【7弦ギター音源】Shreddage 3 Jupiter / Rogue / Serpent をまとめて比較レビュー
Impact Soundworks のギター音源、Shreddage 3 シリーズの代表的な7弦ギター3種類、Jupiter / Rogue / Surpent を比較しながらレビューしたいと思います。個人的にこのシリーズはメタル系ギター音源の最高峰だと思いますよ。
Shreddage 3 とは
Impact Soundworks という音源メーカーのギター/ベース音源が Shreddage シリーズです。
Impact Soundworks は色々なソフト音源を取り扱う総合音源メーカーですが、個人的な印象だと Shreddage シリーズが最も有名かなと思います。
Shreddage シリーズは執筆時点の現行が3世代目となるため Shreddage 3 となっています。
初代は6弦のメタルギター音源で、2で7弦ギターやベースが登場し、3以降はエンジン+ライブラリという設計構成になったことで商品展開が増え、色々な種類のギター/ベース音源が発売されるようになりました。現在はメタル向けだけでなくストラトキャスターやセミアコの音源なども出ています。
さて今回紹介する Jupiter / Rouge / Serpent の3機種ですが、これらは Shredadge 2 時代に登場した製品をそれぞれ Shreddage 3 エンジンでアップデートしたものです。
これらは Shreddage シリーズの中核を成す主力製品であり、個人的にメタル向けギター音源の最高峰であると思っています。
Shreddage 3 Jupiter
オリジナルの Shreddage 2 の3世代目バージョンです。
何のギターをモデリングしたかの明記はありませんが、Shreddage シリーズの主軸といえるのがこれでしょう。
Shreddage 2 の頃は、Djent 時代のローチューニングに対応したギター音源の先駆けだったモデルでもありますが、そのような音源が乱立している現在では「7弦ギターど真ん中」な音源だと思います。
Shreddage 3 Rouge
Shreddage 2 IBZ の3世代目バージョンです。
IBZ という文字列から想像がつく通り、Ibanez RG と思われる7弦ギターをモデリングした音源になります。
Rogue という名前は RG から広げたのでしょうかね。
Shreddage 3 Serpent
Shreddage 2 SRP の3世代目バージョンです。
こちらもやはり SRP という文字列から想像がつきますが、PRS の7弦ギターをモデリングした音源になります。
Serpent の名は、SRP から広げたのかな。
Shreddage 3 Jupiter / Rouge / Serpent の特徴と使い方
他の Shreddage シリーズに関してもそうですが、Shreddage 3 エンジンとしてエンジンが共通化されたことで、基本的な使い方やユーザーインターフェースは共通の仕様になっています。
特に Jupiter / Rogue / Serpent の7弦3兄弟は、機能・仕様がほぼ同じなため、違うのは GUI のギターのグラフィックくらいだと思います。
以下は代表して Jupiter の画面を出しますが、メイン画面はこのような感じ。
画面上部にある5つのタブを切り替えて、竿や演奏に関する各種設定をすることが出来るようになっています。
一見すると項目は多く見えますが、意外と出来ることはシンプルで、Electri6ity のように設定沼にハマることはないと思います。個人的にはほぼデフォルトで、ハンドノイズだけOFFって使ってます。
各タブのイメージは公式サイトで確認することが出来ます(ここに貼ると縮尺の都合で滲んでしまうので割愛します)
ちなみにピックアップセレクターは飾りです。シリーズの中には搭載されているものもあるようですが、こやつらはリアしか使えません。
アンプシミュレーター内蔵
Shreddage 3 からはアンプシミュレーターが内蔵されるようになりました。Shreddage 3 エンジンに共通で入っています。
画像の通り GUI はごくシンプルですが、エフェクト、アンプ、キャビネットが最低限揃っており、これだけ買えばアンプの音が鳴らせるようになりました。
音質も最低限ですが、原曲の作曲などの用途であれば十分かも知れません。
奏法のコントロールを細かく設定できる「TACT」
Shreddage 3 エンジンの大きな特徴ともいえる、アーティキュレーション(奏法)の動的なコントロール方法を自由に設定できる「TACT」機能。
サステインやブリッジミュート、チョーキングなどの各奏法について、キースイッチで切り替えるかベロシティで切り替えるか、またベロシティいくつを閾値にするか、ベロシティによる強弱の変化をどのくらいつけるかなど・・・こういった設定を細かく指定できます。
最初は使い方がわからなくて戸惑いましたが、自分が打ち込みをしやすいプリセットを一度作ってしまうと、その後の作業は非常に楽になります。
チューニングはドロップAまで
Shreddage 2 時代はチューニングがドロップGまで対応していたのですが、3ではドロップAまでになっています。
Jupiter / Rogue / Serpent とも下はAまでです。
現在は8弦ギター音源の「Hydra」が出ているので、ローチューニングはそちらに任せるということなのでしょうか…ここはなんか煮え切らないポイントです。
Shreddage 3 Jupiter / Rogue / Serpent の比較レビュー
ということで7弦3兄弟の違いについてです。
先に結論を言うと、違いについては音の質感がやや違うのみ。なので音の好みで選ぶのが正解です。
上述の通り使い方や使い勝手も一緒なので、複数持っていると気軽に音源を差し替えたり出来るのは良いかも知れないですね。平均レベルも高いですし。
ということで音の違いを紹介していきます。
Shreddage 3 Jupiter
3機種の中でも基準となるモデルなためか、最もバランスの良い音です。
腰の据わったガツンとパンチのある音で、上から下までバランス良く鳴ります。かつ僅かに柔らかめ・丸めな感じもあり、ハードコア系のサウンドが好きな自分には非常に好みの音です。
基本的にオリジナルの Shreddage 2 の音質や良いところはそのまま継承されており、かつ不自然だった部分がある程度解消されていて、 Shreddage 2 を気に入っていた身としては良い感じです。
Shreddage 3 Rogue
Ibanez RG と思われる Rogue。Jupiter と基本的なキャラクターは似ていますが、より攻撃的かつ硬質な音像になっています。
Jupiter よりも低域はダークで重厚、中域以上はガツンとブライトな感じです。
モデリングされているギターのイメージ通りともいえますが、全体的にガツッとしていてエクストリームなメタルサウンドが似合うモデルかなと思います。
特にメタリックな音にこだわるならおすすめです。
Shreddage 3 Serpent
紫が格好良いこちらは上記2種と若干毛色が違って、やや軽めの音になっています。
なんだろう、PRS的な上品さもありますが、しかしそれよりもギブソンSGなどに近いような、軽快な感じのハイゲインサウンドが気持ち良い印象を受けます。
音のスピード感もかなりあって、7弦らしからぬハキハキと歯切れの良いキャラクターが特徴的に感じました。そしてジューシー。
一方で、アーティキュレーションの表情付けは若干クセがある感じがするので、使いこむなら Serpent 特有の設定やテクニックが必要になってきそうな感じがします。
まとめ
Shreddage 3 の7弦ギター3兄弟、Jupiter / Rogue / Serpent をまとめて紹介しました。
基本的にはメタル向けのギター音源なので、わかりやすくメタルメタルしている Jupiter か Rogue が基本的には扱いやすいかなと思います。
個人的には、Jupiter が一番好きでした。
一方で Serpent はやや上級者向けな印象です。まあ、それでこそ PRS といったところでしょうか・・・?
しかし3つとも本当によく出来ていて、そろそろギターも打ち込みだけで、ある程度のクオリティのものが作れるかも知れないと感じるようになりました。