オーディオインターフェイスの選び方【確認すべき、6つのポイント】
DTM に必須なオーディオインターフェイスですが、色々な商品があって何を選んだら良いか迷うと思います。そこで、選び方や選ぶ際に気にした方が良いポイントをまとめました。
オーディオインターフェイスとは?
オーディオインターフェイスの選び方を考える前に…
オーディオインターフェイスってそもそも何ですか?という話をします。
オーディオインターフェイスは、オーディオ I/O(インアウト)などとも言われますが、どちらも普段の生活ではあまり聞き慣れない言葉ですよね。
DTM や配信をやる上で必要になる機材ではありますが、それ以外のシチュエーションでは触れることが殆どないものだと思いますので、これから DTM 等を始める方にとってはナニソレ状態なのではないかと思います。
オーディオインターフェイスとは、PC と音楽機材(スピーカーや楽器など)を接続するための機材になります。
参考までに、私が所持している Steinberg UR-RT4 (上記写真のもの) のマニュアルに記載されている接続例はこんな感じ。こんな風に機器を接続するためのものです。
具体的には、PC と接続したオーディオインターフェイスに、スピーカーやヘッドフォンを接続することで PC の音を出力することが出来ます。
マイクやギターなどの楽器をオーディオインターフェイスに接続することで PC に録音することが出来ます。
最近では Youtube 用の動画制作や配信用途でも、音質を上げたり任意のマイクを使用するために使われることも多いようです。
「歌ってみた」や「演奏してみた」系でも必須ですね。
DTMにオーディオインターフェイスが必要な理由
PC の機種によっては標準でイヤホンジャックやマイク入力が装備されている場合がありますよね。
私の PC にもありました。(使ってないのでホコリが詰まっていますが…)
機器を繋ぐ所があるならそれで十分なのでは?と思うかも知れませんが、現実問題そういうわけにもいかないんです。
というのも、PC標準のジャックはその規格上、音質はかなり簡素なものとなっています。レイテンシーも大きいため、とても音楽用途に使える代物ではありません。
また接続端子の形状の問題で本格的な機材を接続することも難しいですし、機材を複数接続することも難しいです。
よって、DTM ないし PC である程度まともに音を扱うとなると、どうしてもオーディオインターフェースは必要なものになってきます。
オーディオインターフェイスの選び方
ということで当記事の本題です。
冒頭にも書いた通り、オーディオインターフェイスって色々な商品が販売されていて、特に初心者のうちは何を買ったら良いのか迷いやすいです。
しかも価格帯もピンキリなので余計に難しいんですよね。そんな中でも自分の用途に合ったものを選びたいところ。
ではどう選んでいったら良いのかという事で、オーディオインターフェースを選ぶ際に気にするポイントを以下に定めると良いです。
- 価格
- 解像度(音質)
- 入出力数
- 入力端子
- パソコンとの接続端子
- 付属DAW
これらの要素を比較検討して、自分の予算や目的に合ったものを選ぶべきです。
項目をひとつひとつ見ていきましょう。
オーディオインターフェースの選び方①:価格
安いものだと1万円未満のものもありますが、安かろう悪かろう的な製品を買う意味はあまりないと思います。
そもそもが音質向上を目的としている部分が大きいですから、あまりに安いものを買っても音質向上が見込めず、無意味な可能性があります。
現実的なラインとしては、最も安い価格帯で1万円台中盤~2万円弱くらいで見ておくと良いと思います。
なお上はキリがないですが、コンシューマー向けのものなら10万円~20万円くらいが超高価格帯のものになるかと思います。業務用だともっといきますけどね。
基本的に価格が上がれば音質も上がると思って良いです。ただし、音質が同じでも入出力数が多いことで価格が上がる場合もあり。
オーディオインターフェースの選び方②:解像度(音質)
音質に関わる音の解像度の指標として、ビットレートとサンプリングレートというものがあります。
現代の基準であれば、24bit / 48khz 以上あれば問題ないです。
CD だと 16bit / 44.1khz なのですが、各種配信など現代のスタンダードでは 24bit / 48khz になります。
現在新品で買えるオーディオインターフェイスがこの基準を下回ることは殆どないですが、上述したような安すぎるものだとその限りではない可能性も…。
逆に、拘りたいなら 32bit / 192khz など、より高いレートを扱える機種を狙っても良いと思います。
