【※撤回】SoundCloud の利用規約変更について。代替えサービスを検討すべき?
音源のアップロード先として DTMer 御用達のサウンドクラウドですが、未明に利用規約が変更される旨のメールが入りました。Twitter でも話題になっていますが、内容を見る限りちょっと利用しにくくなりそうな予感…。
12/6に新しいメールが来て、アップロード制限については導入を見送るとのことです。よほど評判が悪かったのでしょうか…。
SoundCloud とは
サウンドクラウドは誰でも簡単に音源をアップロードしてオンラインで共有できる音楽専門のクラウドサービスです。
DTMer やネットミュージシャンの作品公開の場として、バンドのデモをメンバーに共有する手段として…多くの今時ミュージシャンに親しまれてきたサービスだと思います。
2010年代中頃の一部のネットミュージック界隈ではサウンドクラウドのミックスリストを中心としたシーンが出来上がっていたのも個人的には記憶に新しいです。
ですが、2017年頃には経営破綻による閉鎖の噂が出たりと、最近はちょっと傾いてきているような印象でもありましたよね。
そんな中で2019年12月9日から利用規約を変えますよというメールが届きました。
利用規約変更の内容
さてどんな規約変更なのでしょうか。英語ですがメールを一部抜粋します。
Starting today, every SoundCloud creator will be able to upload, store and download their original lossless HD files. This feature set was previously only available to Pro Unlimited subscribers. You can learn why uploading lossless HD files is an important way for you to protect your work here.
To make lossless HD file management free to all, starting December 9th, our free upload limit will change from 3 hours of audio, to 3 hours or 15 tracks. This will not impact existing uploads. Learn how this change might affect you at our Help Center.
Google翻訳を頼りながら私のクソ英語力での解読になりますが、、
まず、扱う音質を全て、これまでpro版でのみ利用可能だったロスレス形式にするとのこと。
無料ユーザーでも高音質が使えるようになること自体はありがたいですね。どうしても圧縮されてしまうサービスが多いので…。
しかし問題なのがこの次に書いてあることです。
音質向上に伴う容量を担保するために、無料ユーザーのアップロード可能量に制限がかかるとのこと。
具体的には、総再生時間3時間以内、または15曲以内になります。
これまでに上記の上限を超えている分に関しては見逃して貰えるみたいですが、それ以上は課金が必要になるということです。
どうなのよ?
3時間以内というのはこれまでにもあった制限ではあります。(これ自体も無制限から変わった際は困惑しましたが…)
15曲以内っていうのが、継続的に作品を発表していく場としては結構キツイと思います。
であればpro版を契約してくださいよというわけですが、課金してまでサウンドクラウドを利用するメリットって果たしてあるんでしょうか?
少なくとも私にはちょっと見えないかなーと思う次第。
まさに!と思ったツイートがありましたので恐縮ながら掲載させて頂きます。
SoundCloud年間プラン使ってたから毎年56$お布施してたけど今回までで解約する予定。数年間使ってきたけど特にクリエイターにとってメリットのあるようなナイスな機能が追加されることもないし、YouTubeとか他の方法で事足りちゃったりしてるのでサンクラを使う理由がなくなっちゃったんだよな。
— さくま氏 #音テロリスト (@skmmtt) December 3, 2019
というかこれまで課金していた方でも無いなと思う始末の模様…。
反対意見について
金払ってないやつが文句を言うな、とか、お世話になっていたサービスなら応援すべき、などといった意見を時々見かけます。
このような意見について、頭ごなしに間違っているとは言えませんが、個人的にはあまり賛同できません。
というのも基本的には感情論であり判断材料としては弱いと思ってしまうのが一点。それに容量が…とか経営が…というのはあくまでサービス側の事情であって我々ユーザーには無関係とも言えます。
そして何より、どのサービスを利用するかを選ぶ権利はユーザーにあります。利用するメリットがあるからそのサービスを選ぶのであって、メリットがなければ選ぶ理由はありません。
なので、新規約のサウンドクラウドに利用価値を感じられなくなったら利用をやめてしまって良いと思います。私もサウンドクラウドからは降りるつもりです。
代替サービスについて
サウンドクラウドの利用をやめると言っても、今まで活用していた方にとっては代わりのサービスが必要ですよね。
結論から言うと代わりはあります。私の知っているものを少し紹介します。
hearthis
サウンドクラウドとほぼ同じサービスです。ドイツ産。
出来ることもほぼ一緒です。アップした音源は簡単に共有や埋め込みが出来ますし、一見SNSっぽい機能があったりもします。
ただユーザー数は、減りに減った現在のサウンドクラウドと同程度かそれ以下っぽい感じなので、私も登録はしていますがこれ単体では全然再生されず広がっていかないですね。。
また無料ユーザーについては扱えるフォーマットはMP3のみでアップロードは週に500MBまでという制限があります。
特に音質面の制限がちょっと辛いですが、新規約のサウンドクラウドよりは使い勝手は良いのではないかと思います。
Youtube
というか、Youtube でよくね?
無限にストックできますし、音楽に限らず今最もアツいサービスとも言えますよね。地味にミュージシャン向けの機能もあって、配信サービスと連携することで公式音楽チャンネルとして運用ができるようになっています。
私も音楽チャンネル化したのですが、そうしたら「ミュージックビデオ」「アルバム」なる項目が勝手に増えていました(笑)私は再生数が少ないのでよくわかりませんが、何やら収益化にも繋げやすくなリそうな仕組みっぽい感じ。
注意点としては、動画ファイルにしてアップしないといけないこと。動画自体はフリーフォトなどを挿しておけば問題はないですが、動画ファイル化するのにちょっとひと手間かかりますね。
あと、音質は圧縮されます。ラウドネスノーマライゼーションという機能によって、音圧ブチ上げていても勝手に下げられますので要注意。音圧下げ目でダイナミクス重視のマスタリングを心がけたほうが良いです。
Bandcamp
というか、Bandcamp でよくね?
Bandcamp というと私のような古参ユーザーにとってはアルバムをダウンロード販売する場所というイメージなのですが、最近はシングル的に1曲単位で公開しているアーティストも多いです。
「作品をリリースする」という体に縛られる部分はありますが、埋め込み等も容易ですし活動形態によっては純粋にサウンドクラウドから移行しても問題ないように思います。
高音質での配信も可能です。
まとめ
という感じです。新規約によって無料ユーザーでも音質向上が可能になりましたが、アップロード量の制限がかなりキツくなりました。
サウンドクラウドに愛があるのあるのであれば引き続き利用して応援しても良いでしょうが、正直なところ無料ユーザーのアップロード量制限が実用レベルとは言い難く、かといって課金するメリットもあまりなく…今後も敢えてサウンドクラウドを利用する意味は特にないかな、と個人的には思いました。
一時期サウンドクラウドを中心に出来上がっていたネットミュージックシーンも現在は散り散りになってしまっていますしね。
代替サービスへ移行して良いんじゃないでしょうかね?
サウンドクラウドへ私なりの意見としては、いくら状況が厳しくてもユーザーメリットを無視してしまうと余計に苦しくなるのではないのかなと。競合や代替サービスがいくらでも出てくるような時代ですからね。
私としては今後積極的にサウンドクラウドを利用する可能性は限りなく低そうですが、引き続き動向はチェックしていきたい次第なので何かあればまた記したいと思います。