DAWのおすすめをジャンル別に紹介【DTM初心者】

おすすめの DAW は何ですか?選択肢が色々あって何を基準に選べば良いか分からないですよね。そういう時は、作りたい音楽ジャンルで考えてみると良いかと思いますので、まとめてみました。

DAWとは

DAWでDTMをしているイメージ

DAW とは、DTM で作曲やレコーディング、ミキシング等をするのに必要なソフトです。

いわゆる「作曲ソフト」といえば分かりやすいでしょうか。DTM のメインとなるソフトですね。

名前の由来は、デジタル・オーディオ・ワークステーション(Digital Audio Workstation)の頭をとって DAW です。

DTMer にとっての DAW は、WEBデザイナーにとっての Photoshop や Illustrator 、ゲーマーにとっての PlayStation や Nintendo Switch みたいなものです。つまり必需品です。

DAW の読み方はアルファベットままで「ディーエーダブリュー」か、ローマ字読みで「ダウ」と読む人が多いらしいです。私は長いのが面倒なので後者ですね。

冒頭にも書きましたが、DAW にも色々な商品があって、何を買えば良いか迷うんですよね…。

先に結論を言ってしまうと、何を買っても DTM は出来るので好きなものを買えばOKなのですが、だからこそ迷うというものでして…。

DAWの選択肢をジャンルで分けて考える

というわけで、どの DAW を買えば良いかの判断材料ですが…、

作りたい音楽ジャンルで考えてみてはいかがでしょうか?

DAW は製品にもよりますが何かしら得意分野があります。その得意分野を活かせる使い方が出来ると、「選んで良かった」となりやすいはずです。

得意分野を活かせるかどうかはどういう使い方をするかによりますが、どういう使い方をするかはどういう音楽を作るかによりますよね。

ということでジャンルという概念を便利に利用してしまいましょう。

ジャンルは大きく分けて2系統

本記事ではジャンル論的な話は無視して、DAW を選ぶ上での基準としてだけ考えます。

そうすると大きく2系統に分けて考える事が出来まして、それは生モノ系電子系です。

生モノ系

生モノ系というのは、自分で楽器を演奏したり歌を入れたりするもの。

具体的にはロックなどのバンドものやシンガーソングライター、アコースティック的なスタイルを指します。

電子系

電子系は、サンプリングやシンセサイザーのシーケンス等を組み立てて作っていくもの。

ヒップホップなどのブラックミュージックやEDM・テクノなどのクラブミュージック、あとチップチューンなどが該当します。

かなりザックリとした分け方ですが、これだけでも選ぶべき DAW の方向性をある程度絞り込む事が出来たりします。

というわけでこの2系統に分けて見ていきたいと思います。

ジャンル別DAW:生モノ系

楽器や歌の録音をすることが多い・したほうが良い生モノ系の音楽が作りたい方は、録音がやりやすい DAW が候補になってきます。

私自身もバンドものの音楽を作っていますのでこちらに該当します。

Studio One

録音まわりの使い勝手がよくて生モノ系 DTMer におすすめなのが Presonus の Studio One です。

私も現役で使っていますが、Studio One に乗り換えてからはギターやベースの録音・編集がとてもやりやすくなりました。Melodyne というガチなボーカル編集ソフトが標準装備なのも強いです。

また、音質面でも音の分離がよく、ロックなどのバンドサウンドと相性が良いと感じます。

欠点としては、標準で付いてくるシンセなどの音源が少ないので、そういったものは別途購入する必要が出てくる点ですね。その意味でもやはり生モノ向け。

Studio Oneに関する記事

Pro Tools

録音をメインで使うなら、思い切って業界標準の Pro Tools でも良いかも知れません。

Pro Tools を導入すると、レコーディングスタジオで録ったデータを持ち帰って家で編集できたりする等というメリットがあります。

ただ、作曲というよりはやはり録音・編集向けな色が強いので、コンポーザーよりエンジニアを目指したい方にオススメです。

また、プラグインの対応形式が VST ではなくて AAX なのでそこは注意が必要です。

Ability

インターネット社の「Singer Song Writer」から派生した和製 DAW です。

スコア(五線譜)による打ち込みが出来る機能というのが独特ですが、歌ものだったりアナログな音楽を DTM に落とし込みたいニーズに最適な DAW といえます。

ボーカロイドとの連携も強化されています。最近は EDM 系に便利な機能も増えてきているみたいですが、括るならまだこちら側ですね。

ジャンル別DAW:電子系

サンプルやシーケンスを繋ぎ合わせたり、打ち込みをメインで使用したり…こちら系も凄く面白いし、よりDTMらしいかも知れません。

私自身もかねてより魅力を感じているのですが、バンドから入った身としてはどうしても身につき難くて苦戦しています^^;

