Darkglass Electronics / Microtubes B7K Ultra レビュー

今更感はあるかもしれませんが、いちベーシストとして愛用しているDarkglass Electronics Microtubes B7K Ultra V2 With Aux Inについて、使い方や自身のセッティングの紹介も兼ねて、またDTMerとしてプラグインとの比較も踏まえてレビューしたいと思います。

Microtubes B7K Ultra とは

フィンランドのベース向け機材メーカー Darkglass Electronics が販売している歪み系プリアンプです。

Darkglassの中では比較的昔からある製品で、Darkglassと聞いてイメージするような、ここんちを代表するモダンな激歪みが得られるペダルの筆頭だと思います。

数回仕様変更されていますが、私が所有しているのは現行の「V2 With Aux In」というものです。まあAuxを使うことはありませんが…

DTMer的には、プラグイン版の Neural DSP Darkglass Ultra が有名かもしれませんね。

兄弟機種について

B7Kシリーズには兄弟機種がいくつかあります。理解していないと紛らわしいのでこ簡単に紹介しておきます。

本機 B7K Ultra を最上位とし、下に B7K 、B3K 、B1K と続きます。

違いとしては、B7K は B7K Ultra にあるキャビネットシミュレーターがないのと、EQの設定できるフリクエンシーが一部減ります。

B3K、B1K はEQがない、歪み回路のみのODペダルという位置づけです。多分中身は同じですが、B1Kはコンパクトさに振り切った感じ。

用途が合えば下位機種でも十分だと思います。高いですしね。私はUltraにしかないEQフリクエンシーを使いたいのでUltra1択になりますが…

ただしUltraはキャビシミュがある分なのか消費電力が高めなのでセッティングによっては要注意です。

使い方

代理店のサイトを引用しつつ、私なりに使い方を説明しておきたいと思います。

歪み回路(ツマミ上段)とEQ回路(ツマミ下段)の2系統があります。

下部のスイッチは「DISTORTION」は歪み回路を通すか否かのON/OFF、「BYPASS」はEQ回路も含めた全回路のON/OFFです。なので歪みを通さずにEQだけ通す事はできますが、逆はできません(まあEQは全てフラットにすればよいので問題はない)

通る順番としては歪み→EQです。

歪み回路は、DRIVEとBLENDによる一般的なものに加え、「ATTACK」と「GRUNT」というパラメーターがあります。これはザックリ、歪みの前段に通すEQだと思っておけばOKです。前段のEQは歪み回路に含まれる。

EQ回路は、LOW, LOW MID, HIGH MID, TREBLE の4バンドです。LOW MID, HIGH MIDはそれぞれフリクエンシーを3段階設定できます。このフリクエンシー設定こそが Darkglass サウンドを特徴付けているように思います。個人的には LOW MID の 250hz がなくてはならない存在と化しました。

モダンな激歪みサウンドが強み

この機種の強みはやはり、その唯一無二にも近い過激な歪みサウンドでしょう。

別にそれ以外の使い方も出来ますが、今となっては他の選択肢も多い中であえてB7Kを使用するのであれば、期待するのはそこになるのかなと。

Darkglass以前の、例えばSansAmpやMXRなどで得られた従来の歪みとは明確にキャラクターが異なります。その冷たくクリアな歪みがやはり最大の魅力であり、強く歪ませても低域が潰れないため、これ一台で歪みの音は作り切ることができます。

Darkglassの他機種でも似たような歪みを得られなくはないですが、それでもB7Kの音はやはり唯一無二なんです。歪みに特化するならB7Kが一番手軽に格好良いと思います。

ちなみに歪回路を通すだけでかなりドンシャリになるのですが、これこそが計算され尽くしたドンシャリなんだと思います。

私のセッティング

写真のとおりなセッティングで普段使用しています。

歪みの量はMAXにしてブレンドで調整してますが、ここはあまり強いこだわりはありません。

肝は、LOW MID 250hz と、HIGH MID 3khz だと思ってます。ここをガッツリカット/ブーストすることで所謂 Darkglass 的なサウンドを強調できる認識があります。

ATTACK / GRUNT は、竿によってブーストするかフラットか決める感じです。アクティブベースのようなレンジの広い竿はフラットがよい場合もあります。私が現在使用しているベースは普通のパッシブのプレベなので、どちらもブーストにしています。

ちなみにキャビネットシミュレーター機能はノイズが多かったりUIも微妙であまり使いやすくないので、そこについては別途 Darkglass の Elementを使用しています。

プラグインと比較して

Neural DSP Darkglass Ultraとの比較としては、やはり実機の方が好きです。

実機の方が、立体感があってより音楽的な音色に感じます。自分としての本チャン用の音はこちらだなと。

プラグインの方は実機よりもよりクリアなので、こちらの方が好きな人もいそうですが、個人的には所謂プラグインっぽいデジタル臭さが、どうしても実機と比べると感じてしまうところもありますね。

プラグインは Vintage Ultra も使えますしキャビネット周りのUIなど、PCを介す限りは使い勝手は圧倒的に良いので勿論良い部分もありますけどね。音は実機のほうが好みでした。

さいごに

まとめと言う程でもないですが、Darkglass Electronics Microtubes B7K Ultra について書いてみた総括です。

  • 唯一無二のモダンな歪み
  • ドンシャリ
  • 多彩なEQ設定

この辺りが特徴の機材かなと思います。モダンな歪みが欲しい場合の有力候補な機材だと思います。

個人的な話としては、現在参加しているバンドではベースの音作りが激歪み一発なので、こいつ1台あればオールオッケーって感じです。

ただし値段は高いので、用途が足りそうな場合は下位機種も検討してみてください。

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