しかし実際に高レートを使うとなると、パソコンのスペックがかなり必要になるのでその点はご注意を。
オーディオインターフェースの選び方③:入出力数
楽器やマイクを同時に挿したいなら、入力が複数必要です。
出力に関しても、スピーカーを複数繋ぎたい、ヘッドホンを複数繋ぎたい、という場合は出力数が多いものが必要になります。
ただ、多ければ良いというわけでもなく、入出力数が増えれば価格が高くなりますし、物理的に筐体が大きくなります。
コスパ重視のシンプルなものだと 2in / 2out (入力が2本、出力がLRの1系統) のものが多いですね。これをミニマムとして捉えると良さそう。
シンプルな環境構築であれば 2in / 2out で十分だったりするのですが、自分の環境に必要な入出力数を選ぶことが大切です。
オーディオインターフェースの選び方④:入力端子
入力端子に何のジャックが入力できるか。これは一応確認した方が良いです。
入力端子の形状
画像は XLR とフォンのコンボジャックで、これであればマイクでもギターやベースでもこの端子に入力が可能になります。
殆どの場合がこれですが、たまにそうでない場合もあるので、自分が入力に使う予定の機器及びジャック形状が対応しているかを確認した方が良いです。
ギターやベースを直接接続する場合
ギターやベースを直接接続する場合は、入力に Hi-Z というものがあるかを確認する必要があります。
これはギターやベースのハイインピーダンスな入力に対応するための機能で、これがないと別途 DI が必要になります。
コンデンサーマイクを接続する場合
コンデンサーマイクを接続する場合は、入力にファンタム電源というものが必要になります。動作に微弱な電気が必要なんです。
入力端子の近くに「+48V」みたいなスイッチやランプが付いていればそれが該当します。殆どの場合付いていますが一応確認を。
オーディオインターフェイスの選び方⑤:パソコンとの接続端子
パソコンと接続する際の接続端子を気にする必要があります。
自分が持っているパソコンと購入したオーディオインターフェイスの接続端子が合っていないと接続できないので、間違えないようにしたいところ。
基本は、USB (2.0/3.0) か Thunderbolt (USB-typeC) になると思います。
Windows は基本 USB、Mac は Thunderbolt のみか、USB と Thunderbolt 両方対応かが個体によって違います。
古い Mac だと Firewire というものもありますが、新品で買えるのかは不明。
なんにしても、自分のパソコンの規格を確認したうえで、必ず接続が可能なオーディオインターフェイスを選んでください。
オーディオインターフェースの選び方⑥:付属DAW
オーディオインターフェイスの機種によっては、DAW の下位グレードが付属しています。
配信用途などで簡単な録音・編集のソフトが欲しい時には助かると思います。
DTM 用途ではフルグレードの DAW がほぼほぼ必要になりますが、オーディオインターフェイスに付いてきた下位グレードの DAW を持っていることで、上位版へのアップグレード割引が適用できる場合もあるのでお得です。
付属 DAW が何かでオーディオインターフェイスを選ぶというのは手段と目的が若干ズレてると言えなくもないですが、とはいえ一要素として気にしてみる価値はあると思います。
ちなみに DAW の選択肢については下記で詳しく書いています。
オークションや中古品には注意が必要
オーディオインターフェースを購入する際に注意したい事ですが、オークションや中古品を購入する事です。
オーディオインターフェースって、ハードウェアとは別にソフトウェアが付いてきたり、それらの認証をオンラインでやる必要があったりします。
その辺りをよく理解して購入しないとと、ハードウェアだけ手に入ってもそれらの機能を使えずに後悔する可能性があります。販売側が把握していない事もありますからね。
ハードオフなどのリサイクルショップでもオーディオインターフェースや DTM 機材系のソフトを取り扱っていない場合が多いのは、こういった事情によるトラブルを避けるためと思われます。
出来れば極力新品を購入する方が安全です。
まとめ
オーディオインターフェイスの選ぶ際のポイントについて解説させて頂きました。
基本は、目的に合わせて予算を決め、自分の環境に適合するものに縛り、その中から選んでいく感じになると思います。
オーディオインターフェースって楽器屋で試用が出来ないので選ぶのが難しい部分はどうしてもありますが、だからこそ紹介記事やレビューなどでよく調べてイメージに近いものを選んで頂けると良いのかなと思います。
是非、気に入った機材を見つけて頂ければと思います。