ブレイクダウンの開始に入る「ドゥーン」の正体【メタルコア】

こんにちは。Lostmortal@DTMブログ (@lostmortalmusic) です。

メタルコアやハードコア系の曲のブレイクダウン・モッシュパートの入りに「ドゥーン」「ドカーン」といった低音が入ることがあります。かつて流行ったこれの正体や作り方について解説したいと思います。

もうトレンドは過ぎてしまいましたが、2020年現在も時々見かけますね。

何それ?

まずこちらをご覧ください(2:01秒)

Youtube 音質だと分かりにくいので少し極端なものを選びましたが、ブレイクダウンパートの入りの部分に「ドカーン」「ドゥーン」「ドーン」といった感じの音が入っていることが分かると思います。

この音のことです。

2000年代後半くらいから登場しだして2010年代前半に界隈のトレンドとなったこの「ドゥーン」、私自身も当時やっていたバンドのメンバー間で、「この音どうなってんだ?」という話をしていたのを覚えています。

DTM を始めてからもしばらく、この音の正体を見つける事に苦心していました(笑)

Yahoo!知恵袋にあった質問

たまたまネットサーフィンをしていて見つけたのですが、Yahoo!知恵袋にこの話題の質問があったんですよ。2014年と古いですが、コアアップデートで古い記事が上がってきたのでしょうか(皮肉

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13121885588

最近DTMを始めた者です。
よくMETALCOREやHARDCOREのブレイクダウンに入ると同時に、ものすごく低い音のドーン!みたいなドゥーン!みたいな音が良く入っているのですが、あれは作り方があったり
またそのようなソフトがあるのでしょうか?
pro tools10を使っています。
わかる方教えて頂けたら嬉しいです。

これに対する回答が以下。

どの程度の迫力を求めてるかわかりませんが
バスドラの音にリバーブかけたら「どうぉーん」というかんじになります。
DTMでは「低音」のあつかいに工夫が必要です。
大きな音圧や重たい低音がほしいですが低音は大きくなるとバスの中を占領してしまいミドル以上の音を消し気味にぼやかせます。
リバーブかけて低音を少しずつ毛津ってたらいい感じになると思います。
迫力不足の場合はこれにショートディレイつかいます。ディレイを0,3秒周期とか短く使うだけです。
この「ドおーん」な音の前に「ちゅっ」となる音を付け足して「ちゅどーん」に仕上げます。まだ迫力足りない場合はアンプとかディストーションとか使ってみます。
1発で出来なくても一回これで録音してサンプラーとかに入れて保存しておいて使うときにさらになんかエフェクターかけることもできます。

CDとかで聞く音はだいたいこのような加工を繰り返して出せるものです。
ソフトというかサンプリングCDとかで上手な人がシミュレーションしたものなど売ってますがこれらは将来(数ヶ月以内)にぼったくられてることに気づくことでしょう。たぶん下手くそなバイトにミックスさせてます。

携帯電話とかで録音した音をDAWに読み込んで加工する手法も一般的です。
ワンショット録音には専門の機材よりはスマホが超便利です。
仕事中とかでも面白い音見つけたら録音しておいてDAWでグチャグチャに加工します。ww

どういうわけか質問者は納得したようですが、回答者が質問の意図を理解しておらず、全く論点のずれた回答になってしまっています。バスドラムの音作りの話ではないでしょう。

もう古いエントリーだしそれ自体は良いとしても、今更でも正しい情報を WEB 上に残しておきたくなった次第…。

「ドゥーン」の正体

ブレイクダウンの頭に入れるこの「ドゥーン」という音の正体は、シンセサイザーで作った音になります。

シンセで、ベースドロップ等といわれる類の音を作ってオケに重ねるんです。

DTM であれば、作ったベースドロップ音を DAW に貼り付けるだけです。ライブでやる時は、電子ドラムパッドに作った音を入れてドラマーが鳴らします。

つまり、いわゆるバンドサウンド(ギター・ベース・ドラム)の範疇でいくら音作りを頑張ったところで作れる音ではないんですね。

「ドゥーン」の作り方

ドゥーンの正体が分かったところで、では具体的にどうやってこの音を作るのか?

シンセに詳しい方であれば特に説明は不要かと思いますが、ここがまたバンドマン畑の DTMer にとっては大きな壁だったりすると思います。私もかつて随分と四苦八苦した記憶がありますね^^;

簡単な作り方としては、ソフトシンセのサブベース系の音色に対して、DAW のオートメーションでピッチベンドを掛けてやる方法です。ベンドは徐々に下げる形ですね。これで書き出してやればOK。

ソフトシンセ内でピッチベンドも含めた音色を作りきれるならそれでも良いですが、まあシンセ素人には難しいです。ですが DAW のオートメーションと組み合わせれば、シンセ側では適当なプリセットを選ぶだけで大丈夫なので比較的やりやすいと思います。

何のソフトシンセを使うかは、特に何でも良いと思います。強力なベース音に強みがあるシンセとしては Native Instruments の Massive があり、当時は Dubstep などが流行っていたこともありよく使われていたと思います。

ただ1つ難しい点を挙げるならば、ブレイクダウンのオケに格好良く馴染む音色の選定って意外と難しいです。自分で音を作るにしろ、プリセットを選んでピッチベンドを掛けるにしろ、オケに混ぜてみるとしっくりこないことも多く、格好良い「ドゥーン」は一夜にしてならず。

…と思いきや、実は簡単にそれっぽい「ドゥーン」を作成できるプラグインがあります。

それが、JSTSub Destroyer というソフトシンセです。

サブベースに特化したソフトシンセという体で EDM などにも最適です、という感じで販売されていますが、その本質は「ドゥーン生成マシン」です(笑)

JST って、代表がメタルコア系のプロデューサーなので、(EDM 方面をカバーして汎用性をもたせつつも)こういうニッチな需要にもしっかり答えてくれています。ありがたみ。

私が作った「ドゥーン」

私がかつて作った「ドゥーン」音を数パターン、効果音素材としてオーディオストックで販売しています。

詳細な作成レシピは忘れてしまったのですが(引越し時に元データを紛失してしまった…)、どれも Massive をメインに使用して作った記憶があります。細かい調整の手は色々と込んで居たと思います。

ブレイクダウンの頭に使われているのかは定かではありませんが(笑)、ときどき売れていてありがたいです。

載せておきますね。

まとめ

いかがでしょうか。というか「ドゥーン」ってなんか良い名前ないですかね…笑

もう正直、旬を過ぎてしまった話題であるとは思いますが、とはいえ現在も手法の1つとして根付いているものだとも思います。

メタルコア、デスコア、メタリックハードコアなど、いわゆる「コア系」と呼ばれるスタイルのバンドサウンドを作る方はぜひご認識のほどを。