【ベース】テーパーコア弦を使ってみた【どうなの?】

ベースのテーパーコア弦というものを試してみました。多弦ベースを使う人にとっては比較的ポピュラーなものかも知れませんが、ダウンチューニングにも相性良さそうです。

テーパーコア弦とは

テーパーコア弦のイメージ

テーパーコア弦、テーパー弦と呼ぶこともあるようですが、これって何でしょうか?

まず上記の写真をご覧ください。

この写真のものがテーパーコア弦なのですが、ボールピース側の数cm、ブリッジに乗せる部分が細くなっている事がわかるかと思います。

以下は記事サムネイルと同じ写真ですが、ブリッジに乗せるとこんな感じになります↓

テーパーコア弦を張ったイメージ

このように、ブリッジに乗せる部分が細くなっているものがテーパーコア弦と呼ばれるものです。写真は4弦ですが、5弦ベースの5弦だけテーパーになっているものなどが一般的のようです。

テーパー部分を芯線だけにして限界まで細くしたエクスポーズドコア弦というものもありますが、それはまた別の機会に。

太い弦のデメリットを解消できる

テーパーコア弦では、なぜブリッジに乗る部分をわざわざ細くするのしょうか?

ベースの4弦や5弦の太い弦を張る時って、ブリッジに乗せる時に綺麗に折れ曲がってくれ難くくて、どこかスッキリしない感じがしないでしょうか?

これって、自分で張っていてスッキリしないだけでなくて、楽器の性能としてもあまりよろしくないことになっていたりする場合があるんです。

ブリッジのところで弦に角度がついて折れ曲がるわけですが、太い弦ほど折れ曲がるのに強い力がいるわけですよね。

その強い力によって余計な抵抗が生まれてしまってサステインが伸びなかったり、馴染むのに時間がかかるが故にセットアップして時間が経ったら弦高などの状態が大きく変わっている…なんていうことが起こり得ます。

テーパーコア弦は、太い弦のこういった悩みを解消してくれます。

テーパーコア弦のメリット

では具体的にどういったメリットがあるのか見ていきましょう。

サステインが伸びる

太い弦を張ると音が詰まる感じがして、サステインが伸びにくくなったり、ベースの構造によっては最悪ミュートがかかったような音になってしまうことがあります。

(ブリッジに乗せる弦の角度が大きくなるほどこの傾向にあるようです)

テーパーコア弦では、ブリッジのところで余計な力がかかる事を防げるため、太い弦でもサステインが伸びやすくなります。

実際に弾いていても太い弦特有の詰まった感じがしなくなって伸びやかな音になったことを実感できました。

弦高を下げられる

太い弦を張ると、自弦の太さによってブリッジに乗る部分が盛り上がってしまって弦高が高くなりますよね。

ブリッジ側で調整して下げるのにも限界があったり、且つむやみに弦高を下げるとビリつきが発生したり更にサステインが減衰したりして鳴りが悪くなったりもします。

なので太い弦を張るときって弦高を高めにせざるを得ないんですが、テーパーコア弦では自然に弦高を低くすることが出来ます。不思議とビリつきも少ないですね。

弦高を高くしすぎると…

弦高を上げすぎて失敗したイメージ

私は演奏が下手なので、4弦の弦高を高くしている際に特有の演奏ミスがありまして…。

写真がそのイメージなのですが、3弦を弾きながら人差し指の頭で4弦を触ってミュートしようとしたときに、指が弦の下に入ってしまってミュートに失敗することがあります…。

4弦の弦高を高くしすぎない事によってこういったミスが防げるんですよね。

デメリットもある

一見良い事尽くめなテーパーコア弦ですが、デメリットもあります。

不自然に感じる場合がある

5弦などの太い弦だけをテーパーコア弦にした場合、それ以外の弦との音の繋がりが不自然に感じる場合があるようです。

個人的には振動特性が1つ細い弦と近くなったことでむしろ自然になったように感じましたが、好みや竿によっても違うのかも知れません。

もし違和感を感じる場合は通常の弦を使用したほうが良いですね。

調整が必要

ブリッジに乗る部分が細くなることで、同じゲージの通常弦を張ったときとはバランスが変わります。

主に弦高が変わります(テーパーの方が低くなる)が、オクターブなんかも調整が必要になってくる場合があります。

私のベースも4弦をテーパーコア弦にしたらオクターブが若干ずれましたので調整が必要な感じでした。

テーパーコア弦に張り替えたら各種適切なバランスに調整しましょう。個人的には楽器屋があまり好きではないので自分で調べて調整してしまいますが、もし不安ならショップに持って行っても良いと思います。

ダウンチューニングにも最適

テーパーコア弦を張ったイメージ

5弦ベースの5弦に張るイメージの強いテーパーコア弦ですが、4弦ベースのダウンチューニングにおいても相性良しです。

上記また同じ写真ですみませんが、私がバンド活動で使っているベースはドロップCチューニングを採用しています。ギターがドロップチューニング基準で曲を作る都合で、合わせないとやり難いんですよね。

ベースの LowC に最適なゲージは .120~.125 くらいになるのですが、普通の4弦ベースの4弦にこのゲージを張ると結構パツンパツンというか、上記で説明した音が詰まる感じが結構出てきてしまいます。

そんなに太い弦を張るための設計になっていませんから仕方ないです。

そこでテーパーコア弦です。4弦に .125 のテーパー弦を張ったところ、LowC でもテンション感を担保しつつ自然な鳴りを得ることが出来ました!

ダダリオのバラ弦で理想のゲージセットを自作

上記の通り、ドロップCチューニングの4弦にテーパーコア弦がバッチリだったわけですが…だがしかしそんな都合の良いゲージセットなど売っていません。

そこでバラ弦です。バラ弦を4本買って理想のゲージセットを組みます。ダダリオの定番 XL シリーズであればバラ弦の展開が非常に豊富なのでそれが可能です。

今回ドロップC用に購入したゲージは、1弦から、.55 .70 .95 .125T になります。4弦のTはテーパーコアのTです。また地味に同社の Balanced Tension 規格が良いので真似して2弦を少し細くしています。

ダダリオのバラ弦

セット弦を買うよりも少しだけお値段が張りますが、これで理想的なゲージセットを組む事が出来ました。ダダリオ様様です。

ダダリオ XL のバラ弦はこちら。飛び先から各ゲージにアクセス出来ます。

ちなみにダダリオの公式サイトを見ると、より上質な NYXL 弦でも同様にバラ弦の展開をしているようなのですが、取扱店を見つけることが出来ませんでした。サウンドハウスに売っていない時点で入手困難な可能性が高そうですね。

5弦用ならセット弦もある

5弦用のであれば低音弦がテーパーコアになっているセット弦の商品展開もありますのでそこまで迷わずに買えます。代表的なものを紹介しておきます。

▼リチャードココの弦は4,5弦がテーパーになっています。

▼Ken Smith のその名も Taper Core。3~5弦がテーパーです。ステンレス弦。

▼Sadowsky。5弦のみテーパーです。

まとめ

テーパーコア弦、良いですね。個人的には非常に気に入りました。

記事ではメリット、デメリットを紹介しましたが、基本的にはメリットの方が大きいように感じます。基本的にベースの話ですが、ギターも8弦、9弦となってくるとテーパーコアの有用性が出てくるんでしょうかね。

そんな感じで、多弦ベースやダウンチューニングで太い弦を使用しているベーシストの方は一度テーパーコア弦の導入を検討してみてはいかがでしょうか。