安価で使えるダイナミックマイク「RODE M1」レビュー

RODE M1 というダイナミックマイクをご存知でしょうか。安価ですがこれが意外と良い感じのマイクなのでご紹介させていただきます。

RODE M1 とは

RODE M1 は、マイクロフォンを中心に扱う RODE 社が2008年に発売開始したボーカル向けのダイナミックマイクです。

RODE というと、コストパフォーマンスに優れたコンデンサーマイクの NT-2A 等が有名ですが、今回紹介するダイナミックマイクの M-1 も RODE らしいコストパフォーマンスに優れたモデルになっています。

ライブ用や、入門用としてもピッタリのマイクですが、決して安かろう悪かろうの製品ではないところがポイントかなと思っています。

購入するとこのようなケースが付いてきます。格好良いんだけどすぐにジップが壊れました。。

ダイナミックマイクとは

ちょっと脱線して、ダイナミックマイクとは何?という話をします。

ボーカル用のマイクでよく使われるものとして、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクがありまして、

これらは集音の仕組みが異なるのですが、その性質もはっきり異なります。

ざっくりとですが以下のような感じ。

  • ダイナミックマイク:頑丈・安価・低感度・電源不要
  • コンデンサーマイク:繊細・高価・高感度・電源必要

という感じです。このような特徴から一般的にライブではダイナミックマイク、レコーディングではコンデンサーマイクが使われる事が多いです。

RODE M1 を選んだ理由

私が RODE M1 を購入したのは、DTM による宅録で自分のボーカルをレコーディングするためです。

上記の通り一般的にレコーディングにはコンデンサーマイクが使われることが多いですが、敢えてダイナミックマイクである M1 を選びました。

その理由が下記になります。

  • 雑に扱っても大丈夫
  • 低感度・単一指向性で余計な外音を拾いにくい
  • ジャンル的な相性
  • コストパフォーマンス

頑丈で雑に扱っても大丈夫な点、低感度・単一指向性で外音を拾いにくい点については、素人の宅録という条件においては非常に助かるポイントです。

コンデンサーマイクは一般的に高解像度で繊細にニュアンスを拾える反面、しっかり防音が出来ている環境でないと周囲の余計なノイズまで拾ってしまいます。加えて高価なのに壊れやすいので、素人が扱うのには結構つらい部分があるんですよ。

ジャンル的な相性については、ボーカルスタイルがデスボイス・スクリームの類のためです。このジャンルだと敢えてダイナミックマイクの方が粗っぽくパンチのある音が録れて相性が良い場合があります。実際にライブで定番の Shure SM58 を敢えてレコーディングに用いているバンドもいます(私がやっていたバンドなど)。

あとは、何より RODE M1 は安価です。サウンドハウスで1万円を切る価格でファーストチョイスに最適です。Shure SM58 よりも若干安価な感じですが、これから紹介するように品質面で劣っているようなこともないと思います。

RODE M1は抜けの良いサウンド

商品特性的にも価格帯的にも、RODE M1 の競合はダイナミックマイクの超ド定番である Shure SM58 になると思います。

音質面を SM58 と比べると、M1 の方がクリアに感じます。

SM58はミドルがガツっと出てきてパンチがある音なのでこれもスクリーム系のボーカルとは非常に相性が良いのですが、M1 の場合は58よりもクセがなくすっきりしていて明瞭な感じです。

籠もり感が出にくいというか、ミッドハイあたりのスカッとした感じは M1 に軍配が上がるかなと。

安価なダイナミックマイクということで、ちょっといなたいけどパンチ感がある感じもあり、繊細な歌を録りたい方にはどうかわかりませんが、個人的には好きです。

基本的に特性はフラットだと思いますが、ローミッドあたりは SM58 よりもスッキリしています。また BETA58 のような高域の刺さる感じもなくて個人的にはとても使いやすく感じました。

RODE M1は堅牢

RODE M1 は、競合と思われる SM58 等と同じく、基本的にはライブでガンガン使っていく事を想定して作られている製品です。

ということで、ちょっと重さは感じるものの非常に頑丈で堅牢な作りになっています。

握っていてこれはちょっとやそっとじゃ壊れなさそうだな…と感じますね。THE・壊れないマイクといったらやはり SM58 ですが、重みがある分こちらの方が頑丈そうにも感じます。

実際の限界域での耐久性は、ライブなどでボコボコにしてみないと何とも言えませんが…ちょっと試してみたい感じはします(笑)

RODE M1はグリルが外せない(※追記:外せました)

SM58 のようにグリルを外して丸洗いしようとしたら、下記写真のような外れ方をしました…。

中身の電気部品まで一緒に外れてきてしまったので、グリルだけ外して水洗いという事は残念ながらできませんでした。

マイクに口を近づけてワーワーやっているとどうしてもグリルには唾が飛ぶので、洗って清潔にしたいんですけどね。

まあ、ポップガードを買えということですね…。

ちなみに、布にファブリーズを沢山つけてゴシゴシしまくったら一応ニオイは取れました。けど結構大変です。

※追記

Twitterで情報をいただきまして、グリル部分は外せる事がわかりました。

私が所持している個体はどういうわけか下の部分の方が回りやすく(上記写真の通り)、そのためグリル部分が外せる事に気が付かずにいました。しかし指摘を頂いて今一度試したところ外れました。

誤情報失礼いたしました。

まとめ

安価だけど品質がしっかり担保されている「使える」ダイナミックマイクが、RODE M1 でした。

音質面は定番の SM58 と差別化出来ているので、声質やボーカルスタイルに合わせて両方持っていても良さそうですね。抜けの良さを重視するなら M1 の方をオススメします。

1本目のマイクとしても非常に良い選択肢なのではないかと思いますよ。

商品情報

スイッチ付きの M1-S もあります。