【無料】Emissaryは強力なメタル系アンプシミュレーター【レビュー】
Ignite Amps の Emissary というギターアンプシミュレーターが凄く良いです。無料でありながらメタル系では最高の選択肢の1つになってくる可能性があるので、詳しく紹介したいと思います。
Emissary とは
Emissary は、Ignite Amps というデベロッパーが開発している無料のギターアンプシミュレータープラグインです。
Ignite Amps では他にもアンプやエフェクター系の VST プラグインをいくつか出していますが、中でも有名なのがこの Emissary ではないかと思います。
現在は STL Tones とのダブルネームになり、取り扱いは STL Tones になっています。
また、公式サイトを見る限り Emissary ってどうやら実機も存在している模様。イタリア製のブティックアンプという事のようなので、プラグインは無料ですが実機は高級機種っぽいですね。
そのためか最近は STL ToneHub のプリセットや STL AmpHub のアンプモデルとしても登場しています。
Emissary の特徴と使い方
商品の概要を紹介したところで、続いて Emissary とはどんなアンプなのかを紹介していきたいと思います。下記が GUI です。
6本の真空管が輝き、前面が赤く光る感じのイカツめのデザインが格好良いですね。
この見た目からも想像がつく通り、Emissary はメタル特化系と言ってしまって過言ではない完全なモダンハイゲイン系のアンプになります。
チャンネルは2チャンネル仕様となっており、メタル系のハイゲインチャンネルと、クリアなクリーンチャンネルが搭載されており、それぞれ独立してセッティングが可能です。
そしてなんと裏面 GUI もあり、パワーアンプ部分の真空管を選ぶことが出来ます。
真空管は EL34 / 6L6GC / KT88 / OFF から選べ、OFF 以外は BIAS 値の調整も可能となっています。OFF はソリッドステートですかね。
フリーなので簡素な仕様と思いきや、このあたりはアンプ愛を感じるマニアックさが好印象です。好きな人以外はあまり触ることはないかも知れませんが。
また、両面とも実機の UI を模しているためか、GUI 上存在しているけど使えないパラメータもあります(SEND / RETURN 等)。
その他プラグインならではの特徴としては、プリセット機能とオーバーサンプリング機能が搭載されています。アウトプットはステレオ / モノラルが選択可能です。
Emissary の音について
音のクオリティはお世辞抜きにメチャクチャ良いです。
これ本当に無料で良いんですか?っていうレベル。
音の方向性は上述で少し触れた通り、典型的なモダンハイゲイン系になります。
チャンネルはクリーンとリード(ハイゲイン)の2チャンネル仕様です。
リードチャンネルは、ユーロ系の密度が濃い端正なハイゲインといった印象で、キメが細かくも骨太で芯のある感じです。
クセは少なく、ツマミはフルフラットでもかなり良い感じなのですが、ややドンシャリ気味に作ると最高ですね。
私が BIAS AMP で気合いを入れて自作したアンプモデルと同等レベルの音を出してきますね。。悔しいけど凄いです。。
クリーンチャンネルは、こちらもモダンハイゲイン系アンプのクリーンチャンネルにありがちな、所謂「クリスタルクリーン」といわれるようなパキッとした透明感のあるクリーンサウンドです。
面白みこそないですがクリアな音は用途次第では全然使えると思います。Emissary にクリーンを求める人がどれだけいるかはわかりませんが…。
オーバーサンプリング機能もありますが、CPU 負荷はやや大きめです。
アンプヘッド単体なのにも関わらず BIAS AMP や Amplitube よりも重いです。ただしそれだけ良い音(かつ無料)ということですけどね。
キャビネット部分は別途用意が必要
素晴らしい音をしている Emissary ですが、記事冒頭で言及した通り、プラグインとしてはアンプヘッドの部分のみとなります。
つまり、キャビネットシミュレーターは付いていません。
なので、キャビ部分に関しては別途 IR Loader 及び IR を使用する必要があります。
現在はダウンロードすると同社の IR Loarder である NadIR がセットで付いてくるのでそれを使用すれば OK ですが、Emissary プラグイン単体では音作りが完結しない事は念頭に入れておきましょう。
まとめ
ということで、非常にクオリティの高いアンプシミュレーター、Emissary を紹介させていただきました。
もちろん BIAS AMP 等の有料の製品のようにパッケージとして完結しているわけでも、機能が色々あるわけでもありませんが、Emissary + 付属IRだけで、お金をかけずに結構ちゃんとしたものが作れます。
というか、好みや用途によっては有料のアンプシミュレーターを差し置いて積極的な選択肢に入ってくると思います。
メタル系 DTMer 必見のアンプシミュレーターと言えるでしょう。
商品情報
プラグインの入手方法は、STL Tones の公式サイトから「0円で購入」する形になります。Ignite Amps からアクセスしても STL Tones に飛ばされます。