Darkglass Electronics / Element レビュー
Darkglass のハードウェアキャビネットシミュレーターである Element をバンド活動のレコーディング等に使用するために購入しました。使い方等も兼ねてレビューします。
Element とは
フィンランドのベース向け機材メーカー Darkglass Electronics が販売している、ハードウェアキャビネットシミュレーター/ヘッドホンアンプ/DIです。
特徴的な LED の UI はヘッドホンアンプの機能ですが、個人的にはキャビネットシミュレーター機能のために購入しました。
同社のハードウェアキャビネットシミュレーター自体はプリアンプ系エフェクターの上位機種にも搭載されていますが、こちらは機能に特化したなりの改善がされています。最大5つまでキャビネットIRを設定できたり、それらを操作する Darkglass Suite の UI も見やすくなっていたりします。
またアンプヘッドを接続することも出来るため、お気に入りのアンプにお気に入りのIRでレコーディングが出来たりPAに流したり出来ます。個人的にはこの点が特に、エフェクターポン付けのキャビシミュには出来ないことが出来るため大きな差別化になっていると認識しています。
ギターにも使えます。
使い方
詳しい使い方は代理店のサイトを御覧ください。こちらでは個人目線の概要を書きたいと思います。
先述の通り、特徴的な LED の UI はヘッドホンアンプ機能のボリュームです。左右はそれぞれ接続したヘッドホンの音量、中央は AUX の音量ですね。
キャビシミュ機能については、Darkglass Suite にて PCやスマホからキャビネット IR を最大5つ設定し、中央下部のボタンで切り替えるという形が基本です。
機材の接続は、楽器やエフェクターから直に繋ぐ場合と、アンプヘッドから繋ぐ場合で IN/OUT が逆転するので注意が必要です。毎度間違えないように慎重に確認しながら接続しましょう。
この通り、Instrument と Amp/Speaker で IN/OUTが逆になります。あと、ClassD以外のアンプを繋ぐ場合はロードボックスが必要になるようです。
アッテネーターが付いているのは地味に助かります。
Darkglass Suite について
キャビネットIRの設定を PC やスマホ上で出来る Darkglass Suite ですが、Element 専用と思われる UI が搭載されており、機能も充実しています。USB-C または Bluetooth で Element とデバイスと接続すると立ち上がります。
UI はこんな感じ↓。標準搭載のキャビネットはマイクの種類とポジションも選べます。
前段にはパワーアンプシミュレーターが付いていて、パラメーターを弄ると結構音が変わります。ギター用とベース用が選べますね。
ポストEQも付いてます。
それからキャプチャは取っていませんが最前段にノイズゲートもあって、Element1台で大部分のセッティングを作ることが出来ます。これを5種類仕込めるのだから素晴らしい。
使い道・感想など
個人的には、バンド活動のレコーディングで主に使っています。
私のようなローカルバンドの活動だとスタジオにヘッドアンプは持参できても、キャビネットは無理です。とはいえキャビネットやマイクの設定で音は大きく変わってしまうため、これまでは狙った音でのレコーディングは実質不可能で、スタジオの設備に依存するしかありませんでした。
しかし、Element を導入してからは狙った音でのレコーディングが可能になりました。
キャビネットや周辺の設定を自分で作り込んだデータが入っている訳なので、Element を接続すればどこに行ってもある程度同じ音が再現できる訳ですね。この恩恵は個人的に非常に大きいです。バンド活動で「ベースだけ家で録るから」とか言えないですしねw
拡大写真で恐縮ですが、直近の活動ではこんな感じ↓でRECしました。「ベース→エフェクター(B7K)→アンプ(Terror Bass)→Element→ライン」です。スタジオコンソールの差分はあるにせよ、これで大体どこに行っても近しい音が出せます。
また、Element に標準搭載されている IR が非常に良いと感じました。この辺は好みですが、個人的には他社のIRも色々試した中で Element 標準搭載のキャビがお気に入りトップ3位を締める感じでした。
現在は家でRECする時もこの IR を使いたいがために Element を通すことがありますね。
まとめ
色々書いたので簡潔にですが、レコーディングにめちゃめちゃ活用できていて、とても買って良かった機材です。
高いですが、ハードキャビシミュをお探しの方は是非ご参考までに。
商品情報
電源は別売になりますのでこちらなどを。