DAWがフリーズや強制終了をする原因と対策方法
DTMでの作曲作業中に、DAWが突然フリーズしたり強制終了したりして、これまでの作業が台無しに…。そんな経験をしたことはないでしょうか。今回はそれらの現象が発生する原因と対策方法についてまとめました。
原因はCPUパワー不足
DAW がフリーズや強制終了する場合、故障等でない限り基本的にパソコンのCPUパワー不足が原因であると考えられます。
CPU パワーを不足させないためには、Core i7 搭載などのハイスペックなパソコンが必要ですが、使い方次第ではハイスペックPCでも落ちるときは落ちます。
基本的には必要な投資として、DAW を動かすパソコンはスペックの高いものを購入するか、もしくはハイパワーな CPU に交換すべきではあります。
そこをケチると作業効率が非常に悪くなり、作曲以前のところで躓いてしまいますからね。
とはいえ落ちるときは落ちるので、ここではPCやDAWの扱い方に気を使って、少しでもDAWのフリーズや強制終了を減らすための対策をご紹介します。
パソコン内部データの掃除・最適化をする
パソコンの中のデータも、掃除をしないと散らかっていきます。
散らかってくるとパフォーマンスが下がってくるので、定期的にパソコンのメンテナンス=内部のデータのお掃除や最適化をしてあげた方が良いです。
具体的には、溜まってくる不要なシステムデータやキャッシュのクリア、レジストリクリーン、デフラグ、不要なバックエンドプロセス・スタートアッププロセスの停止などですね。
「何言ってんの?」となるかもですが、詳しい知識がなくてもクリーナー・チューンアップ系のソフトで簡単に処理できます。
レジストリクリーンなどは賛否あるみたいですが、最近はPCもソフトもクオリティが上がってきていますし、事故が起きたような話は聞いたことがないですね。
その辺りが気になるなら、有料ソフトを使ったほうが信頼性が高いと思います。下記のアバストはセキュリティソフトとしても実績があるのでおすすめです。
> PCのパフォーマンスが大きく改善【アバスト クリーンアップ プレミアム】
Macだとこちらですね。
> CleanMyMac X | Macを新品同様にクリーンアップ
作業中はDAW以外のソフトを立ち上げない
CPU の処理を全て DAW に集中させるため、作業中は DAW 以外のソフトは全て落としたほうが良いです。
特に動画や音声が再生出来る環境が一緒に立ち上がっているとバグりやすくなる気がします。(体感ですが)
DAW と同時に Photoshop などの重いソフトを立ち上げていたら、スペランカー並みに死にやすくなります。
DAWの最適化
パソコンを最適化したら、DAW も最適化出来る部分は最適化しましょう。
具体的には、読み込む必要のないオーディオデータなどを読み込んでしまっているものをクリーンしましょう。
一度貼り付けたけどいらなかったサンプル素材や、録音時のボツデータなどがトラックに表示されていなくても読み込まれていたりします。
※恐らく DAW によりますが、私が使用している Studio One は意図的に消さないと履歴分のファイルが全部読まれてしまいます。
例:Studio One の場合はこんな感じ
画面右のブラウザから「プール」を選択すると読み込まれているデータが一覧されます。
プール内を右クリックすると、画面のような項目が出てきますので、「使用されていないファイルを削除」してしまいましょう。
これで結構、場合によっては劇的に軽くなります。
プラグインの同時立ち上げ数を減らす
ソフト音源にしろエフェクトプラグインにしろ、プラグインの動作は多かれ少なかれ CPU パワーを消費します。
沢山立ち上げていればいるだけ CPU 負荷も大きくなっていきます。
なので極力プロジェクト内の同時立ち上げ数を減らすことで、 CPU パワーを節約することが出来ます。
確定したトラックはオーディオに書き出してしまうなどして、工夫していきましょう。
ちなみに Waves のプラグインなどは非常に軽量なものが多く、あまり気にせずに使っていけますが、新しいプラグインほど高性能になったぶん CPU 消費量も多くなっているものが多いです。
あとはアンプシミュレーターはどこの製品もかなり重量級ですね。音が決まったら書き出すべし。
レイテンシーを大きくする
オーディオデバイスのレイテンシー設定を大きくしてくと、CPU パワーを節約することが出来ます。
レイテンシーを短くすることに結構な CPU パワーを使うんですよね。
スペックの低いパソコンだと、そもそもレイテンシーを詰められなかったりもするのですが…。
レイテンシーを大きくすると音が時間差で聞こえてくる感じになって気持ち悪いですが、録音をする時以外は、慣れてしまえば多少は問題ないはずです。
また CPU パワー消費の割にレイテンシーを詰めやすいオーディオインターフェースもあるので、そういうものを取り入れてみても良いかもです。
下記の Zoom UAC-2 などですね。
レビューも書いています。
録音の際はどうすれば良い?
録音時はさすがにレイテンシーを詰めないと厳しいですよね。
なので基本はこれまでに書いたレイテンシー以外の方法を全部試して頑張っていただき、それでも厳しい場合は録音専用のプロジェクトファイルを作ってしまうのも手ですね。
パソコンを買い換える
どうにもならない時はいよいよパソコンの買い換えが選択肢に入ってきます。
パソコンも消耗品ですので、長年使っていると不具合が多くなったり、動作が遅くなったり(≒実質的なスペックが下がったり)します。
パソコンの寿命は製品や使い方にもよりますが、大体5~7年くらいになります。
それより古いパソコンを使っていて不具合が多い場合は、今後もどんどん悪化していく可能性が高いので、思い切って買い替えた方が良いでしょう。
また、そもそもやっている事に対してパソコンのスペックが足りてない場合なんかも買い替えが必要でしょう。
おすすめの DTM 用パソコンについてはこちらを御覧ください。
まとめ
DAWがフリーズや強制終了をする原因はCPUパワー不足であり、対策として考えられる方法は以下となります。
- パソコン内部の最適化
- 作業中はDAW以外のソフトを立ち上げない
- DAW内部の最適化
- プラグインの同時立ち上げ数を減らす
- レイテンシーを大きくする
- パソコンを買い換える
DAW が落ちて作業が止まったりデータが消えたりするのって当然ですが作業効率が悪いですし、モチベーションの低下にも繋がりますのでマイナスでしか無いですよね。
まずは手持ちのパソコンで性能をフルに発揮できるように工夫をしてみつつ、それでも駄目な場合は買い換えを検討してみてください。
参考になれば幸いです。