Maxon OD820 レビュー【TS系オススメ】

「TS系」といわれラウドギタリストに愛されるオーバードライブペダルはいくつかありますが、個人的には Maxon OD820 が一押しです。機材を紹介しつつその理由を書いてみたいと思います。

TS系とは

Ibanez の Tube Screamer というオーバードライブペダルがありまして、その関連製品、兄弟製品、類似品、インスパイア系などを総称して「TS系」などと呼ばれます。

オーバードライブペダルなんですが、GAIN を 0 にしてブースターとして使う(TSブースター)ことで、ギターのおいしい成分がグッと持ち上がり、かつ不要な成分が落とされて気持ちの良い音になるということで、ラウド系・ハイゲイン系のギタリストを中心に愛されています。クランチサウンドを作る場合にも定番の歪みペダルだとか。

TSブースターについてはこちらの記事に詳しく書いています。

Maxon OD820 とは

Maxon OD820 は、そんな「TS系」オーバードライブペダルの1種です。ちょっと大きめで丸みを帯びた箱型の筐体からか、通称は「弁当箱」。

Maxon は国産のエフェクターメーカーで TS系の語源である Tube Screamer を OEM 生産していたこともあって、Maxon こそオリジナルなどと言われていたりするイメージです。

まあオリジナルだとかなんだとかは個人的にはどうでも良いのですが、私はTS系の中でもこの OD820 が好きなんですよね。実際 OD820 は Maxon オーバードライブの中でも傑作と言われることも多いです。

粘りのあるクリーミーなサウンド

OD820 は、高域と低域が削れていくTS系の中でもややローミッド辺りが残りやすく、結果として良い意味で粘り感のあるサウンドが得られます。

この特徴はブースターとしてハイゲインアンプをプッシュして使う時に顕著に現れます。ブリッジミュートのズンズン感が凄く気持ちよくなりますし、重心の下がったハイゲインサウンドになりますね。同じTSでもTS-9系のキレキレな感じとは結構性格が違いますね。

また、高域の落ち方がまろやかな感じでこちらも良い感じです。やはりブースター用途ですが、クリーンブースターとしてリードギターに使うことでクリーミーなサウンドが得られるんですよね。

TONEを上げてハイ落ち回避する事も出来ますが、この特徴は活かしていきたいところ。ちなみに TONE 13時くらいが原音のハイの出方に近いです。

気持ちの良い音って高域の落とし方が綺麗なことが大事だと思っていますが、綺麗なハイ落ちを叶えてくれるのがこの OD820 なんです。

また GAIN を 0 にするとペダル自体の歪みを完全に無くす事が出来るのもポイントです。元祖 OD808 などは GAIN 0 でも若干歪みますからね。用途によってはココもデカイというか、だから使い勝手が良いんですよね。

ちなみにクリーンブーストするときのセッティングはこんな感じ。

歪ませてもニュアンスが出る

個人的にはあまりやらないのですが、もちろん本来の歪みペダルとしても優秀です。

歪ませても結構ニュアンスや質感が出しやすく、ナチュラルで艶のある歪みになる印象。ドライブを強くしていくと徐々に低域が削れてきて独特の粘り感は弱くなってきますが、それでもニュアンスや艶感みたいな部分は失われないんですよね。

ニュアンスが出しやすい分上級者向けではありますが、傑作と言われる所以を見出だせるポイントの1つかな思います。ペダルで歪ませた音って潰れた感じやジャリジャリした感じになりやすいですからね~。OD820 はそういう感じが無くて素晴らしいです。

ただ、JCを歪みとして使うような感じとだとちょっとコレジャナイ感がありますね。アンプの歪みに混ぜていくイメージです。

まとめ

やはりブースターとしてハイゲインアンプをプッシュしたときの粘る質感がとても好みでして、ハードコア系のパンチのあるサウンドにもバッチリハマりますし、GAIN をギリギリまで抑えた質感・ニュアンスを残しつつなハイゲインにも最適です。

コツとしては、OD820でクリーンブーストしつつアンプ側の歪みをブリッジミュートのズンズンの質感で決めていく感じです。歪みの質感の境界線みたいなポイントがあるので、そこをほんのちょっと超えたくらいがベストかなと思います。これで俺的最高のハイゲインサウンドになります。笑

もはや自分の中ではギターを弾く上で手放せないエフェクターです。

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