Live

Ableton Live と言った方が有名ですかね。クラブやシンセサイザーミュージック系なら間違いない選択肢です。

普通の打ち込み画面の他に、サンプルを配置して狙った順番に再生させることが可能なライブビュー機能があり、これで作曲はもちろんDJプレイも出来てしまうほど。

クラブ系のエディットがしやすいエフェクトや機能も充実していますし付属のサンプル音源も豊富です。Ableton 公式で音源の拡張パックを売っているのも面白いです。

また、後述のとおり購入グレードは基本的に最上級を推奨しますが、Ableton Live に関しては Standard 版でも十分です。

Liveに関する記事

FL Studio

FL Studio もダンスミュージック系に強い DAW として有名です。EDM界のスーパースターである故 Avicii も FL Studio ユーザーだったとか。

「シーケンスやパターンを並べる」という考え方に特化したような作曲ビューで、直感的にアイディアベースでの作業がしやすいです。なんというか非常にクリエイティブな DAW だと思います。打ち込みもとてもやりやすい。

また付属の音源サンプルやソフト音源が非常に豊富です。特にソフト音源に関しては、Harmor など第一線級のソフトシンセがデフォルトで入っていたりして非常に強いです。

FL Studioに関する記事

Bitwig Studio

Ableton Live の開発メンバーが独立して立ち上げたのがこちらの Bitwig Studio です。

基本的な方向性は Ableton Live に近く、エレクトロミュージックの音楽制作とライブパフォーマンスに強みを持つ DAW ですが、こちらの方がやや制作やエディット方面にウエイトが置かれているようです。

モダンで派手な「クラブっぽい」GUIも素敵です。

ジャンル別DAW:万能系

生モノ系とか電子系とか、どっちもやるしそれじゃ選べないよ、という場合もあると思います。(分けておいてなんですが…)

そういう時は得意不得意の特徴が少なくバランス良いタイプの DAW を選択すると良いと思います。勿論そういうものもありますからね。

Cubase

万能選手といったらやはりこれ、Cubase でしょう。

エレクトロポップのカリスマ・中田ヤスタカ氏から、Djent の神・Meshuggah まで、ユーザー層は幅広いです。

私自身はあまり触ったことがないのですが、上記の通り使用アーティストが幅広く且つ間違いない感じなので、迷ったらこれで良いんじゃないかなと思っています。

Logic Pro

Mac 専用、Apple の公式 DAW ですね。Final Cut の音楽版。Garageband とは違ってちゃんとしたガチ DAW です。

操作性が Mac 的なので、Mac に慣れているユーザーには使いやすいと思います。(ただし勝手な仕様変更が多いのもMacというかApple流)

Cubase とは違って DAW としては安価なのもポイントですね。他の DAW と違って購入が App Store なのと、プラグインの対応形式が VST ではなくて AU なので注意。

DAWの購入グレードは最上位がおすすめ

大体どの DAW でも、グレード展開が3種類前後あります。最上位がフルバージョンで、下に行くほど機能制限がかかる感じです。

このうち一番下のグレードについては、オーディオインターフェースなどを購入した際におまけで付いてくるものです。機能制限も激しいので購入すべきではありません。

なぜ最上位グレードが良いかというと、慣れてきてトラック数や追加購入したプラグイン数が増えてくると、機能制限があるバージョンでは絶対に足りなくなってきます。であれば最初から上位版を買ってしまった方が良いでしょう。

一部 Ableton Live などのように中位グレードでも十分使えるものもありますが、基本は最上位推奨です。

まとめ

いかがでしょうか。DAW を選ぶ基準について参考になればと思い書いてみました。

他にもDAW製品は色々とありますが、利用者数が多いメジャーどころは今回挙げた製品たちになるかなと思います。

何を買うべきか迷っているうちは情報の多いメジャーな製品から選んだほうが無難だとも思いますし、紹介内容は意図的に絞りました。

前述した通り、結論としては別にどの DAW を買っても問題はないのですが、せっかくなら少しでも自分に合った性格の製品を入手できると良いですよね。参考になれば幸いです。

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