【ギター音源】Shreddage 2 と Electri6ity を比較してみた

ふと思い立って、私が所持しているギター音源2種類を比べてみることにしました。用途も若干異なる2種ではありますが、それぞれに特徴があり面白いです。ギター音源の購入を検討している方の参考になれば幸いです。

Shreddage 2

Shreddage 2 とは

Impact Soundworks 社が販売しているギター音源、Shreddage シリーズのメジャーバージョン2作目です。第2世代エンジンと言ったほうが良いかな?

読みは「シュレッデッジ」みたいな感じだと思います。

特徴としてはヘヴィ系・メタル系に特化しており7弦ギターをモデリングしていて、チューニングはLowGまで対応していることが挙げられます。Djentもいける。

ちなみに執筆現在では Shreddage 3 も出ていますが、そちらはストラトキャスター音源なので全く別物となっています。

強み

・メタル系特化のサウンド

7弦ギターをモデリングして LowG までダウンチューニングできる(当時はこれが最強だった)ことから、メタル系に強いです。初代の Shreddage もイングウェイ系のパッケージデザインでメタル系でしたが、2になって多弦ギターとなり、よりモダンな音を作れるようになりました。

多弦+比較的新しい打ち込み音源ということもあり、高解像度感かつ硬質で冷たく、チャグり系や Djent 系なんかにはぴったりかも知れませんね。(Djent は8弦も欲しいところですが)

リフ系の同じ音を Electri6ity で鳴らすのより、やはりこちらの方がモダンで強い音が出ますね。デモを見る限りではクサいソロとかもいけてますよね。

弱み

・汎用性は低い

あくまでメタル系であり、得意なスタイルがはっきりしているので、逆に言えばそれ以外では必ずしもベストな選択ではないでしょう。

チャキチャキしたカッティングとかは厳しそうですね。

・FXサウンドが微妙

Electri6ity には大量の FX、アーティキュレーションが収録されていますが、それと比べるとちょっと弱い印象。

メタル系としては、ピックスクラッチがダサいのが気になりますね。

Electri6ity

Electri6ity とは

Vir2 社から出ているギター音源で、一昔前はギター音源の金字塔的な扱いだったと記憶しています。

読みは「エレクトリシティ」で良いはず。。。

ギターのモデルは複数収録されており、奏法やFXなども大量に収録されているので非常に守備範囲が広く、追い込めばかなりリアルに鳴らせる…はず(そこまで追い込んだことはないが…)

今回は相手が Shreddage 2 なので直接的な音の比較に関してはレスポールモデルの話になります。

そういえば、 Electri6ity の続編は出ないのですかね…?

強み

・収録ギターの種類が豊富で汎用性が高い

レスポール(ハムバッカー)でメタル系もいけるし、P90タイプやストラト、セミアコなども収録されていて幅広いジャンルに対応できます。

そしてそれぞれクオリティ高いですよ。

Shreddage のような強い音ではありませんが、全体的に煌びやかで、宅録ギターではなかなか再現できないような高域のツヤがある印象です。

・FX、アーティキュレーションが豊富

ギターで出来る奏法やFX系サウンドの殆どが収録されているのではないかと思います。

キースイッチが大量にあって覚えるのは大変ではありますが、極めればやりたいことは大体できるはずです。

・Kontakt Player対応

Kontaktフルバージョンを持っていなくても大丈夫です。Electri6ityだけ購入すれば即使えます。Shreddageは、Kontakt フルバージョンが必要です。

弱み

・ダウンチューニングが LowC まで

メタル系をやりたい人には若干辛い部分ですね。それ以外の場合では何のデメリットでもなさそうですが。

・重い

収録モデルやアーティキュレーションが大量にあるので、その分読み込みがとても重いです。

ライブラリを HDD に入れてしまうと読み込みに数分かかる羽目になります。。。SSD に入れましょう。

・AIが意図通りに演奏してくれない時がある

演奏方法の判断に AI が搭載されているのですが、ある程度手動で調整できるものの、それでも想定通りに演奏してくれない場合があります。

例えば、メタリカ並みの高速ダウンピッキングなんかはやってくれません。AIが非メタラーなのでしょう。。

ここの改善は続編に期待しているのですが…上記の通り今のところ情報はないですね。

・付属のアンプシミュレーターが微妙

アンプシミュレーターが付属しているということで、別売のアンプシミュレーターを買わなくても曲が作れるかな、と思って当時奮発して買ったんですよ。

しかしこのアンプシミュレーターはあくまでおまけという感じなのか、正直使っていけるレベルではなかったです。実質サードパーティのアンプシミュレーターは必須です。

まとめ

メタル系やるなら Shreddage、それ以外もやるなら Electri6ity という感じでしょうか。

ただ、収録モデル数が多いElectri6ityの方がお値段は張りますので、同じ予算で Shreddage の色々なシリーズを試してみるのもいいかもしれませんね。

余談:打ち込みギターの使い道

私の使い方ですが、まずは作曲段階でのデモトラックは全て打ち込みで作ります。後で編集できるので、ギターを弾きながら敢えて打ち込んでいきます。

FIX したトラックには、実際に弾いて録音していきますが、その後も重ねる用途で打ち込みは残しておきます。

打ち込みだけに冷たく機械的な音像ではあるものの(Shreddage、Electri6ity共通で言えることです)、解像度感が高く煌びやかで、音粒がはっきりしておりリズムも性格なので、厚みを出すために重ねる用途としてピッタリだなと思っています。

重ね方は、メインの録音したギターよりもボリュームと歪みを下げて、パンニング LR75~80でメイン(LR100)の内側に配置する感じです。