Amplitube SVX レビュー【ベースアンプシミュレーター】【Ampeg】
IK Multimedia Amplitube SVX(無印)のレビューになります。ベーシスト DTMer なら必見!?の、Ampeg 元公式アンプシミュレーターです。
Amplitube SVX とは
https://soundcloud.com/user-688579952/sets/amplitube-svx-by-ik-multimedia
Amplitube SVX は、IK Multimedia の人気アンプシミュレーター、Amplitube シリーズのベース用拡張パックです。
Ampeg 系のベースアンプを4種類、キャビネットを6種類、ストンプを8種類収録したベースアンプのセットになります。
元々 Ampeg 公式のモデルだったのですが、現在はどういうわけか Ampeg の名前はプロダクトから削除されています。ライセンスが切れたのでしょうかね…🤔
とはいえ、中身自体に変更はないと思われますので、あくまで Ampeg 系のアンプシミュレーターであることに変わりはありません。
ベース用のアンプシミュレーターってなかなか選択肢が多くない中、有名ドコロの Amplitube から Ampeg の(元公式)アンプシミュレーターが手に入るのは嬉しいです。
しかも Amplitube の商品特性上、拡張パックと言えども、これだけ買えばフルで使えるというのもポイント高いです。
Amplitube SVX の収録モデル
さて、そんな Amplitube SVX ですが、具体的な収録モデルは以下になります。
以下の通り、分かる人には説明不要な感じの Ampeg 盛り盛りのセットです。ベーシストならアツいラインナップではないでしょうか。
ヘッドアンプ
- SVX-500 (Based on the Ampeg BA-500)
- SVX-15R (Based on the re-issued 1960s Ampeg B-15R)
- SVX-CL (Based on the Ampeg SVT-Classic)
- SVX-PRO (Based on Ampeg SVT-4PRO)
キャビネット
- SVX-500 (Based on the Ampeg BA500 Cab Model)
- SVX-15R (Based on Ampeg B-15R Portaflex “Flip Top” Cab Model)
- SVX-410B (Based on Ampeg BXT 410H Cab Model)
- SVX-212 (Based on Ampeg PB-212H Cab Model)
- SVX-410S (Based on Ampeg SVT-410H Cab Model)
- SVX-810E (Based on Ampeg SVT-810E Cab Model)
ストンプエフェクター
- SVX-OD (Based on the Ampeg SCP-OD Overdrive pedal)
- SVX-OCT (Based on the Ampeg SPC-OCT Octaver pedal)
- Analog Chorus
- Analog Delay
- Bass Wah
- Compressor
- Envelope Filter
- Volume
Amplitube SVX 各アンプのレビュー
ここではヘッドアンプごとに所感を書いていきたいと思います。
キャビネットは基本的に各ヘッドの Matched として当てられるものを基準にします。マイクは SM57 をセンターから少しずらす程度の位置にしています。
キャビネットの変更やストンプについては特筆すべき感想があれば記載する形とします。
SVX-500
Ampeg BA-500 という 500W のコンボアンプが元になっています。
コンボアンプですが Amplitube プラットフォーム上のアンプシミュレーターなのでキャビネットを付け替えられるのが面白いですね。
とはいえやはり Matched キャビネットの SVX-500 が一番しっくり来ます。
ミニアンプらしい、ドライブさせていくといい感じにダーティになっていく感じが良いですね。量感を保ちつつも、メタル系にも合いそうなコンプレッションされた汚れ系サウンドが良い感じです。
なんだかんだで一番気に入ったのがこれでした。
SVX-15R
Ampeg B-15R という1960年代のヴィンテージアンプのリイシューモデルが元になっています。
これもドライブ感が気持ち良いです。SVX-500 とは違った質感の、もう少し立体的で前に出てきつつジリジリしてくるというか、まあ鳴らせば格好良いと言う人が殆どではないだろうかというサウンド(笑)
ウルトラハイを押した時の金属的な質感も格好良いですね。
SVX-CL
Ampeg SVT-Classic (SVT-CL) という、Ampeg SVT シリーズのオリジナルモデルを現代に復刻させたモデルが元になっています。
クラシックなモデルのはずなんですが(そして高額なモデル)、どちらかというとクリアでモダンな方向性、上記2種よりは下記の SVT-PRO に近い質感です。
初期状態だとふくよかで結構おとなしい感じですが、キャビを小さいものに換えると元気になります。あと出力がデカイ。
SVX-PRO
Ampeg SVT-4PRO という、いわゆる「モダンアンペグ」の代表的な機種の1つが元になっています。
全モデル中最もクリアでソリッドです。確かにこれはモダンアンペグの音です。
Amplitube 特有の歪みが乗りにくい感じがやや気になるものの、ペダルと合わせてしっかりドライブさせていけば太くゴリゴリのモダン系サウンドが作れますね。
まとめ
Amplitube SVX(無印)は、確か Amplitube 3 時代の製品で、大元の設計は結構古かったはずです。
なので、全体として決してハイファイな音ではないのですが、しかし当時の製品としては非常によく元のアンプの雰囲気が出ていると思います。
アンペグらしいファットさや粘り感、良い意味での中低域の飽和感みたいなものがよく再現されており、アンペグっぽい格好良くて使いやすい音を確実に感じられるでしょう。
ベースのアンプシミュレーターって音作りを失敗すると細い音になりやすいのですが、そういった感じがないのも良いです。全体的に量感がしっかりしています。
扱いやすさという点では Amplitube らしさとも言えますね。あくまで上記のような特徴は捉えつつも、どこか淡白でさっぱりしているのでオケに馴染みやすい感じは、まさに Amplitube らしさです。
逆に、歪みにくい点も Amplitube らしいですけどね。。。
Amplitube x Ampeg という組み合わせは、DAW 上でエレキベースサウンドを扱う上でのある種1つの基準と言って良いと思いますので、興味がある方は良きタイミングで入手してみてはいかがでしょうか。