【Neural DSP】Soldano SLO-100X レビュー

Neural DSP のアンプシミュレーター「Soldano SLO-100X」について語ります。
Soldano SLO-100X (Neural DSP) とは
Neural DSP が販売しているアンプシミュレータープラグインです。発売は2021年頃だったと記憶していますが、後にアップデートされてQuad Cortexでも使用できるようになりました。(商品名に「X」がつく)
パッケージとしては、その名の通り Soldano SLO-100 をモデリングしたアンプ+ペダルなどの周辺機材の製品です。Architypeのような複数のアンプモデルが入っているパッケージがラインナップの主を占めるようになってから発売されたことや、単体アンプパッケージ製品の中では数少ない「X」化されている製品なので、このアンプをモデリングすることに自信やこだわりがあったのかなあと。
Soldano SLO-100 というアンプについては筆者は殆ど知らないです。少し調べたら、80年代に登場した伝説的な高級ハイゲインアンプで、レクチの回路なんかはこれのコピーが基になっているらしい、とのこと。
なのでソルダーノの音と言われてもあまりイメージはつかないのですが、結論としてはデモって即購入しまして、モデリング系アンプシミュの中ではトップクラスにお気に入りになりました。
Soldano SLO-100X (Neural DSP) の特徴と使い方
使い勝手としては普段の Neural DSP 製プラグインの UI が踏襲されております。
アンプ

ノーマル / オーバードライブの2チャンネル仕様ですが、ノーマルチャンネルにはクリーンモードとクランチモードがあるため、実質3チャンネル。
ツマミは基本的に実機に倣っているはず。特に目新しい項目はないので扱いやすいかと思います。つまみのEQはめちゃ効く感じではなく自然な感じでした。
ブライトスイッチが殆ど効かない気がする。
ストンプ(1)

エフェクタービューは2個ありまして、そのうちの1つがこちら。
アンプの前段に挿す用の、オーバードライブ2種とコンプレッサー、コーラスが入っています。
ODはどちらもTS系です。1がより一般的な普通のTSといった印象で、2はもう少し音作りに幅がある感じですが個人的には若干癖を感じ、1の方が使いやすかったです。
クリーンやリードのときにはコンプが結構使えます。
ストンプ(2)

エフェクターのその2。こちらはアンプの後段に挿さる想定の空間系です。
見ての通り、シンプルにディレイとリバーブが搭載されています。
濁りのないクリスタル系でとても綺麗です。
EQ

ストンプエフェクターとは別にアンプの直後にEQ が搭載されています。
グライコではよくあるフリクエンシーが倍に上がっていくやつですね。
ソリッドでよく効きます。
キャビネット

キャビネットのセクションです。
搭載キャビネットは1種類ですが、マイクは6種類×2系統、マイキングの設定も細かく出来るため音作りの幅は広いです。
もちろんカスタム IR のロードも可能になっています。
音を出してみた感想(主にハイゲイン)
実機を触ったことがないのでソルダーノっぽいかどうかはわからないのですが、純粋にめちゃくちゃ良い音がするアンプシミュだと思います。
例によって、プラグインを立ち上げてデフォルトのまま鳴らすだけで非常に良い。
特筆すべき点は、Neural DSPのアンプシミュの中でもかなり自然なこと。(少なくとも筆者が触った中では)
ここんちのアンプシミュは音が良い反面ハイファイ過ぎて不自然に感じることも多いのですが、こちらはOmega Granophyreなど他の製品に比べて良い意味でやや籠っておりダークな感じが、実機をマイク録りしたりプロファイリングした音に近い気がします。
それでいて Neural DSP 特有?のギターがうまくなったと錯覚するレベルの音の良さもしっかりあるのでめちゃくちゃ良いです。それこそOmegaなどと比べると少し温かみがあって有機的な音なのですが、それが色んなジャンルに使いやすいように感じます。
個人的にやりたいのはモダンメタルというよりはハードコアで、タイトでチャギーなウルトラハイゲインよりは丸めでパンチのあるハイゲインが好きなのですが、そういった用途にもばっちりです。ミドルがたっぷりある上にブーストしても不自然にならないのが◎。ODペダルを入れないでゲインを上げたルーズな感じの音も使えます。
空間系をたっぷり使ったリードの音なんかも専らこれを使っちゃうくらいしっくりきています。
さいごに
Neural DSP Soldano SLO-100 を紹介しました。
ちなみに2025年現在も、割と愛用していまして、Nano Cortexにキャプチャしてバンドのライブで使ったりもしています(※ナノコルはX関係なくキャプチャしないといけないです)。実機や実機のキャプチャではなく敢えてこれを使うくらい良いんですよね。