初音ミクNTの正式版が出ました【レビュー】

こんにちは。Lostmortal@DTMブログ (@lostmortalmusic) です。

VOCALOID じゃない初音ミク、「初音ミク NT」の正式版が遂に発売されました。らしさを保ったままより自然になった初音ミクをようやく自分の楽曲に使用することが出来ますね。

初音ミクNT とは

「初音ミクNT」は、ボーカル音源、初音ミクの5世代目製品になります。

「NT」は「ニュータイプ」の略とのこと。

4世代目の「初音ミクV4X」が2016年の発売なので、実に4年ぶりの新作ということになりますね。

といっても発表は前々からされていましたが、延期に次ぐ延期を経てようやく2020年11月27日に正式発売となりました。(もはや買ったことをすっかり忘れていましたが…)

初音ミクNT 最大の特徴は、VOCALOID から独立したことでしょう。

VOCALOID とはそもそも YAMAHA の音声合成エンジンで、従来の初音ミクはそのライブラリの一つとして存在していました。

しかし、初音ミクNT は VOCALOID のライブラリではなく、音声合成エンジンごとクリプトン・フューチャー・メディアの独自開発となっています。

VOCALOID5 が出てからも初音ミクV5が出なかったのはそういう事、というわけです。

(以前からアナウンスされていたので特に目新しい情報ではないですけどね)

ということで、脱サラしてフリーランスになった(?)ミクさんの仕事ぶりを見ていきたいと思います。

どうでも良いですが、初音ミクって2007年に17歳でデビューしたので、生きてたら2020年で30歳です。そう考えると何となく独立がリアルに感じます。

初音ミクNTになって何が変わったのか

結局、VOCALOID から独立したことで何が変わったの?というのが一番気になる点ではないでしょうか?

主な特徴としては以下かと思います。

  • Piapro Studio に一本化
  • より自然な歌声になった
  • 調声の幅が大きく広がった

それぞれ見ていきましょう。

なお、発売前に予約ユーザー向けに公開されたプロトタイプ版のレビューでも言及していますのでこちらも合わせてどうぞ。

Piapro Studio に一本化

VOCALOID でなくなったので当然ですが、VOCALOID Editor は使えません。

クリプトン・フューチャー・メディアが提供している Piapro Studio にエディタが一本化されています。

なお Piapro Studio の方も、Piapro Studio NT にリニューアルしており、従来の Piapro Studio との互換性はありません。

従来品はあくまで VOCALOID ライブラリを読み込むものでしたから、その中身は全く別物なんでしょうね。

といっても、基本的な使い勝手は従来品と大きく違わないのでありがたいです。スムーズに移行できます。

とりあえず打ち込んだ音の波形が下に表示されるようになったのが良い感じです。

より自然な歌声になった

これは先代から順当に進化している部分といえるかも知れませんが、世代を追うごとに歌声が自然になっていっていると思います。

以下軽く打ち込んで書き出してみました。完全にベタ打ちですが、VOCALOID2 時代のような繋ぎ目の変な感じとかは殆どなくなっていますよね。

公式のデモンストレーション(冒頭に貼ったもの)も、多分そのへんをアピールしたいような選曲なんだと思います。

調声の幅が大きく広がった

結局のところ、独立した理由の主たる分がここなのかなと思っています。

初音ミクって当初は VOCALOID ブランドによる機械音声らしさが評価されていた部分があったと思いますが、時を経ていくうちに色々な用途・色々な声を求められるようになっていったように思います。

そこで、クリプトン的には VOCALOID の中でやるよりは初音ミクは初音ミクとして独立してしまった方が良いのではないかという判断に至ったのでしょう。

それを裏付けるかのように、初音ミクNT(Piapro Studio NT)では調声に関するパラメーターが結構増えています。

公式に新開発として謳われているものが下記です。

  • Voice Drive:ダミ声やデスボイス(!)が作れる
  • Note Gain:ノート毎のゲイン調整
  • Super Formant Shifter:フォルマント
  • Direct Pitch Edit:ピッチカーブを細かく編集できる
  • Voice Color / Voice Voltage:声色や張り具合の調製
  • Dynamics & Attack Speed Control:子音の長さや発音のスピード感を調節

これらを駆使して、かなり細く設定を追い込んでいくことが可能になっていて、かなり歌わせたい通りに歌わせることができるようになったと思います。

逆に従来の「ボカロ感」みたいな部分を出したければベタ打ちに近い感じにすればOKですし、引き出しが広がるのは良いことです。

特に注目は Voice Drive(デスボイス公式実装)

個人的に特に注目したいのはやはり Voice Drive です。

ダミ声やガナリ声の表現が可能になったことに加え、まさかのデスボイス公式実装(笑)

プロトタイプ版の時点でも出ていたものの、ネタの可能性も捨てきれない…などと思っていましたが、この通り正式に実装されています。

Rough Voice がガナリ声系、Pop Growl がダミ声系、Growl 以下がデスボイス系です。下に行くほど強烈になります。

Growl, Grunt, Guttural はマジで草。

とりあえずガテラルで歌わせてみるとこんな感じです。

かつての VOCALOID2,3 時代に一部の強者がやっていたデス声ミクが元ネタかと思いますが、さすがに公式実装だけあって少しクオリティは上がっているかな…という気も。

とはいえただのノイズ感も否めないですが、プロトタイプ版の時よりも心なしか良くなっているかも…?

まとめ

ということで今回はここまでです。

というのも、開発の遅れはまだ続いており、筆者が主な使用用途と見据えていた Dark ライブラリは執筆現在未実装なのです。

余談ですが、Lostmortal の楽曲でクリーンボーカルが乗っているものは初音ミク Dark を使用しています。引き続きそれをやりたい。

拡張ライブラリが実装されて、それで曲を作ってみて、なにか発見があれば追記しようと思います。

とりあえずここまでをまとめると、調声の幅がかなり広がっておいて、かつ素の状態での自然さも進化している印象なので、初音ミクユーザーの方は NT に乗り換える価値は十分ありそうです。

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