Vir2 Electri6ityを改めて語る【最強のギター音源】
近年でこそ良いギター音源が増えてきましたが、一昔前は使えるギター音源って限られていました。そんな時代の王者とも言える Electri6ity を改めて紹介します。
私が過去に書いた記事も古くなってきましたし、検索して出てくる情報も古くなってきているように思います。しかし Electri6ity は色褪せません。
Vir2 Electri6ityとは
Vir2 社が誇る、ギター音源の金字塔も呼ぶべき大容量・多機能・高品質のギター音源が、この Electri6ity です。
造語な商品名ですが、読みは「エレクトリシティ」です。ギターの弦が6本なのにかけてちょっと捻ったんでしょうかね。
公式でも「The ultimate virtual electric guitar instrument」と謳っています。
2010年代前半を代表するガチギター音源といったところでしょうか。もちろん現在でも第一級の優良音源です。
Electri6ity を動かすエンジンは Kontakt ですが、Kontakt Player 対応なので Kontakt フルバージョンを持っていなくても使用可能になっています。高い音源だからこの辺の配慮はありがたいですね。
代表的なギターを多数収録
Electri6ity はサンプリング音源ですが、サンプルの容量は実に25GBを超え、ギター界を代表する機種が多く収録されています。
収録モデルは以下(公式準拠)。細かいスペックまでは記載がありませんが、ギター好きが見ればグッと来ること確実なラインナップになってます。
- ストラトキャスター
- テレキャスター
- レスポール
- レスポール(P90)
- リッケンバッカー
- ダンエレクトロ・リップスティック
- ES-335
- L4
セミアコやアコギまで収録されており、伝統的なギターの音色の傾向をほぼほぼ網羅するラインナップといった感じです。パッケージに使われているグレッチっぽいギターが見当たらないのが謎ではあるんですけどね^^;
ソフト1本買うだけでこれだけのギターが打ち込みで使えてしまうって凄くないですか?音質も間違いない感じですし。
ただ、大容量なぶんロードには時間がかかるので、ライブラリを格納するストレージは SSD を推奨します。
必要な奏法を殆どカバー
ギターの奏法って飛び道具的なものも含めるとかなり色々なものがあります。
ブリッジミュートやチョーキング、トレモロ、スライド、ハーモニクス、ピックスクラッチ…etc
これらの様々な奏法を、キースイッチという機能を用いることで、その殆どを打ち込みで再現可能としています。
ノイズや「ギュイ~~ン」みたいなFX音も多数収録されており、徹底的にやっているなというのが伝わってきますね。
今でこそ特殊奏法を多数収録したギター音源は多くなってきていますが、そんな中でも Electri6ity は当時から群を抜いて芸が多彩で、非常に多くの奏法をカバーしているのが強みです。
非常に細かくセッティングが可能
ギター本体の設定って地味に色々ありますよね。
チューニングやピックアップポジションやトーンポッドの回し具合など…。
これらも細く設定が可能です。
チューニングは2音下げまで対応可能となっており、LowC までならラウド・メタル系も対応可能です。
また、ギター本体の設定だけでなく、ピックングの位置や角度、ストロークの速度といった演奏のクセまで設定が可能で、かなり追い込むことが可能となっています。
この辺りも他のギター音源を圧倒しているポイントです。
アンプシミュレーター内蔵
Electri6ity にはアンプシミュレーターやエフェクターが内蔵されており、BIAS AMP や Amplitube などの他社アンプシミュレーターソフトを持っていなくても「まともに」使うことが出来ます。
決して安いソフトではないですが、だからこそ「これ1本買っておけばOK」的な安心感は非常にありがたいなと思うワケです。
ただ、あくまで簡易的なものではあるので、音を追い込みたければやはりアンプシミュレーターソフトは買った方が良いですが。。
それでも、初心者が初めてギター音源を買うときは心強いと思います。私も初めて買ったギター音源は Electri6ity だったのですが、他に何を揃えたら良いか分からなかったのでオールインワン型の音源を…という理由が大きかったのを覚えています。
AIが搭載されている
Electri6ity には、AI が解析して自動的にギターらしい「それっぽい」演奏にしてくれる機能がついています。
例えばギターのコードプレイなどは、弦の並びの都合でピアノなどとは異なる特殊なボイシングになるわけです。
それをよく分からずに打ち込んだとしても、ギターでコードを押さえたときのような自然なボイシングに自動で調整してくれるんですよね。初心者にありがたい機能です。
ただ、特殊なフレージングを打ち込みたいときなどは逆に言うことを聞いてくれずに勝手に違う奏法に変換してしまうこともあるので、一長一短ではありますが…^^;
これだけの機能を搭載しておきながら当時最新と思われる AI 解析まで入っているのだから頭が上がりませんね。。
まとめ:現役で最強だと思う
いかがでしょうか。Vir2 Electri6ity を改めて紹介してみましたが、本当に機能満載で網羅っぷりの凄い音源だなと。。
特定の1本のギターをモデリングした音源でかなり拘ったものなら他にもありますが、色々使える総合音源的な感じかつこれだけ機能満載ってやっぱり唯一無二です。未だにこれに匹敵するレベルのギター音源って他にないと改めて思いました。
機能を絞ったものや特殊な方向に特化したものなら品質面で負けず劣らずな音源も増えていますが、総合力では Electri6ity が現在も「王者」といった印象です。
ギター音源、何買えば良いかわからないという場合は Electri6ity を選んでおけばまず失敗というか不足を感じることはなさそうですね。(特殊な用途は除く)
ラウド好きの私的には、レスポールがもう半音でも多くダウンチューニング出来ると更に良かったのですが…Kontakt 音源なのでピッチシフトして使えるのでまあ良いでしょう(笑)