Steinberg UR-RT4 レビュー【Neveトランス】【音質重視】
Rupert Neve Designs のトランスを搭載したオーディオインターフェース Steinberg UR-RT4 について、コスパと音質を両立しているか?レビューしたいと思います。
Steinberg UR-RT4 とは
Cubase などでお馴染みの Steinberg 社が2018年から発売しているオーディオインターフェースです。
このシリーズは 4in/2out の UR-RT2 と 6in/4out の UR-RT4 の2種類出ていまして、悩み抜いた末に拡張性を考慮して in/out 数が多い方の UR-RT4 を購入しました。
この UR-RT2/4 ですが、モノとしては、エントリー~ミドルクラスのコンシューマー向けオーディオインターフェースのインプット部分に Rupert Neve Designs のトランスフォーマーを搭載したものになります。
Rupert Neve Designs といえば、コンソールやマイクプリなどで数々の伝説の名機を残してきた Rupert Neve 氏が現在率いているメーカーです。そのようなメーカーのトランスがインプットに付いているということで、決して超高価なオーディオインターフェースではないながらも録音時の音質向上が狙えるというわけですね。
ちなみに、現在 Steinberg は YAMAHA 傘下で本製品の開発は主に YAMAHA が主導で行ったようなので、実質 YAMAHA × Rupert Neve Designs のコラボ商品とも言えるかも知れません。
外観など
ということで購入した UR-RT4 の外観などを紹介していきます。
箱はなんというか平成初期っぽい「機材感」強めな印象です。個人的にはこのパッケージデザインはあまりそそらないw
中身を取り出すと本体はアルミの筐体がとても格好良いです。こっちはメチャメチャテンション上がりますw
上から見ると Rupert Neve Designs のトランスを見せつけるようにスリットが入っています。個人的には上からはあまり見ないのと、中にホコリが入るのが嫌なのでテープで塞ぎました。。
大きさは BIAS Mini とほぼ同じくらいでちょっとびっくり。奥行きが数センチ小さいくらいで、縦横はほとんど一緒ですね。この組み合わせを所持している人が果たしてどれだけ居るのか謎なので参考になるかわかりませんが…。
設置してみたの図。88cm幅のPCデスクの下部分ですが、ラックタイプの電源モジュールの隣にまあまあピッタリで収まりました。
クリアでフラットな音質
UR-RT4 の素性としての音質面は、思っていたよりもしっかりしていました。
基本的な音の感じは、録音、再生ともに癖が少なくクリアでフラットです。解像度感もかなり担保されており自然に明瞭で、安いオーディオインターフェースに見られるチープなビットレート感や変な籠もりなども当然のごとく皆無な感じです。
アウトプット音量にはかなり余裕があり、私はあまり大きな音で使用しないのでツマミはほんのちょっとしか回さないで十分な感じでした。
Rupert Neve Designs のトランスを抜きにしても、この価格帯のオーディオインターフェースとして十分に良い製品ですねこれは。まじかというか、ちょっと良い意味で驚きました。
Neveトランス最高
「Rupert Neve Designs TRANSFORMER」とある所の四角いスイッチをオンにするとスイッチが光り、この状態でインプット信号に Neve トランスを通すことが出来ます。
先述の通り、これを通さなくてもクリアで十分良い音をしていますが、通すとかなり音が変わります!
トランスを通すとさすが Rupert Neve Designs といった感じ、というか Neve といった感じのギラッと存在感のある音に変貌します。
倍音が持ち上がることで高域は抜け、低域はドシッと引き締まり、中低域は豊かになる(盛られるわけではない)。そしてグッと前に出てきますね。
恐らく価格帯を考慮して?初心者でも分かるようにという配慮なのか、トランス使用による音質変化はかなり大きめになっています。全部に使うとちょっと暑苦しくなりそうですが、ギターやベースなどここぞというトラックに使用して録音するとミックス段階でもとても良い感じに効いてくれますね。
これはマジで素晴らしいです。
in/out の多い UR-RT4 なら、ソフト音源や2mixにもリアンプのような感じでこのトランスを通せますね!
まとめ
ミドルクラスのオーディオインターフェースとしての素性も十分でありながら、かなり存在感のある Rupert Neve Designs のトランスが付いてくるって凄い製品ですね。
インプットの音が良くなりすぎてギターアンプシミュレーターの音作りをやり直したほどですw
USB2.0 接続なのでレイテンシーを詰めるのにCPUパワーが割と必要になるのが玉に瑕ではありますが、それにしてもこれはかなり満足な製品です。筐体も格好良いですしね。
もちろんウン十万円するオーディオインターフェースと比べるべきではありませんが、小さい方の UR-RT2 だとお値段もかなり安めですし、コストに対する音質の面でかなり推せる製品だと思いました。
早速パワーアップした音質で曲作りを進めています。