【位相補正】Melda Production「MAutoAlign」レビュー【挿すだけ】
Melda Production の MAutoAlign を使用すれば位相補正が簡単に出来ます。ミックス時の位相衝突によってサウンドクオリティが低下する…そんな厄介な問題をサクッと解決できるプラグインです。
位相衝突は由々しき問題
ミックスの際に各トラックの波形の合わさり方が悪いと、音を打ち消し合う作用が発生してしまい、不快なフランジングや音が消える等といった問題が発生します。
これがいわゆる位相衝突で、サウンドクオリティが大きく低下する由々しき問題です。
特にバンド系の曲ではギターを重ねて左右に配置することが多いと思いますが、この時に頻発する問題だったりするので、個人的には目を瞑る訳にもいかないやつ。
位相衝突の詳しい話については下記の記事に書いていますのでこちらも参考にして頂ければと思います。
自力で解決するのは大変
位相衝突を自力で解消するのって凄く大変です。
タイミングを少しづつずらして様子を見て…という作業を、しっくり来るまで延々と行うことになります。
時間も掛かりますし、何よりやっていて楽しい作業ではないですね…。
その上、細かい部分は耳が肥えてこないと正直判断が難しいですし、ただでさえチマチマ調整して確認する作業をずっと繰り返している中でだんだんワケが分からなくなってくるので尚更。
そこで登場するのが魔法のプラグイン、 MAutoAlign です。
MAutoAlignで位相衝突をサクッと解決
手動で解決しようとすると死ぬほど面倒臭い位相衝突ですが、MAutoAlign を使えばあっという間に解決できてしまうんです。
使い方も至って簡単で、まるで魔法のプラグインです。
以下、左右に振ったギターの位相衝突を解消したい時を例に、使い方をご紹介します。
使い方
位相の衝突を解消したいトラックそれぞれに MAutoAlign をインサートします。ここではギターの左右ですね。
そして MAutoAlign を立ち上げると下記の UI が登場します。(古いスキンですが機能は一緒です)
ここでやることは、画面上の方の、「Group」を衝突解消したいトラック同士、同じものに設定します。ここではグループ名「Guitar」を双方のトラックに設定してあります。
そして、曲を再生しながら、どちらか一方の「ANALYSE」ボタンを押します。
そうすると解析が走った後、下記の画面下部の数値が適宜変化します。
この数値は解析した上で波形のタイミング等を最適化してくれた結果の値で、いくつか項目があることからも分かる通りいろんな形の衝突を解決してくれていますが、まあ自動でやってくれているので細かく気にしなくてOKです。かくいう私もよく分かっていませんが、得られる結果の品質には満足しているので良しという感じ。
たったこれだの作業で、位相衝突の解決が完了します。素晴らしいですね。
(※キャプチャは ver12.05 ですが、執筆時点の最新は ver13.05 のようです。)
効果は大きい
あまりにもサクッと対応出来てしまうのでクオリティもそれなりなのでは…と思うかも知れません。
結論から言うと、そのような心配は無用で、結構ちゃんとしています。
自分でやってみた感じですが、少なくとも素人が手動でチマチマ位相補正するよりは全然良い感じの仕上がりになります。
もちろん機械なので100%完璧に解決してくれるわけでは必ずしもありませんが、しっくり来ない時は解析時の再生ポイントを変えてみると若干違う結果が得られる場合があるので、再生ポイントを変えて何回か試してみると良いと思います。
まとめ
MAutoAlign を使用すると、知識不要の簡単操作で位相問題があっという間に解決できてしまいます。
繰り返しになりますが、位相衝突の問題は、特にバンドモノでギターを重ねるときなどは高確率で発生し、サウンドクオリティも下がるためなかなか避けて通れない問題です。
その上、それを手動で解決するのはかなり面倒かつ、ある程度の知見(エンジニア的な耳)が必要になってきます。
初心者のうちは位相衝突自体に気づかなかったりするんですが、それでも衝突がおきていれば確実にサウンドクオリティは下がっています。
そんなわけで DTM がつまらなくなる原因にもなり得る厄介な存在の位相問題ですが、それを救う救世主が MAutoAlign といえるでしょう。
なので、この MAutoAlign は割と問答無用で買っておいても良いレベルのプラグインですね。
買えるのは海外通販のみになりますが、この内容にしてお値段も6000円程度とリーズナブルですし、Melda Production は小まめに半額セールをやっていたりもするので、セールを狙って買ってみても良いと思います。