【定番ドラム音源】Addictive Drums レビュー【XLN Audio】

バンド系 DTMer がまず買いたいソフト音源がドラム音源です。今回はドラム音源の中でも人気で初心者から上級者までおすすめな Addictive Drums を紹介します。

Addictive Drums とは

スウェーデンのデベロッパー、XLN Audio が開発・販売しているドラム音源です。恐らく同社の主戦力製品です。

現行は2世代目で Addictive Drums 2 ですね。

DTM 界隈では長いこと定番のドラム音源として初心者からプロまで幅広く愛されている印象で、Addictive Drums が使用されていると思われるプロダクトは多く見受けられます。ボカロ界隈とかもの凄く多い印象。

かなり前ですが、「けいおん」というアニメの主題歌が「Addictive Drums の音だ!」と話題になっていたと記憶しています。

Addictive Drums って、比較的安価で初心者ファーストでありながらも、豊富な拡張パックやエディット機能でプロユースにも耐えうるクオリティも担保しているという、「そりゃみんな持ってるよね」と納得させられるプロダクトに感じます。

では早速詳しく掘り下げていきたいと思います。

Addictive Drumsの機能と特徴

豊富なプリセットで初心者でも扱いやすい

Addictive Drumsの画面1

Addictive Drums では、こちらの画像のようにプリセットブラウザから豊富なプリセットを選ぶことが出来ます。

画面右側には所持している拡張パック(ADpaks)が表示され、各パックごとに大体30~40種類程度のプリセットが入っています。

汎用性の高いオーソドックスなものやガッツリ加工をしたプリセットの他、自分で音を追い込めるようにほとんど無加工なセットまで色々と網羅されています。

これらのプリセットから気に入ったものを選ぶだけでも即戦力として十分使えるクオリティになっています。純粋に格好良いセットばかり。プリセットを選んだらあとは鳴らすだけです。

また、フレーズサンプルを収録した MIDIpaks も豊富に展開されており、それらをうまく使えば打ち込みすら不要になる場合もあります。

エディット機能で音作りを追い込める

Addictive Drumsの画面2

Addictive Drums では、プリセットを選んだらそこから更にスネアなどの特定のドラムパーツを変更することも出来ます。

パーツを選ぶ画面は上記のような感じです。好きな人にとってはこういう画面ってなんだかワクワクしますよね。

もちろん選んだプリセットとは違う ADpaks の収録パーツから持ってくることも可能になっていて、組み合わせは自由自在です。

Addictive Drumsの画面3

更に、Addictive Drums にはこのようなエディット画面が備わっていて、各ドラムパーツ毎に詳細に音作りを追い込んでいくことが出来ます。

ドラムの音を追い込んでいく過程では、一度 DAW にパラアウトしてから各種エフェクトを適用して音を作っていく場合も多いと思いますが、Addictive Drums だとソフト内でエフェクトも完結出来てしまいます。

このような機能が備わっているドラム音源自体は多いかも知れませんが、Addictive Drums の場合、価格帯の割にエディット出来る項目やエフェクトの種類が豊富です。

コンプや EQ はもちろん、ピッチやボリュームエンベロープの調整ができたりテープサチュレーションがかけられたりと。リバーブの送り具合やトップとボトムのマイクバランスなどなど、ひと通りの音作りをこの中でやり切れるレベルになっています。

ゴリゴリに追い込むとなると、BFD などのより高価格帯の音源が候補に上がってくるとは思いますが、Addictive Drums はこの価格帯のドラム音源としてはなかなか機能が充実していると思います。

拡張パックが豊富

Addictive Drumsの拡張パック

Addictive Drums は、ガワとなるエンジンと拡張パック(ADpaks)を組み合わせたパッケージ商品です。Amplitube みたいな感じですね。

初回購入時は拡張パック付属のパッケージとして購入することになります。そしてその後は適宜欲しいパックを買い足していくという流れ。

基本パッケージは、Black Velvet、Fairfax vol.1、Fairfax vol.2 の3つの拡張パックが付属する形になっており、これが最もオススメです。

拡張パックは、ジャンルやテーマ毎に分かれた20種類以上の製品が展開されており、大体どんなニーズにも答えられると思います。

バチバチなメタルからジャズ、インディーロック、電子ドラムなどなど揃っています。

またそれぞれ味付けが濃すぎずに各パックをクロスオーバーして使いやすいんですよね。ここも全体的な扱いやすさに寄与していると思います。拡張パックの色が強烈な EZX とは結構方向性が違います。

Addictive Drumsは軽快な音

Addictive Drums の音についてです。

もちろんプリセットや拡張パックにもよるのですが、全体的な方向性として、軽快で抜けの良いカラッとしたサウンドに強みがあると思います。

あっさりしているというか、クドくない方向性でオケとの馴染みが良い感じだと思います。味付けは薄めになりやすいというか。

即戦力系のプリセットが基本的に豊富ですが、プリセットのままでもバランス良くオケを仕上げやすいので、ドラム音源だけ存在感が強すぎて「逆に何だこれは」みたいなことにもなりにくいですね。

深いアンビエンスやリッチなアンビエンスを含んだ濃厚な音、みたいな方向性はちょっと苦手な感じがしますが、軽快なロックサウンドなんかには基本的にハマりやすいと思います。だからこそバンドアレンジの曲で使用率が高いんでしょうね。

Addictive Drumsはバランス型のドラム音源

Addictive Drums の良いところでもあり悪いところでもあるのが、特定のベクトルに特化して強みを持たせた商品ではないという点だと思います。

初心者からプロまで、即戦力からある程度のエディットまで、といった感じにバランス良く汎用性高く誰でも使える感じに設計されている感じがします。拡張パックで各ジャンルに対応できる点も然り。

だからこそ悪く言えば中途半端で没個性と取ることも出来なくはないです。何かに特化したければ他の選択肢が候補に上がってきます。

ただ、言うならば「学校のテストで全科目80点」みたいな感じなので、個人的にはデメリット感は感じないですね。バランス型の器用な優等生といった印象です。

まとめ

ここまで紹介してみて、やはり定番には定番たる理由があるなと感じた次第です。

なんでも高い基準でそつなく対応し、そこそこ低価格でユーザーフレンドリー。特定分野に際立った強さこそないものの、これといった弱点もない感じ。

強いて言うなら、軽快なロックサウンドが簡単に得られて CPU 負荷が優しめなのは強みでしょうが、この「何でも高水準で器用にこなせる」感こそが Addictive Drums 最強の強みなのだろうと思います。

誰が持っていても役に立つし、誰が使っても格好良いドラムが鳴らせる。これは確かに定番の人気音源になりますね。色んなショップに売っていて入手性も◎。

ドラム音源、何を買えば良いか迷ったらまずは Addictive Drums を候補に入れておけば間違いないでしょう。

商品情報

▼Black Velvet、Fairfax vol.1、Fairfax vol.2 が付属する基本セットはこちら

▼Metal、Fairfax vol.1、Studio Rock が付属 Rock & Metal Edition はこちら🤘

▼好きな拡張パックを3つ選べる Custom はこちら