【JST】Pixelator レビュー【ビットクラッシャー】
JST (Joey Sturgis Tones) のビットクラッシャープラグイン、Pixelator について紹介したいと思います。
JST Pixelator とは
Pixelator は、JST (Joey Sturgis Tones) が販売しているビットクラッシャー系のエフェクトプラグインです。
「プロデューサー・サウンドデザイナー・ミュージシャンに向けて作られた、サウンドの設計と破壊のためのオーディオ解像度マニピュレーター」とのこと。
↑は公式説明文のざっくりとした訳ですが、こういう英語の文言って謎にカッコ付けた感じが嫌いじゃないです。笑
まあ、モノとしてはシンプルなビットクラッシャーですが、挙動が何種類か選べたり、クラッシュ具合を細かく調整できたりと、JST らしい痒いところに手が届くプラグインという印象ですね。
ビットクラッシャーとは
デジタル音声は、通常は 16bit や 24bit、またはそれ以上の Bit Depth (解像度みたいなもの) で処理されます。
これを意図的に Bit Depth を下げることによって音質変化を狙うのがビットクラッシャーです。
変化の方向としては、レトロ、ローファイ、ノイジーといった感じ。
ゲームボーイの音源が 8bit と言われますが、要は Bit Depth を下げることであれに近いような質感に変化していきます。
ビットクラッシャーは、これをエフェクターとして利用できるようにしたものです。
JST Pixelator の機能と使い方
GUI もシンプルですが、機能も至ってシンプルです。
主要な3項目に加え、バイパススイッチとアウトプットゲイン、そして Dry/Wet を調整できる MIX つまみがあるのみです。
以下、主要3項目を簡単に紹介していきたいと思います。
MODE
基本となる挙動のモードを5種類から選べます。
内部的な演算のメソッドが異なるということですが、質感が結構変わるので面白いです。
Sample Divider
選んだモードによって発生するダウンサンプリングの量を設定します。
つまみを右に回すほど効果が大きくなります。波形の表示がカクカクになっていくので解像度を下げていることが視覚的にわかるのが良いですね。
Bit Depth
その名の通りビット深度を調整します。
デフォルトはツマミが右に回りきっている状態で 24bit となっており、左に回すことでビット深度を下げていきます。
上記の Sample Divider と組み合わせて丁度良い塩梅を設定する感じですね。
JST Pixelator の所感
色々なトラックがチップチューン風というか 8bit 風というか、そういう感じの質感に近づいていくのが面白いです。
これはもう、使ってみると凄く分かると思います。
使い所はそんなに多くはないかも知れませんが、現実的な使い方の1つとして良さそうだなと感じたのが、「薄く適用してデジタル風味を付加してあげる」ような使い方。
メタルコア系の曲のオケに時々入っているような、ちょっとデジタル風味なトラックあるじゃないですか。
あれに近いようなものが比較的簡単に作れてしまいます。
なるほど、だから JST からこのようなプラグインが出ているのかと、この使い方に気付いて妙に納得した次第です…笑
もちろん強く適用して破壊的なサウンドにすることも可能ですし、飛び道具的な使い方をしても十分に楽しめると思います。
それから、パーカッション系などは特に余計な倍音や雑味のないヌケの良い音に出来る場合があるので、音作りのスパイス的に使ってみても面白いかも知れません。
まとめ
非常にシンプルなプラグインなので書くことがそれほど多くないですが、以上のような感じです。
面白いプラグインではありますが、使い所は限定的だと思います。
また、ビットクラッシャープラグイン自体はフリーでも結構出ている事もあるので、Pixelator は扱いやすいですがそれでも敢えて買う必要があるのかは若干微妙な気がしますね…^^;
私はセールの時に外のプラグインを買うついでにめっちゃ安かったので買ってみた感じです。検討するにしてもそれくらいの温度感がおすすめかも知れません。良いプラグインですけどね。