EZ Drummer は優秀な即戦力ドラム音源です【レビュー】

定番ドラム音源の一角としてロングセラーを築いている Toontrack EZ Drummer を改めて使ってみました。即戦力系としてやはり優秀な音源ですね。

EZ Drummer とは

Toontrack 社が開発・販売しているドラム音源です。現行は2代目で EZ Drummer 2 になりますが、2になってからも割と経つロングセラー商品です。

同社のドラム音源はガチ勢向けの Superior Drummer と初心者向けの EZ Drummer という形でラインが分かれています。

Superior Drummer は現時点で最強のドラム音源という評判もありますが、そんな音源を開発できる高い技術力を活かして即戦力音源として扱いやすくまとめているのが EZ Drummer です。

私が DTM を始めた当時は優秀なドラム音源の選択肢はあまり多くなかったですが、その中で EZ Drummer のような安価で初心者でも扱え、かつクオリティの高い即戦力音源というのはなかなか貴重な存在でした。

今ではいくつかある選択肢の中の1つという感じですが、とはいえまだまだ現役だと思います。後述する拡張パックも継続的に新作が出ていますしね。

音作りが完成されている

EZ Drummerの画面

EZ Drummer 最大の特徴の1つといえる点が、即使える完成されきったプリセット群にあると思います。

根本的にプリセットを選んでそのまま使うことを前提に設計がされている感じで、プリセットを選べばそれだけでもうドラムの音が完成しています。

ドラムの音作りってけっこう大変じゃないですか。

バスドラムやスネア、ハイハット、タム、各種シンバル類…と、沢山あるパーツをひとつひとつコンプや EQ などで作り込んでいって、アンビエンスなども考慮しつつまとめ上げる…というのは初心者には辛いですよね。

初心者でなくても、社会人 DTMer にとっては時間と労力的にも辛いと思います。

そういう作業を全部すっ飛ばせるというのはメリットが大きいですよね。

その反面として、細かく音作りを追い込む機能は省略されているのと、抜本的な音の傾向は拡張パックに依存する形になっています。

EZ Drummerのミキサー画面

こんな感じで、音作りについては潔くミキサー機能のみとなっています。

ただ、アンビエンスなどもしっかり収録されているので(プリセットにもよりますが)バランスを調整するだけでも意外と追い込めます。

また出来ることが限られている分、設定を確定させるのが早くなりますね。

パターン作りのサポートが充実している

EZ Drummerのブラウザ画面

ドラムの打ち込みって大変じゃないですか。

ある程度ドラムという楽器のことを知っていないと自然な感じに打ち込むこと自体がそもそも困難だったりしますし、打ち込み作業自体も、私はマウスでポチポチとやっているのですが、まあ地味で面倒な作業ですよね。。

更には表情を出すために細かい強弱をベロシティで付けていったり、微妙にタイミングをずらしたり…と、こだわると延々と地味で面倒な作業が続きます。

EZ Drummer ではもちろん自分で打ち込むことも出来ますが、強みとしてパターンライブラリが充実しています。

収録されているパターンを選ぶだけでプロが打ち込んだドラムパターンを使うことが出来るんですよね。

これらのパターンは、DAW にドラッグ&ドロップして使うことも出来ますし、EZ Drummer 内にシーケンサー機能が付いていて、そこにドラッグ&ドロップして組み上げていくことも出来ます。

また、生ドラム系の音源としては珍しく、ステップシーケンサー機能がついています。

EZ Drummerの検索画面

上記イメージの「TAP2FIND」がそれ。

この機能によって、ドラムマシンのように指ドラムでリアルタイムにパターンを打ち込んで重ねていく事が出来ます。マウスのポチポチから解放される機能ですね。

拡張パックが豊富

EZ Drummerの拡張パック

先にも少し触れましたが、EZ Drummer では完成された音作りのプリセットを即戦力で使える反面、抜本的な音の傾向は拡張パックに依存する形になっています。

それもあってか、拡張パックである EZX シリーズの商品展開がめちゃくちゃ充実しているんですよね。

執筆時点で40種類以上の拡張パックが販売されています。各ジャンルやスタイルに特化した拡張パックのラインナップは、もはやショップを見ているだけで楽しいです(笑)

また、ドラムキットの拡張パックだけでなく、パターンライブラリの拡張パックも豊富に販売されています。執筆時点で90種類近く出ていますね。

パターンライブラリの拡張パックは MIDI 形式なので、使おうと思えば他のドラム音源にも使えます。

このような拡張パック戦略は、Addictive Drums 等のライバルにも影響を与えているんだろうなと思う次第です。

また Toontrack の傾向として、メタル系が特に充実しています。調べたらスウェーデンのデベロッパーだったようで、なるほど、という感じ🤘

拡張パックのレビュー記事も書いていますのでこちらも参考にしてください。

まとめ

改めて EZ Drummer って、音作りに関してもパターン作りに関しても即戦力に特化した音源だなと思いました。

音作りや打ち込み作業のハードルが高い初心者にとってフレンドリーであることは勿論のこと、それらに気や時間を取られるのを防いで、作曲のクリエイティブな部分に集中できるというメリットもあるように感じました。

シーケンサーでパターンを組み上げていくエレクトロニックな側面を持っているのも面白いですね。普段エレクトロ系の音楽を作っている方がたまにバンド系のオケを作るのにも良さそうな気がします。

ドラム音源の選択肢も広がってきていますが、EZ Drummer は特化型のコンセプトで競合とうまく差別化出来ているように思いました。リーズナブルなのも良し。

コンセプトに共感できる方には非常におすすめといえます。

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