【Neural DSP】Soldano SLO-100 レビュー
Neural DSP からアンプシミュレーター「Soldano SLO-100」が登場しました。早速触ってみたのでレビューしたいと思います。
Soldano SLO-100 (Neural DSP) とは
Neural DSP の執筆時点(2021年3月)での最新作アンプシミュレーターソフトです。
その名の通り Soldano SLO-100 をモデリングした単体アンプの製品です。
Soldano SLO-100 といえば、80年代後半に登場し、90年代を代表するモダンハイゲインアンプの一角とされる名機です。個人的には実機に触れる機会はあまりなかったのですが、実質廉価版の Jet City のサウンドはとてもよく覚えています。
これまで Neural DSP の単体製品というと Omega や FORTIN など、かなり最近のマニアックなアンプをモデリングした製品がラインナップの中心にいましたが、遂に「往年の名機」系が登場しましたね。
しかも完全な実名で、紹介動画には Mike Soldano 氏が出ているのもアツいです。
Soldano SLO-100 (Neural DSP) の特徴と使い方
使い勝手としてはいつもの Neural DSP 製プラグインの UI と同様になっています。
基本コンポーネントの中でアンプやエフェクターなどの各ビューに切り替えて設定していく感じ。シンプルかつアンプシミュレーターとしても王道の UI といえるでしょう。
アンプ
実名登場ということもあってアンプの UI は実機が踏襲されています。
ノーマル / オーバードライブの2チャンネル仕様ですが、ノーマルチャンネルにはクリーンモードとクランチモードがあるため、実質的に3チャンネルといえます。
ツマミは基本的に一般的な項目ですが、プリアンプとパワーアンプ(MASTER)それぞれのゲインとボリューム設定できるのが特徴です。DTMer 目線では BIAS AMP から移行する人にとってありがたい仕様かもしれませんね。笑
ストンプ(1)
エフェクタービューは2個ありまして、そのうちの1つがこちら。
アンプの前段に挿す用の、オーバードライブ2種とコンプレッサーが入っています。どういうわけかコーラスもこちらに居ます。
アンプ単体でも十分歪みますが、OD 噛ましたときのバイト感が欲しい場合はこちらのオーバードライブを駆使すると良いでしょう。
クリーンやリードのときにはコンプが地味に効きます。コーラスはやはり何故こちらにあるのかよくわかりません。
ストンプ(2)
エフェクターのその2。こちらはプリの後段に挿さる想定の空間系です。
見ての通り、シンプルにディレイとリバーブが搭載されています。
全く濁りのないクリスタル系でとても綺麗です。
EQ
ストンプエフェクターとは別にパラメトリック EQ が搭載されています。
Neural DSP や JST のプラグインではお馴染みの仕様といった感じですが、アンプの音作りに対して更にトーンを追い込みたい場合に使用出来ます。
ソリッドでよく効きます。
キャビネット
キャビネットのセクションです。
搭載キャビネットは1種類ですが、マイクは6種類×2系統、マイキングの設定も細かく出来るため音作りの幅は広いです。
もちろんカスタム IR のロードも可能になっています。
感想
例によって、プラグインを立ち上げてデフォルトのまま鳴らすだけで非常に良い音です。
Soldano SLO-100 のアンプシミュレーターって、今まで気に入ったものがなかったんですけれども、本製品は違いますね。
めっちゃ良いです。
Soldano のカラッとしたブライトで明快な、かつマーシャルとは質の異なるアメリカンハイゲインサウンドといいますか、あの感じがよく出ていつつ、Neural DSP らしいバランスの良いモダンサウンドに仕上がっています。
また、Neural DSP の単体アンプ製品の中でもクセが少なく幅広く使いやすいように感じます。Fortin や Omega のような極端にチャギーな感じもないので「そっち系」以外にも使いやすいと思います。
リードやクリーン系のサウンドが非常にキレイなのも良き。
さいごに
Neural DSP Soldano SLO-100 を紹介しました。
今あえて Soldano を出してくる辺り少し意外な感じもしましたが、Neural DSP の関係者もプラグイン界隈の Soldano 系のクオリティに納得していなかったのかな…なんて邪推してしまいます。
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