弦の太さとテンションによる音の違いについて【ギター&ベース】

ギターでもベースでも、張る弦の太さによって音や弾き心地が変わります。当然音作り等にも影響してくるわけですが、では具体的に弦の太さでどういう風に違うのか。今回はそれについてまとめました。

今回の話の前提

どちらかというとギター寄りの話ですが、ギターもベースも基本的には同じ傾向にあると思います。(ただし最適解は違うと思う)

太さの基準はそれぞれ一般的によく使われるレギュラーゲージ(ライトゲージ)を基準に考えます。

(ギター:09-42、ベース:45-100)

また、同じチューニングで考えた場合、太い弦はテンションが高く、細い弦はテンションが低くなりますので、そこも合わせて書いていきます。

太い、テンションが高い弦

太くなる

凄く平たく言うと、弦が太くなると音も太くなるように聴こえます。

ギターだとあまり分からないかも知れませんが、ベースの低音弦だとわかりやすく量感、圧感が大きくなっていく感じがします。

私の経験談ですが、ベースでドロップチューニングをした際に、テンション感を合わせようとして1~3弦を普通に張り、4弦だけ太い弦に交換したところ、4弦だけ音圧が凄くてこれはダメでしたね。笑

ギターだとあまり気にならない場合も多いですが、ベースだとテンション感の違いが分かりやすいですね。

倍音は少なくなる

弦が太くなることで倍音は少なくなっていきます。

つまり、太さと引き換えに煌びやかさやブライト感はなくなっていくということですね。

ただし、テンション感があることでハリのある音にはなります。

私の言葉でいうと、タイトでハキハキとした感じの強い音、という感じです。

ダイナミクスとサステイン

弦が太くなるとダイナミクスが減少して音量感が安定しやすくなります。

しかし、太くし過ぎるとサステインが伸びなくなるというデメリットもあります。

ギターで気をつけたい点

弦が太くなると歪ませたときにブーミーになりやすくなります。

ベースは元々が太いのでまあ良いのですが、特にギターは弦の太さで歪みの質感が結構変わってくるので気を使った方が良いと思います。

個人的にはブーミーな感じになってこないギリギリの太さを狙いたいです。

細い、テンションが低い弦

基本的には太い弦の逆です。

結論としてはそれで終了ですが、それだと寂しいので説明していきます。

細い弦に関しては音の太さや量感が得られないですが、ブライトで煌びやかになっていきます。

また(太い弦に比べて)テンションが緩くなりますので、ダウンチューニングした時にはルーズな音になります。

輪郭がぼやけ、粘り感とバウンス感のある(=ダイナミクスが大きくなる)感じ。ボヨヨーンとした感じ。

これは悪いというわけではなく、この感じがかえって強いグルーヴや破壊力を生む場合もあったりして、敢えてこの質感を採用しているバンドも多数います。

6弦ギター、4弦ベースで2音半以上下げているケースなどですね。アンダーグラウンドなジャンルほどこの傾向な気がしますね。

これも上記の逆ですが、歪みの質感は弦が細い方が作りやすいと思います。

音とは関係ないが弦の太さで影響があること

弾きやすさについて

弦が細い方が弾きやすく、太いと弾きにくくなる、とよく言われます。

確かに、極端な事をしなければその通りだと思います。

極端なこととは例えば、細い弦で3音下げなどガッツリとダウンチューニングをした場合、テンションが緩すぎて非常に弾きにくくなります。

ベースだとレギュラー弦で2音くらい下げた辺りから、弾いていてこれじゃない感が凄いことになってきますが、必要な場合は頑張って慣れましょう。笑

メンテナンスについて

弦の太さが変わると、ネックへの負荷が変わります。

当然、太いと負荷が強く順反りしやすくなり、細いと負荷が弱く逆反りしやすくなります。

どちらを張るにしてもトラスロッドの調整はこまめにした方が良いですね。

それから弦高も変わってきますので、太さの違う弦に張り替えた際は弦高調整も最適化し直した方が良いと思います。

細い方が弦高が低くできるとは思いますが、テンションが緩くなるとビビリも出やすくなるので注意です。

トレモロブリッジが付いているギターも、テンションが変わることでバネの調整が必要になってくると思います。

目的に合った太さの弦をチョイスしよう

たとえば、Djent のようにタイトな重低音を鳴らしたい場合は太い弦を(Djentは多弦使うので自動的にそうなりますが)、

ハードコアやスラッジのようなグルーヴが欲しい場合は、ダウンチューニングしつつも少し細めの弦を、

という風に、弦の太さによる音の違いは、結構ジャンル感に直結してくるようにも思います。

それくらい質感への影響があるということですね。

自分がどういう音を鳴らしたいのかに合わせて選べるようになると良いのではないかと思います。