Shino Drumsでモダンラウドな音を作る -スネア編-

フリードラム音源、「Shino Drums」を使った、モダンラウド・メタル系のスネアの音作りを紹介します。

私が発表している楽曲で使用しているセッティングになりますが、ドラムの音について高評価を頂くことが時々あったため、今回紹介します。

Shino Drums の荒っぽい質感を活かした音作りになりますが、是非参考にして頂ければと思います。

Shino Drums の配布元はこちら。

https://shinoatarubasho.wixsite.com/shinodrums

それではいってみましょう。

参考音源

こちらの音源で使用しているセッティングになります。

チャンネルストリップ(メイン処理)

Waves SSL G Channel を用いて、コンプとEQの処理をしていきます。

バスドラム同様こちらもGチャンネルであることが肝でした。Eチャンネルだと全然違う音になる。

プリセット「Snare Drum」をベースに下記キャプチャのようなセッティングにしています。

この機材のレビューはこちら。

コンプレッサーを2段がけ


Plugin Alliance Vertigo VSC-2 というコンプレッサーをスネアに2段掛けすると、音にハリとツヤが出てとても気持ちの良い音像になります。

セッティングは、説明書で推奨されている2段掛けセッティングの設定そのままです。

この機材のレビューはこちら。

EQ

EQ で最終的な音色の追い込みをします。

ここではナチュラルな質感を気に入って iZotope Ozone の EQ を使っていますが、色付けのないデジタル系の EQ なら何でも良いと思います。

結構色々やっているので順に説明していきます。

  1. ① 100hz 以下をローカット。音作りというよりはミキシング処理ですね。
  2. ② スネア低域の肝となる 200hz 付近をブースト
  3. ③ パーカッション全般で不要になりがちな 400hz 付近をカット
  4. ④ 1khz付近をちょいカット。Shino Drums はここに特徴的なピークがあって、独特のカンカンするスネアの音になってます。私のセッティングではややその質感を残しつつカットしています。
  5. ⑤⑦ 高域の目立たせたいところをブースト
  6. ⑧ 超高域をカット。前段の SSL で超高域をシェルビングブーストしているのですが、それによってホワイトノイズ的な残響が目立つようになるのでそこをカットしています。

トランジェントシェーパー

上記 EQ の⑧でも対応している、チャンネルストリップにて超高域を上げたことで目立ってしまったホワイトノイズ残響の処理の続きです。

トランジェントシェーパーを使ってもう少し追い込んでいきます。

こちらで使用しているのは Native Instruments の Transient Master ですが、これの Sustain を少し削って、残響自体を短くしてやります。

これだけで結構違ってきて、目立ってしまったホワイトノイズ残響は殆ど聴こえなくなります。

太さを加える

上記までで良い感じのスネアサウンドはほぼ完成しています。

ここまでで完成でも良いのですが、更にモダンな音像にするために音に太さを加えていきます。

Waves Torque を使ってピーク帯域のピッチを下げてあげると手軽に太くなります。

詳しくは下記の記事で書いています。

まとめ

プラグインのインサート順は、上から紹介している順番通りになります。

今回のスネアの音に関しては、Vertigo VSC-2 の2段がけによる気持ちよさが大きなポイントになっています。

今回紹介した音は Shino Drums の荒っぽい質感を活かしているため、近年のポストハードコアのような超作り込まれたゴリゴリなモダン系の音というよりは、ややパンキッシュな生っぽい質感が残っています。

しかし、それこそが今回狙っていた音です。

なかなか他のドラム音源ではこういった質感は作り込めないので、良い意味で「録ったまま」感の強い Shino Drums の強みを最大限に引き出したセッティングだと思っています。

バスドラム編と合わせて参考になれば幸いです。

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