」というものを使ってより現実的なパンを再現しますとのこと。

とにかく、DAW 標準のパンとは全く違った、非常に音楽的で自然なパンニングが出来るので、個人的にパンを振る時は常にこれを愛用しています。

ギターを左右に振る際にめちゃくちゃ重宝しています。

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Tokyo Dawn Labs – TDR Kotelnikov

Tokyo Dawn Labs から、モダンで高品質なコンプレッサー、TDR Kotelnikov です。

有料版もありますが、無料版でも簡単に使う分には十分なほどに優秀です。

用途としてはバスコンプ向けです。SSL のモデリングなどとは違って、モダンでクリアな方向で非常に綺麗な音。

ハイパスサイドチェインやステレオ感の調整が可能で、コンプ自体もピーク用と RMS 用のハイブリッドという多機能仕様ですが、優秀なプリセットが入っているので初心者でも安心です。

私はバンドのオケはこれでまとめています。

Tokyo Dawn Labs は他にも優秀なプラグインを複数リリースしているのでオススメのデベロッパーです。Tokyo といっていますが日本のメーカーではありません。

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Tokyo Dawn Labs – TDR Nova

Tokyo Dawn Labs からもう1点、ダイナミック EQ の TDR Nova を紹介します。

こちらは上記の Kotelnikov に比べても有料版の方があからさまに高機能な感じではあるのですが、それでもフリーで使えるダイナミック EQ プラグインというだけで貴重です。

機能は絞られているものの、ちょっとした用途には十分かなという所で、品質は Tokyo Dawn labs らしいクリアな良い音です。

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フリーVSTプラグイン:ソフト音源系

Spitfire Audio – LABS

Spitfire Audio という、ガチめのオーケストラ音源などを出しているデベロッパーのフリー音源集です。

LABS 自体はガワで、中に配布されている各種音源をインストールして使います。

ガチ系デベロッパーのものだけあって流石に高品位。パッド系が充実していたり、オシャレな感じの音が多めです。

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レビュー

Shino Drums

当ブログでも紹介記事が比較的よく読まれていますが、国産のフリードラム音源、Shino Drums です。

生楽器系のフリー音源は基本的にはオススメしませんが、これに関してはメチャクチャ良くて。何が良いかは上記の紹介記事を読んで頂くとして、個人的超お気に入りの音源です。

お気に入りすぎて、執筆時点では私 Lostmortal の楽曲は全て Shino Drums を使用しています。有料のドラム音源も色々と持っていますがそれらを差し置いて…。

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▶Shino Drums | Free Drums Sample Library

mu-station – ファミシンセⅡ

昔からある有名なチップチューン系フリー音源です。

しばらく更新されていないと思っていたら、いつの間にか ver3.0 になって、64bit 対応になっていました。ということで再び愛用機に。

ファミコン風の GUI がソソりますが、ファミコンをエミュレートしているわけではなく、あくまで「それっぽい感じ」のシンセ音源です。

個人的な印象としてはファミコンよりはスーファミ音源に近いような、少し柔らかい感じの質感に感じられてそこが気に入っています。

シンセなのである程度パラメータが弄れますが、モノフォニックモードにしてウネウネさせるのが好きで結構色んな曲に使っていたりします。

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▶mu-station

DSK Music 各種音源

現在も運営されているかは不明ですが、ピアノやドラムマシン、シンセサイザーなどの様々なフリー音源をリリースしている DSK Music というサイトがあります。

各音源とも用途に特化していることや、音楽的でありながらチープな音質がオケに馴染みやすく、個人的に非常に使いやすく重宝していました。

DSK ChoirZ なんか特に好きで、色々な曲で隠し味的に取り入れていたりします。

古いため殆どの音源が 32bit 専用なので、現代の環境で使用するには jBridge などのブリッジソフトが必要です。

フリーVSTプラグイン:アンプシミュレーター系

アンプシミュレーターにもフリーで使えるものって結構あります。

紹介したいプラグインの量が増えてきたので、別記事にまとめました。

まとめ

以上が、個人的にオススメのフリーVSTプラグイン達になります。

実際に私が愛用しているものを中心に厳選して紹介していますが、音源・エフェクト問わず、良質なフリープラグインって実は結構存在しています。

実際に、この類のエントリーは色々なサイトの紹介記事を見れば見るほど、それぞれでぜんぜん違う紹介がされていて非常に面白い分野だと思います。

私なりのフリープラグインの選び方のコツとしては、「これでなければいけない」という色を持っているプラグインを中心に漁っていくのが良いと思っています。

というのも、良いものがそれなりにあるとはいえ、基本的に一部を除いては、単純なクオリティでは有料音源には敵いませんので、その音源ならではの強みを感じられるものを選ぶべきだと思うのです。

今回紹介したものもそういう感じのものが多いです。

その中で、自分の用途にしっくり来るものを厳選していくと、お気に入りフリープラグインが生まれてきます。

参考になれば幸いです。