ギターとベースの低域の兼ね合いについて【ミキシング】
ギターとベースにおける低域のバランス。私の場合低域が膨らみ過ぎてしまう場合が多いので、極力迫力を損なわずにスッキリさせる方法を考察します。
低域を整理する必要性
まずギターのベースの低域を制する必要性について考えたいと思います。
前提として、中音域の楽器であるエレキギターにも低域成分が含まれています。どういう音かというと、箱鳴りのようなゴォォォというような感じで、必ずしも音楽的ではない音です。
一方で低音楽器のエレキベースには、当然低域成分が多く含まれています。しかしエレキベースの低音感のおいしいポイントは、低域と言われる領域の中でも上の方の100hz台です。
そしてミキシング全般に言えることとして、低域成分はエネルギーが強く支配的です。
つまりどういう事かというと、適切に処理をせずに不要な成分が出たままになっていると、籠りやマスキングの原因になりやすいということです。
ギターやベースのそれぞれのおいしいポイントを活かし、輪郭や「らしさ」を適切に出すためには、余計な低域成分をカットしつつ必要な帯域の棲み分けをする必要があると思います。
ギターの低域を抑える
アナライザーを見るとモリモリになってしまう帯域は大体80~200hzくらい。この辺はベースの主要な帯域かつギターのローエンドに当たる部分です。ここがガッツリ被っているっぽい。
ここはどちらかというとベースの持ち領域なので可能な限りギターを削りたいです。
ギターのローのピークは大体180~200hz辺りにあるなので、そこから下をシェルビングで削ります。 聴きながら音が変わらないギリギリのところまで落とします。
これで相対的にベースが抜けてくるようにもなるので、ベースのボリュームを下げることも出来る可能性が出てきます。
ベースをステレオトラック化
ベースのトラックをステレオにしてイメージャー等で少し調整(ステレオナイズド化)してやると聴感上大きく聴こえるようになるっぽいです。これで音量を上げずにベースを抜けさせることが出来ます。
ついでにイメージャーで上の帯域の方を大き目に広げてやるとベースの質感の部分=アタック感やバキバキ感もかなり出すことが出来るのでおすすめです。
ギターのMIDを抑える
M/S処理にて、上記のギター低域を抑える処理を、MIDのみやや強めに適用します。質感を変えずにより繊細な調整ができます。
場合によってはMID全体を下げることも検討すべきです。
低域をまとめて抑える
どうにもならない場合はバストラックやマスタートラックにマルチバンドコンプやダイナミックEQを挿してまとめて抑えてしまいましょう。
質感は結構変わるというか、やっぱり多少細くなる感じはありますが…そこは腕の見せどころかもしれません。
リファレンス音源をよく聴く
やっぱりこれに尽きるかなという感じはしますね^^;
低域の量感がほしくて結構ベースを盛ってしまうことが自分は多いのですが、リファレンス音源を聴くとベースはそんなに主張していない場合が多いです。
メタル、ハードコア系、特にブラックメタルとかだとベースは添え物である場合も多いですね。
おすすめプラグイン
音が被っているマスキング帯域を表示してくれる機能があるNeutronがおすすめです。