【Neural DSP】Fortin Cali Suite レビュー

Neural DSP の Fortin Cali Suite について書いていきたいと思います。初稿から時間が経っているので、現在の目線でどうかという点も含めて加筆修正しています。
Fortin Cali Suite とは
Neural DSP が2020年5月に発売したアンプシミュレーターです。
Fortin Amplification という、モダンメタル系のブティックアンプメーカーのモデリング。発売は2020年5月。今では Fortin もろともすっかり有名になったような気がしますが、発売当時は謎のブティックアンプのモデリングに戸惑いつつもワクワクしたのを覚えています。
Fortin Cali Suite の特徴と使い方
ソフトウェアとしての基本的な仕様やパッケージングは、Fortin NTS Suite など他の Neural DSP 製品と共通のUIになっています。
ペダル、アンプ、キャビネットの3つのセクションに分かれており、プラグイン内で音作りが完結できるようになっています。

ペダルセクションです。ノイズゲートの Zuul、オーバードライブの Hexdrive、ギョリギョリな音になるブースターの Grind という3種類のペダルを扱うことが出来ます。これらも当時はナニコレ?でしたが今ではすっかり定番のペダルな印象。ノイズゲートは共通UIにもありますが少し効き方が違います。

アンプは3チャンネル仕様で、ヴィンテージなクリーン、ブリティッシュなクランチ、ハイゲインを扱えます。チャンネルは GUI 下部で切り替える仕様。
アンプのつまみは一般的なものですが、ゲインは2種類を混ぜる仕様になっています。また音色の切り替えスイッチが4種類+ベースのつまみとプッシュ/プルできる仕様があってこれらでかなりキャラクターが変わります。
スイッチの詳細は公式サイトに説明があります。
キャビネットセクション。こちらも他の NDSP 製品と共通の UI でマイキングが調整できます。
扱いは難しいがポテンシャルは高い
例によってハイゲインにフォーカスした感想になりますが…
ゴリゴリのモダンメタルに特化した印象の強いFortinの中ではブリティッシュ寄りのキャラクターを持つアンプで、モダンメタルに限らず汎用的に使っていける雰囲気です。
といっても Marshall とも Orange とも似つかない別の選択肢といった感じではありますが、マニアなら EL34 系の雰囲気は分かると思います。現代定番の 5150の相方としても活きてくるキャラクターだとは思います。
デフォルトの状態ではシズル感強めの攻撃的な音ですが、標準キャビネットの影響が大きい気がします。IRを変えると結構キャラクターが変わる印象です。
音作りは難しい
スイッチ類がたくさんあり、キャビで結構キャラクターが変わるのもあり、セッティングを詰めることで幅広く様々なトーンを作り出せることが魅力の製品でもあるのですが、
裏を返せば音作りが難しい。色々キャラクターを変えられる分、これというセッティングになかなか辿り着けない感じはありますね。自分が音作り下手なだけかも知れませんが。。
デフォルトで鳴らしたときの印象の Fortin Cali っぽい音は標準キャビの影響が大きそうなので、「あの感じ」が気に入ったらデフォルトやプリセットベースで使うのが安牌かもしれません。
NDSP系にある程度共通して言えることではありますが、なんだかんだで標準キャビ込みで作りこまれた音っぽさがあり、IRを変えると未整理感が出ます。そこから自分で作りこんでいければ強いですが。
正直迷いやすくて難易度高いとは感じるもののポテンシャルは高いです。
まとめ
Fortin Cali Suite は、私の印象では扱える音色の幅が広く守備範囲が広いですが、音作りを詰めるのは少し難しいです。
ただし、今でもメタル系の製作/ミキシング系の動画でよく見かける程度にはポテンシャルが高い製品です。
「X」化されるのかは現時点では分かりませんが、されたらQCで使用するユーザーはそれなりに出てきそうですね。