メタル・ラウド系のミキシングで大事な5つのこと
ミキシング研究を兼ねつつ音源を制作しています。その中で色々見えてきた事をまとめました。素人目線ではありますがラウド・メタル系ミキシングの参考になれば幸いです。
アナライザーとリファレンス音源をちゃんと確認しよう
過去作った作品はこれらをやっていませんでした(汗
同じものをずっと聴いていると客観性がなくなってくるので、客観的に判断できる材料としてアナライザーとリファレンス音源を確認する事はとても大事だと思いました。
特にアナライザーは必須かなと思います。客観視を非常に助けてくれる。全体の周波数バランスがちゃんと設計できていないと、違うスピーカーで聴いたときにとんでもないバランスになっていたりします。。
特定の環境で聴いた時だけカッコよくてもダメですね。
ギターのM/S処理① とても効果的だけどやりすぎ注意
以前はM/S処理というのがそもそも何ぞや?という感じでスルーしていました(汗
M/S処理に関する詳しい話はググっていただくとして、ざっくりステレオ音源をL/RではなくMid/Sideにわけて処理をするというものです。
特に私のやっているハードコアやメタル系の音楽は、ギターをメイン楽器として全面に出す必要がありますが、2本又は4本録音して左右に振り分け、迫力と広がりを出すのがセオリーです。
ここにM/S処理を適用し、サイドを上げてさらに広がりと音量を稼ぎつつ、競合の多いMidを調整してボーカルやスネアやベース等をクッキリ聞こえるようにします。
このテクニックは是非取り入れた方が良いです。
ただしやりすぎると音量だけデカくてペラッペラになるので要注意。
ギターのM/S処理② Sideのローとハイをカットしよう
ローカットはギターでは必ずすると思うのですが、Sideは特にきっちりカットしておくことで余計な膨らみを抑えることが出来て、ギター自身や他楽器の輪郭をはっきり出すことが出来ます。
大体100~120hzあたりからバッサリ行くとよいでしょう。
ハイカットはSideだけで良いですが、8k~10khzあたりから上をバッサリ行くことで安定感が増し、腰が据わった感じになります。
逆にシューゲイザーみたいにブワァァァァァってさせたければ上げてもよいと思います。
ベースとキックの棲み分けは、ベースが上
ベースとキックの棲み分け。難しいポイントの一つだと思います。どっちが上でどっちが下なのかなど、ググると色々出てきますが、ことバンドサウンドに関しては、ベースが上でキックが下、が正解です。
エレキベースは、超低域が出過ぎていると、
・輪郭がぼやける
・他パートをマスキングする
という要素が強くなります。
バンドマンならスタジオ練などで「ベースのローが出過ぎていて他なんも聞こえねぇ」みたいな経験ないでしょうか?これはそういうこと。
また、低域以外にも大事な周波数ポイントがたくさんあるのがエレキベースという楽器です。一方生のバスドラムは低域以外だとアタックの高域が重要になってくるのみ。
なので、ベースには音程感を担う低域を担当してもらい、キックに音圧感を担う超低域を担当してもらうのがベターです。
というわけで、ベースは低域のピークを80~100hzあたりに調整し、80hz付近から下はバッサリカットしてしまいましょう。
キックはピークを60hzあたりに調整し、こちらはローカットなし。これでそれぞれがちゃんと聴こえるようになるはずです。
ダイナミクスを均そう
メタルとかハードコアって、ぶっちゃけ、全パートが全開で鳴りっぱで、ダイナミクスも何もないと思わるかも知れませんが、よく聞くとそうでもないです。
各パートごとに、微妙な音量感の変化を更に均すことでトラックの安定感が全然違ってきますので、コンプレッサーや時にはリミッター/マキシマイザーを上手く活用したいところ。
ダイナミクスを均す際、普通はコンプでしょうが、このジャンルだとバストラックにマキシマイザーを使ってるような感じの音は結構見ますので(実際どうしているかはわからないが)、リミッター/マキシマイザーで均すこともありなのではないかと思います。私は結構使います。
マキシマイザーを中心に色々試してみて良かったやり方としては、
ギター、ドラム:
各トラックをバスにまとめ、バスコンプをかけてからリミッターで叩く。どちらもリダクションは-2~3db程度で軽めに叩くのがポイント。バスコンプはギターだとSSL、ドラムはハイパスサイドチェイン搭載のモノが良いです。リミッターは今のところギターはL2かL3LL、ドラムはL1が良い感じでした。
ベース、ボーカル:
ベースは-3~-6db、ボーカル(シャウト)はそれ以上、結構ガッツリ潰してOK。L1で歪ませつつ潰すと良い感じです。ボーカルは明るさを出したければL3LLでも良いと思います。
おすすめプラグイン
Waves(というかL系)は古いプラグインなので解像度感は高くないですが独特のザラついた感じがラウド系とは相性が良いように思います。
あとはやっぱり Neutron、Ozone があれば、ほぼ確実にクオリティが担保されますね。単体プラグインもとても優秀で、Wavesとは違った無色系の自然な質感です。