【ML Sound Lab】Amped ML5 レビュー【Mark V】
ML Sound Lab の アンプシミュレーター、Amped ML5 を紹介したいと思います。執筆時点で最新作ということもあり、ML Sound Lab の実力をとても感じられるプロダクトです。
Amped ML5 とは
Amped ML5 は、ML Sound Lab が販売しているギター用アンプシミュレーターソフトです。
クリーン、ロー、ハイゲイン全体をカバーする、カリフォルニアのブティックアンプのフラッグシップモデルをモデリングしているとのこと。
この説明然り、アンプの GUI からしても明らかですが、モデリング元は Mesa/Boogie Mark V だと思います。
個人的に Mark V といえばポストメタルの Intronaut が浮かびます。上記デモ動画からも伝わりますが上品なハイゲイントーンが良いですね。
Mark V のアンプシミュレーターというだけでも貴重ですが、プラグインとしてのクオリティも高く素晴らしい。
Amped ML5 の特徴と使い方
こちらがメインとなるアンプビューです。
少し見ずらいですが、アンプの操作項目はほぼ実機同様と言って良い感じです。(実機も見ずらいです)
クリーン、クランチ、ハイゲインの独立3チャンネル仕様で、3つのチャンネルが横一列に並んでいます。
更に5バンドのパラメトリック EQ もその右に配置されており、詰め詰めになっている例のやつ。笑
各チャンネルは4つの EQ (Bass, Mid, Treble, Presense)とゲイン&マスターでツマミが6つあり、それプラス質感を変えるスイッチが2つ付いています。
このような仕様のため音作りの幅が半端じゃなく広いのが特徴ですね。
そのぶん音作りを詰めるのは大変なのですが、プラグインの特権としてプリセットが沢山入っているので助かります。
Mark I ~ IV を再現したプリセットもありますね。(そもそも Mark V が I ~ IV 全部盛りみたいなアンプですが)
こちらが画面右上の「PEDALBOARD」をクリックした図。
このようにペダルエフェクターが4つ出てきます。
アップするとこんな感じ。ノイズゲート、オーバードライブ、ディレイ、リバーブという利用頻度の高い4種盛りです。
各ペダルの項目や音は至ってオーソドックスで、無難に扱いやすいです。個人的な好みとしてはリバーブはもう少し濃密な方が好きですが。。
アンプビューに戻ってパネル一番右の部分のアップです。
ここはプラグインオリジナルの部分で、左から最終的なアウトプット、ペダルボード全体のオンオフ、キャビネットシミュレーターのオンオフです。
付属キャビネットは1種類のみで調整項目とかも特にないので、キャビの音作りを詰めたければ自分で IR を用意してね、という仕様ですね。
Amped ML5 の感想など
再現度が高い
使ってみた第一印象として、モデリング元のアンプの再現度が凄いです。
Mesa Mark V のあの音がしっかり鳴ります。
濃密なミドルと上品なトーン、そして輪郭のはっきりした若干硬めの音。完全に Mark 系のサウンドがしますね。
そして使えば使うほど、やはり再現度の高さに驚かされる次第。素晴らしいですね。
Mark V らしさ
Mesa/Boogie Mark V 及び Mark I ~ IV (Mark シリーズ) について簡単に補足すると、Fender アンプのカスタムをルーツに持ち、Marshall などのブリティッシュ系とは全く毛色の違う音がするアンプです。
ブリティッシュ系の軽快な感じとは一線を画す、濃厚なアメリカンサウンドといった感じ。
スタジオによく置いてある Marshall とは全く音が違うので、慣れないと音作りに苦戦しやすいアンプでもあるのですが、うまく作れればクリーンからハイゲインまで非常に上品なトーンが魅力的です。
Amped ML 5 ではその辺りの特徴を本当によく捉えていると思います。
上級者向け
上記のような Mark シリーズの特徴は、プログレ方面に使用者が多い理由の1つになっていると思われます。Dream Theater も使用していますよね。
そのため上級者向けのイメージつきやすいですが、実際上級者向けだと思います(笑)
プログレやテクニカル系特有のジェントルなトーンといえば分かるでしょうか。ああいう使い方をされる事が多いわけですね。(勿論それだけではないですが)
私自身も、デモ動画や色々な試奏動画を参考にトーンを詰めてみましたが、やはり非常に難しく、玄人たちのようなトーンにはなかなか出来ませんね。。
そして、そもそも演奏がうまくないとこのトーンを活かせない感じがします(知ってたけど)。クリーミーなクリーンなど非常に魅力的ですが…。
初心者は下手にプリセットから弄らない方が良いかも知れません。
ハイゲインはドンシャリ推奨
もう1点特徴としてあるのが、ミドルが非常に強いため、歪みを上げていくと思いっきり籠もります。
そこで、5バンドパラメトリック EQ を V 字型に設定するんです。
実際ハイゲイン系のプリセットでもこうなっています。
マジかよって位ドンシャリですが、これで丁度良いくらい。ドンシャリハイゲインを嫌うにしても、ここから少しずつ中央の750hzを上げて様子を見るような設定がおすすめです。
ハイゲインも、Mark シリーズにしか出せないトーンがあるので是非試してみて欲しいところではあります。
まとめ
めっちゃくちゃ Mark V なアンプシミュレーターでした。
Mark シリーズのアンプシミュレーター自体が少し古い Amplitube くらいにしか無かった中で、より現代的な技術力を感じる ML Sound Lab から Mark V が出てきたというのは歓迎されるべきことだと思います。
元のアンプの特性もあって、必ずしも初心者向けではありませんが、興味がある方にはこのクオリティは是非体感して欲しいと思う次第です。
商品情報
公式から購入可能です。
購入にあたっては、先にフリートライアル版をインストールして、フリートライアル版から発行されるキーを入力する必要があります。
試して気に入ってから買ってね、というスタンスなのでしょう。
フリートライアル版はこちら。