ダウンチューニングの参考音源を紹介&解説します

ダウンチューニングをして太い弦を張ることでギターの音の質感が変わってきますが、具体的にどのようなセッティングにするかで大きく差があります。その辺りにフォーカスしながら参考になりそうな音源を紹介して解説していきます。

ダウンチューニング用の弦選びって難しい

ダウンチューニングの際の弦の選び方については下記の記事で詳しく解説しています。

この記事でも言及しているのですが、チューニングを下げるに当たって弦を太くしていく際、どのくらいの太さにするかによって質感が結構変わってくるんです。

弾き心地に関してもそうなんですが、何より理想の音を求めてあーでもないこーでもないと試しては沼にハマっていくわけです…。

もちろん正解があるわけでもないので、自分の中の答えにたどり着くためには予め音の傾向を把握しておくと近道になります。

ということで今回はダウンチューニング×元の太さ×弦の本数による音の質感の違いにフォーカスして参考音源を紹介していきます。

 紹介楽曲の年代が世代の問題で偏っていますが何卒。。

弦の張りが緩い例

The Ghost Inside – Engine 45

6弦ギターで3音下げドロップA#の曲です。

ちょっと潰れた感じとズシッと来る粘り気があるかと思います。この辺りのチューニングが6弦ギターでまともに鳴らせる限界かなと思うのですが、6弦で太い弦+緩い張力にするとこのような質感になります。

The Acacia Strain – The Hills Have Eyes

こちらの音源は7弦ギターを使用してます。

一般的に7弦ギターを使用すると張力を担保して硬質な音になるのですが、ここでは7弦ギターを更に限界までダウンチューニングしてダルンダルンな音にしています。

確かドロップF#で、ダウンチューニングによって8弦ギターの領域に到達しています。

かなり弾きにくいとは思いますが、そこから生まれるのがこの強烈な粘りです。

Thou – The Changeling Prince

限界を超えたダウンチューニングということで紹介したいのがこちら。

6弦ギター(しかもミドルスケールのギブソン系)でこちらも5音下げドロップF#、6弦で8弦ギターの領域に迫るまでダウンチューニングするという狂気。オクターブとか絶対合わなそう。

沈み込むように強烈な粘り気で、スラッジ系のリフとも相まって唯一無二の異常な重苦しさを演出しています。

弦の張りを強めにしている例

Suicide Silence – You Can’t Stop Me

微妙な Nu Metal 路線に走って総スカンを食らっていた Suicide Silence ですが、この曲では7弦ギターらしいタイトかつヘヴィなサウンドを聴かせてくれます。

チューニングは7弦1音下げのドロップAです。.59 や .62 などのかなり太めの弦を自然に許容できてネック質量の大きい7弦ギターでは、LowA くらいならこのようにタイトにバシッと張力を担保した音を出すことが出来ます。

一般的に多弦ギターを使うことで作りやすい質感というのはこのような感じです。

Capture The Crown – You Call That A Knife? This Is A Knife!

(※動画消されてしまったようです…)

Capture The Crown といえば嘗てやたらとバズったこちらの「例のチャグり曲」が有名かと思いますが、チューニングは意外にもドロップD。

あまり極端なダウンチューニングをしていないため、弦のテンション感も保たれた音になっています。非常に扱いやすそうな音ですよね。

実は極端なダウンチューニングをしなくてもヘヴィサウンドは作れるんですという良い例だったりします。

Winds Of Plague – California

ゴリゴリのThugラップビートダウンハードコアですが、まさかのレギュラーチューニング。(ちなみに普段のWOPはシンフォニックデスコアバンドです)

レギュラーチューニングとなると、細い弦×高い張力となり、さすがに音作りからかなり違う感じがします。ローミッド寄りのミッドをガツッと出して太さや粘りを作っていますね。

というかダウンチューニングじゃないですが、参考までに。

バランスが良さそうな例

ある程度ダウンチューニングして緩くなっているけど、それでもそこそこに張力を保っている感じの例です。

Slipknot – Unsainted

やはり?ヘヴィ界の王者はバランスが良いですね。

チューニングはドロップBで低音弦が7弦のレギュラーと同等まで下げていますが、潰れすぎずタイトすぎず絶妙な塩梅の音に仕上げています。

マキシマム ザ ホルモン 『maximum the hormone Ⅱ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~』

日本のヘヴィ系王者はホルモンでしょうかね。テクだけでなく音作りもめちゃくちゃうまいですよね。

かなりドゥーミー&ブーミーに作ってヘヴィリフの重さを演出していますが、ドロップCで適度に張力が緩くなった感じのバランス良いダウンチューニングをしています。イントロを聴くと分かりやすいです。

Hacktivist – Buszy

バランスが良いとは…?と思われるかも知れませんが、こちらの音源は8弦ギターでドロップEにしています。

つまり普通のギターから1オクターブ下げとなりますが、8弦ギターを用いればこのような超低音でもまともな音程感やテンション感を保って鳴らすことが出来るわけです。

上記 Thou の6弦ギターを異常に下げた感じとは違い、輪郭や芯を保ったままで非常に重いこのような音は8弦ならではと言えます。

まとめ

紹介した音源はほぼ私の好みですが…いかがでしたでしょうか。

チューニングをどれだけ下げるか、その際の弦のテンション感(≒弦の太さ)をどのくらいにするか、また多弦を用いるか否か…これらでかなり音の質感が変わってくるわけです。

もちろんアンプのセッティングによる部分も関わってくるのですが、これらによって確実に質感は変わってきますので、雰囲気を掴んで頂けたら幸いです。

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