【位相衝突】トラックを重ねる際は位相に注意!【解決方法】

DTM に慣れないうちは認識し難いのですが、ギターなどを重ねると位相衝突で音がおかしくなったり消えたりする事があります。なんか変だと思いつつもそのままにしてしまっているケースも多いのではないかと思い、今回は位相衝突とその解決方法について紹介します。

DTMにおける位相の話

今回は、ミキシング時に波形の位相衝突によって不具合が発生する、という話をします。

例えばバンドものの楽曲を DTM で作っているとギターを重ねて左右に配置することが多いと思いますが、その際は特に位相による不具合が表れやすいと思います。

そういう時って概ね同じ音像に同じフレーズですから、波形が被りやすいんですよね。

もちろん位相問題はギターだけの話ではありませんが、今回はわかりやすいのでややギターに焦点を当ててお話しをさせて頂きます。

位相が衝突すると何が起こるのか

音や音声データが波形で出来ているということは、DTM をやっている方ならご存知の通りかと思います。

例えば下記のような波形があるとします。

シンプルな波形

これが例えば下記のように重なったとします。

波形が位相衝突を起こしている図

そうすると打ち消し合って消えてしまうんです。

あるトラックを複製して位相反転したものと元のトラックを同時に鳴らすと音が消えるので試してみてください。

これが位相衝突の大まかなイメージになります。

ギターの波形は上記のイメージよりももう少し複雑な形をしていて、衝突の仕方ももっと複雑になります。それによって以下のような不具合が発生する場合があります。

  • 変なうねりが発生する
  • 変なフランジャーがかかったみたいになる
  • 特定部分で音が小さくなる、籠る、すっぽ抜ける

トラックを重ねる際に位相衝突を回避しないと、このような不具合が発生して狙った通りの音が鳴らないということは念頭に入れておきましょう。

位相衝突の解決方法

ではどうすれば位相衝突問題を対策することが出来るのでしょうか。

考え方としては波形の重なりが互いを打ち消し合わないようにすれば良いのですが、具体的な方法は下記です。

タイミングをずらす

上記のように重なり方が悪いと衝突してしまうわけなので、片方のトラックを遅らせるなどしてタイミングをずらすことによって解消することが出来ます。

ただしやり過ぎると、当然ですがディレイが掛かったみたいになったり、曲の雰囲気が変わってしまうことがありますので注意が必要です。

また、それなりの根気と慣れた耳が必要ですね。気合と根性で手作業するパターン。

プラグインを使う

この便利な世の中ですから、位相補正プラグインというものが存在します。

Melda Production の MAutoAlign や、Sound Radix の Pi(ファイ)などが有名なのかなと思います。

私は MAutoAlign をセールの際に購入して以来愛用しています。使い方も簡単で、調整したいトラック同士をグループ設定して Analyze ボタンを押すだけ。

MAutoAlign かなり最高で、これだけで位相問題ほぼオッケーな感じですが、それでもたまに完璧に補正しきれない場合もあるので、その場合は気合と根性を併用しています…。

Pi とかだとそれなりにお値段も張るのでもっと高機能高性能なのかなと少し気になってはいます。動画見る限りだとむっちゃ良さそう。

MAutoAlign は頻繁にセールもやっているので、タイミングが良ければ3000円くらいで買えます。それで位相問題が8割がた解決できるのでやはり最高です。

詳しいレビューはこちら。

商品情報

MeldaProduction MAutoAlign

DTMの位相衝突まとめ

位相問題を解決するためには、金(プラグイン)か気合い(自分で調整する)かという話になりましたね(笑)

なんにしても、位相衝突によって音が劣化している現象に気付けるかどうかが最も重要になるでしょう。

位相が衝突すると何が起こって、どういう音になるのかというのを知っておけば、ギターや他のミキシングがしっくりこない時に位相問題を疑うことが出来るようになります。

私自身も DTM を始めて暫くはそこに気づけなかったので、気付けるようになるというだけでも大きな進歩だと思います。

位相に関しては、正直なところあまり言及されることの多くないテーマだとは思いますが、これを対策するとしないとでは曲の仕上がりがかなり違ってくるので実は結構大事な話だと思います。

本記事を最後まで読んでくださった方が今後位相問題に気付けるようになれば幸いです。