EZX Rock Solid はモダンラウドにも相性良し【EZ Drummer】【Toontrack】

メタル系ドラム音源の中でも異彩を放つ骨太系ドラム音源、EZX Rock Solid を紹介します。少し古い音源ですが最新のジャンルにも対応できて意外と良いです。

EZX Rock Solidとは

Toontrack 社のドラム音源である EZ Drummer 及び Superioir Drummer 用の拡張パック音源です。EZX シリーズのうちの1製品ですね。

メタリカのブラックアルバムなどを手がけたことで有名な Randy Staub 氏が監修したロック系の音源です。ロックというか、HR/HM という表現の方がしっくり来るかも知れません。そんな感じの音源です。

発売は2012年。私が DTM を始めて間もない頃に新作だったのですが、もうそんなに前になるんですね。

ただ、今も全然使える音ですよ。

なお元ニッケルバックのドラマーによるパターンサンプルが収録されています。

骨太なロックサウンド

HR/HM という表現がしっくり来ると書きましたが、EZX Rock Solid のサウンドはよくあるメタル系の音源とは一線を画した方向性です。

一発入魂といった感じの、ズバァァァンと太く深いサウンドキャラクターになっており、高速連打するよりかは1音のタフさに気持ち良さがあるモダンヘヴィな仕上がりになっています。

よくあるメタル系音源というと、アタックを強調したバチン!と鳴るバスドラムや、高速連打しても1打1打が潰れず明確に聴こえるように全体的にタイトで抜けの良さを重視した音作りであることが多いと思います。

弊サイトでも紹介している同 EZX シリーズの Metal Machine なんかはまさにその典型的な例ですね。これはこれで最高です。

EZX Rock Solid はそういった手数重視、スピード重視のメタル音源ではなく、1音の太さにこだわった強いビートや重いグルーヴを作るのに最適な音源だと思います。

見た目が格好良い

EZX Rock Solidの画面

これが EZX Rock Solid の GUI になりますが、この見た目、カッコよくないですが?個人的はすごく好きです。

…まあそれだけなんですが、それだけでもモチベーションが上がったりクリエイティブの刺激になったりするので良い点だと思っています。

ちなみに各部品をクリックすると音が鳴るのでこの画面で音を確認することが出来ます。また各ドラムパーツは「▼」をクリックして交換することが出来ます。Rock Solid 内にもいくつかの選択肢が収録されているほか、別の EZX に収録されているパーツを読み込むことも可能です。

どんなジャンルに合う?

EZX Rock Solid のような1音入魂の太いロックドラムが合う音楽ってどういったジャンルの音楽になってくるのでしょうか?

まず1つ挙げるならば、グルーヴメタルが挙げられるでしょう。冒頭で名前を出したメタリカのブラックアルバムもグルーヴメタルの名作ですね。

パンテラのバチバチサウンドとは違いますが、重く太いグルーヴがよく合うため、Rock Solid と相性が良いです。

もう1つ挙げたいのが、アリーナロックスタジアムロックと言われる、80年代くらいのメインストリーム、大会場で鳴らされるようなロックサウンドです。ボン・ジョヴィのような感じですね。

Rock Solid のドラムサウンドって適度にリバーブをかけるとズバァァンととても格好良いんですが、80年代のリバーブが効いた8ビート中心の太いロックサウンドが(ややモダンなものの)まさにこれという感じです。

そして個人的にオススメなのは、ポストハードコアニューコアと呼ばれる近年のメインストリーム寄りなモダンラウドロック・メタルです。最近の Bring Me The Horizon や Asking Alexandria、Issues とかその辺ですね。

この界隈も1発が太くて明快なドラムサウンドが好まれ、Rock Solid の太いサウンドと相性が良いです。バスドラムはチャグりに合わせてある程度連打が入ってきますが、この界隈のノリならむしろ相性良しといった感じ。

この辺のポストハードコア系のモダンなドラムサウンドだと、スネアなど主要なパーツはドラムリプレイサーを使って専用に作り込んだ音に差し替えてしまうのが一般的で、JST などメタル系のデベロッパーでもリプレイス用の音源やキットが売られています。

しかし、Rock Solid で打ち込めばそんなことをするまでもなく、ほぼプリセットのまま良い感じなサウンドが手に入ってしまうんですよね。意外な所にダークホースありといわんばかりな感じで楽しいです。

音作りはパラアウト推奨

そんな Rock Solid ですが、EZX シリーズの特徴として詳細な音作りを詰める機能は搭載されていません。

※EZ Drummer で読み込んだ場合です。Superior Drummer で読み込むとまた違うのかも知れませんが、未検証。ただ基本的には EZ Drummer 向けの拡張パックなので同じ仕様な気はします。

搭載されている音作り機能としては、下記のミキサー画面のみとなります。

EZX Rock Solidのミキサー画面

音作りを詰めていきたい場合は、このミキサーの各チャンネルを DAW にパラアウトして、自分でサードパーティのエフェクトを適用していく形になります。

元となる EZ Drummer がプリセットをそのまま使える即戦力系の音源という立ち位置で、プリセットが完成された音である代わりに細かい音作り機能は省略されています。

EZ Drummer 向けの拡張音源である以上、Rock Solid もこの特徴を引き継いでいます。

まとめ

ラウドなバンドサウンドに最適化されたドラム音源の中でも、1発の太さや深さに特化した骨太系音源ということで、発売から時間を経ても独特の存在感があるように感じるのが、EZX Rock Solid です。

発売時期的に狙ってなのかたまたまなのか何とも言えないところですが、最新の流行りのニューコア系ラウドサウンドにもマッチするのが良いですね。

お手軽にそれっぽいサウンドを得られるので、今から買っても全然良いと思います。

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