Audiority XenoVerb という便利リバーブ【レビュー】

Audiority 社の XenoVerb というリバーブプラグインをレビューしたいと思います。珍しい Shimmer を搭載していて安価だったので勢いで買ったものの暫く寝かせていたのですが、使ってみたら汎用的に使いやすいリバーブでした。

XenoVerb とは

XenoVerb は、プラグインエフェクトやサンプルパックなどを手掛ける Audiority 社が開発・販売しているリバーブプラグインです。

Audiority 社は他にも Omnisphere 用のプリセットパックやアンプシミュレーター系も取り扱っており守備範囲が広いデベロッパーという印象です。

そんな Audiority 社のリバーブプラグインということだからか、XenoVerb も汎用的に使える守備範囲の広いリバーブという感じで、10種類のアルゴリズムと250種類のプリセットが搭載されています。

以下に詳しく書いていきます。個人的には Shimmer が欲しくて購入しました。

10種類のアルゴリズムを搭載

XenoVerbは、比較的安価なリバーブプラグインでありながら10種類の異なるアルゴリズムを搭載しており使い分けることが出来ます。

以下、公式のグーグル翻訳ベースですが、10種類についての概要です。

ROOM:小さなスタジオから大きなダンスクラブに至るまで、クラシックな環境を作成するのに役立つ柔軟なルームアルゴリズム。

HALL:小さなコンサート会場から巨大な峡谷まで、クラシックでありながら用途の広いホールリバーブ。

PLATE 1: 70年代後半のハードウェアプロセッサに見られるクラシックプレートアルゴリズムの簡易バージョン。

PLATE 2: 70年代後半のハードウェアプロセッサに見られるクラシックプレートアルゴリズムの拡張バージョン。非常に滑らかで、ボーカル、ドラム、パッドに最適。

SPRINGY:完全にアルゴリズム化されたスプリングタンクリバーブ。ギターに最適で、シンセやパーカッションに輝きを与えます。

GLASS(FDN):モダンで非常に拡散性のある透明なリバーブ。この汎用性の高いアルゴリズムはあらゆるマテリアルで使用でき、小さなアンビエンスから広大なスペースまで対応。

FLOW: 90年代のハードウェアプロセッサーをベースにした、豊かで滑らかな、非常に拡散性のあるクリエイティブなリバーブ。パッド、ギター、ボイス、クリエイティブなサウンドデザインに最適。

SHIMMER:フィードバックループにデュアルピッチシフターを備えたスムーズなリバーブは、進化する調和のとれたサウンドスケープを作成します。

BODE:リバーブフィードバックループに周波数シフターを配​​置することにより作成された、奇妙なサウンドデザイン指向のアルゴリズム。金属の共鳴とドローンを作成するのに便利。

FORMANT:リバーブタンクの前にフォルマントフィルターを備えたクリエイティブなリバーブアルゴリズム。

上から、ROOM~SPRINGY までは定番のクラシックなリバーブ、GLASS は汎用的に使える感じ、それ以下は変化球や飛び道具系といった感じです。

私が欲しかった SHIMMER は、上の説明だとよく分かりませんが、残響音にオクターブなどのハーモニーを加えてキラキラした幻想的なアンビエンスを作ることが出来るアルゴリズムです。これが搭載されているプラグインリバーブって限られているんですよね。

これらのアルゴリズムに対して、更にそれぞれ10~30個程度のプリセットが用意されています。プリセットだけでもなかなか豊富な選択肢があります。

滑らかでスッキリしている

色々と XenoVerb のプリセットを中心に使ってみた印象ですが、全体的に滑らかでスッキリしたサウンドキャラクターという印象を持ちました。

滑らかで美しいのですが、濃厚・濃密な感じというよりは味付けはややサッパリめ、飛び道具系もクリエイティブリバーブと言われるものにありがちな別世界に飛んでいってしまうような極端な感じではないです(勿論やろうと思えば出来ますが)。

Waves のような化学調味料でわかりやすく味付けしたかのような感じともまた違ってややナチュラル方向かなと思います。かといって PhoenixVerb のような超ナチュラル・サッパリ系というわけでもなく、無難な感じに収まっているかなと思います。

全体的にサラッと綺麗に響く感じですが、滑らかさでいうと GLASS と PLATE 2 のアルゴリズムは特に美しいと感じました。

期待していた SHIMMER は、アルゴリズム中でも結構あっさりめな印象で個人的にはもっとギラギラ濃密でも良いかなと感じました。まあ頑張れば濃密な方向にも出来なくはなさそうなので、音作りをもう少し研究したいと思います。

シンプルな操作性

GUI やパラメーターは非常にシンプルかつ必要なものは綺麗に揃っており、特に語る部分もないくらい、うまい具合に完成されていると思います。

強いて言うなら、ツマミの項目はアルゴリズム毎に少し変わり、各アルゴリズムに最適化されてパラメーターが出てきます。

わかりやすく扱いやすいってとても大事。シンプルイズベストですね。

また、どことなくストンプエフェクターを思わせるデザインも良い感じだし、涼し気な色合いも良い感じです。

まとめ

クラシックな定番リバーブや珍しい Shimmer ほか飛び道具系のアルゴリズムなどが揃っていて汎用的に使えるリバーブです。

音は滑らかかつスッキリしており、強い味付けはなく無難な感じで、やはり幅広く使っていきやすいかなと思います。突き抜けた優位性こそ無いものの、痒いところに手が届く感じで1つ持っておいて損はないプラグインですね。

個人的には完全に Shimmer でアンビエントを作る目的で購入しましたが、使い勝手も音も汎用性が高いので、引き出しが足りない部分の穴埋めとしても活躍しそうな予感です。

元々価格は高くないですが時々ガツッとセールをやっていたりもするので、気になったらそんな時にでも是非検討してみてください。

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